3足目で茶系にチャレンジ!
ロイドフットウェアの最高峰・Master Lloydシリーズの内羽根式セミブローグ・”BERKELEY”です。僅かに赤みを帯びたこの茶色は、お手入れ次第で表情が様々に経年変化して行きます。これを楽しめるかどうかが、茶系の靴が似合うか否かの別れ道でもあります。:税込み\64,050。色:黒・チェスナットブラウン。サイズ:5 1/2~9。 |
汎用性が高い紳士靴の「基本」と、礼儀・マナーとしての「必携」の2足が手に入りましたので、「その次」辺りからいよいよ個々の環境や性格により即した靴が欲しくなるところです。となると、
「牛革スムースレザーを用いた、セミブローグやフルブローグ」
などが候補としては良いのではないでしょうか? 内羽根式・外羽根式はどちらでも構わないですし、例えば職場環境が許すのであれば、茶系の靴にもそろそろ挑戦してみるのも手です。このページに載せたロイドフットウェアの茶系の靴でしたら、落ち着きのあるスタイルですので、「とにかく茶系厳禁」の一部の金融機関以外でしたらまず大丈夫でしょう。
以前にも書きましたが、もともとこのブローグなる靴は、16世紀から17世紀にかけてのアイルランドでの労働靴が起源。ですので礼装に合わせるのは流石に問題が生じるものの、ビジネスでスーツと共に用いるのは遺伝子的にも大正解ですし、ジャケット&トラウザーズ的な装いそれにカジュアルウェアに至るまで、プレーントウとはまた異なる範囲の守備を広く果たせます。「3足目はUチップでもいいのでは?」と言った声が聞こえて来そうですが、合わせられる服の多さを考えると、個人的にはこのようなブローグ系を先に購入しておいた方が賢明だと思いますよ(恥ずかしくなる位に頭がカタイのですが、小生はUチップにウールのトラウザーズが合わせられません、どうしても……)。
「黒の靴で訓練を積んでから茶系に!」は、単に紳士靴としての必要性の順番からだけではなく、シューケアの奥深さを会得できるためにも有効なステップだと思います。極端に申し上げれば、黒の靴はお手入れで「黒光りする」までしか到達できないのですが(だからこそ果てしなく深遠でもありますが)、それで「水分と油分を補給し、表面に艶を出す」のをある程度覚えた上で茶系の靴の世界に突入すると、お手入れで失敗してしまう確率は遥かに低くなります。さらに茶系の靴は用いる靴クリームやお手入れの頻度次第で、持ち主の感覚をより直截的に表情に反映させることが可能で、経年変化が黒以上に人それぞれ。色の重なり方も抜け方も、履き込んで行くにしたがい複雑になってゆくのですが、セミブローグやフルブローグですと、特につま先のメダリオンの周辺にその「個性」が顕著に出て来るのです。
いかがでしたでしょうか? 控えめで質実剛健な「用の美」を備えた靴が、今日のイギリス現地より遥かに確実に揃っているロイドフットウェアでは、今回のお題に見合うものがきちんと揃えられます。男性のお洒落の本質は「目立つ」「ハズす」瞬間芸的なものではなく、長い時間をかけて「溶ける」「馴染む」ものだと解っている人には、何時行っても欲しい靴が確実に出会える、今時本当に貴重な存在です。「はじめの一歩」だけでなく長い階段を着実に上ってゆきたい方、訪れるべきは間違いなくこのお店です!
【お問合せ先】
■ロイドフットウェア 銀座
住所:〒104-0034 東京都中央区銀座3-3-8
地図: Yahoo!地図情報
Tel:03-3561-8047(直通)
営業時間:12:00~22:00 年中無休
■ロイドフットウェア 青山
住所:〒107-0034 東京都港区南青山5-18-4 102
地図: Yahoo!地図情報
Tel:03-3409-9335(直通)
営業時間:15:00~22:00 年中無休
ロイドフットウェア・Aシリーズの内羽根式フルブローグです。一見細身ながら足入れは良いのがAシリーズの特徴。鳩目周りを竪琴状に刳り貫いた通称「アデレイドスタイル」は、この店の靴としては珍しいデザインです。:税込み\55,650。色:黒・ブラウン。サイズ:5 1/2~9。 |