髪の毛の基礎知識と雑学!
髪の毛の基礎知識と雑学!
そこで今回は、髪の毛をめぐる雑学をお届けします。髪の成分や本数、1日にどれくらい伸びるかなど、ちょっと学術的な話題です。
頭に10万本生えている髪の毛……はたしてそのスペックは?
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ちなみ髪の毛の本数(生えている本数というよりも、毛根の数と言った方がよいでしょうか)は赤ちゃんの時に既に決まっていて、その後、変わることはありません。日本人はおよそ10万本。欧米人はそれよりも若干多めで、14万本前後です。
●髪の3つの役割
まず、何のために生えているのか──髪の役割には、「頭の保護」「感覚器官」「不要物の排出」の3つがあります。
「頭の保護」は、ご存知の通り、雨や日光、暑さ寒さから頭を守り、衝撃を受けてもケガをしにくくしてくれる働きです。「感覚器官」とは、毛根付近にある神経が外部からの刺激に反応し、周囲の状況を察知すること。また「不要物の排出」とは、カドミウムなど人体に有害な物質を、毛乳頭を通して髪の毛に取り込み、外に排出する働きです。
●主成分はタンパク質
髪の毛は、外側からキューティクル、コルテックス、メヂュラという3つの層で出来ています。その成分は、以下の通り。
キューティクル/硬いタンパク質
コルテックス/繊維状のタンパク質
メヂュラ/柔らかいタンパク質と脂質
つまり、ほとんどがタンパク質でできているわけです。
●1日に0.3~0.5mm伸びる
当然、個人差はありますが、髪の毛は1日に0.3~0.5mm伸びます。0.5mm伸びるとして、1カ月で1.5cm、1年で18cm。これは、体毛の中で2番目の速さです(1番速いのは、ヒゲ)。
切らないとどこまでも伸ばせそうですが、髪の毛にも寿命があるため、伸ばし続けても1mを超えるのは至難の業のよう。それに達する前に抜けてしまいます。
ただ、ギネスブックによると、認定された世界最長は、5m15cm。タイの男性の記録ですが、これはスゴいですね。
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●太さはわずか0.05~0.15mm髪の毛の太さには個人差があり、同じ人でも年齢によって変化しますが、大まかな太さは、0.05~0.15mm。平均で0.07mmくらいでしょうか。
髪の毛の太さには、前述のコルテックスの量が大きく関わっています。それが多いと太く、少ないと細くなります。
女性:10~30代にかけて太くなり、30代以降に細くなる
●1本で50~200gを持ち上げる強度
これも個人によって違いますが、1本の髪の毛が持ち上げられる重さは、50gとも100gとも、200gとも言われています。10万本ある髪の毛が1本50gを吊したとしても、全部で5tのものを持ち上げることができると言うわけです。
サーカスに、髪の毛で体を支えるアクロバットがあります。見ていると「落ちないかなぁ」と心配になりますが、自分の体重を支えるくらいの芸当は、簡単にできてしまうのですね(素人の方には、痛さが問題!)。
髪の毛の色、くせ毛やペットの脱毛症など、さらに踏み込んだ雑学を!
髪の毛の基本スペックが分かったら、今度はさらに踏み込んだ雑学をご紹介しましょう。
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●メラニンが決める髪の色最近ではカラーリングが一般的になってきましたが、髪の毛そのものの色は、どうやって決まるのでしょうか?
これには髪の毛の内部にある「メラニン」という色素の種類と量によって決まります。下記の様に、メラニンが多ければ黒くなり、少なければシルバー系になっていくのです。
【多い】黒→ブルーネット→茶色→赤茶色→レッド→金髪→シルバー【少ない】
なお、恐怖や心労のために"一晩で白髪になる"(あしたのジョーのように)というのは、本当でしょうか?
これに関しては、"いま生えている髪が白く変わる"ことはありません。ただ、恐怖などのために毛根の色素細胞が働かなくなり、メラニン色素が生成できなくなる場合があります。そのために、次に生えてくる髪が、白髪になってしまうのです。
●くせ毛は、製造所の形が原因
くせ毛の人は、直毛の人を羨ましく思うようです。しかし、直毛の人は、くせ毛をカッコいいと感じるもの(若い頃の僕がそうでした。何もしないのにパーマをかけたようで、羨ましかったのを覚えています)。
このくせ毛は、毛嚢(もうのう:下の「頭皮の状態」の図の赤い線の部分です)という髪の毛をつくるところの形が原因です。毛嚢がまっすぐならストレートな髪に、歪んでいるとくせ毛になり、その程度で「直毛→波状毛→球状毛」に大別されます。
直毛の断面図は円形ですが、波状毛は楕円、球状毛はさらに凹んだ断面をしています。
ちなみに、東洋人には直毛が、西洋・黒人にはくせ毛が多いようです。
●ペットにもある脱毛症
脱毛症は、ストレスや偏食などによって生じるもの。当然、人間だけでなく、犬やネコにも見られます。特に運動不足で、脂っこいものばかり食べているペット(飼い主の責任です)は要注意。人間の好みや生活習慣を押しつけられているケースもストレスが多く、円形脱毛症になってしまうペットも多いようです。
また、ペットとはいいがたいですが、チンパンジーやオラウータンなどは、人間と同様に壮年性脱毛症(薄毛)になることがあります。
いかがでしたか、雑学大全集の「学術編」。意外と知らない髪の毛の真実を楽しんでいただけたかと思います。
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