文章 : 佐藤 明男(All About「男のヘアケア」前ガイド)

ハゲはスケベで絶倫。このようなハナシが世間ではまことしやかにささやかれています。「一理ある」とうなずいている方もいれば、「そんなことない」と首を横に振る方もいるでしょう。では、実際のところはどうなのでしょうか? 早速、探ってみることにしましょう。

スケベなのは
男性ホルモンのしわざ

カエサルの銅像
「英雄色を好む」と言いますが、歴史上の英雄たちは、みな男性ホルモンが強かった!?
「ハゲはスケベで絶倫」という説を検証するにあたって、まずは「なぜ男は色を好むのか」から考えていくこととします。理由はズバリ、男性ホルモンが分泌されているから。男性ホルモンは、そのほとんどを睾丸で、一部を副腎でつくっており、男性らしい“たくましい肉体”を育み、性欲を高めます。実際に、勃起不全(ED)の主な原因は、男性ホルモンの減少にあると考えられています。「英雄色を好む」ということは昔から言われていますが、それも、男性ホルモンが闘争心をかきたてるから。多くの競争に打ち克ち、歴史に名を残す人物を英雄とするなら、その人は同時に、強い性欲も持ちあわせていたとも考えられます。

男が色を好むのは男性ホルモンのせい、ということはわかりました。では、同じ男でも年中女性の尻を追い掛け回しているような人から、女性に淡泊な人、あるいは自分と同じ男性を愛する人とさまざまな嗜好性があるのはなぜでしょう。ドスケベか淡泊かを左右するのは、おもに男性ホルモンの分泌量によると考えられています。分泌量については、生まれつきの体質による部分もありますが、十分な運動とバランスの取れた食事、ストレスのない生活等が、男性ホルモンの分泌を促すことがわかっています。余談ですが、ホモ・セクシャルの男性は、胎児の頃に適切な量の男性ホルモンを浴びていなかったとする説もあるのです。

男性ホルモン悪玉説の真相

セクシーな女性
セクシーな女性はいつでも、男性を惑わし、エロさをかきたてるものですが……。
男性ホルモンがハゲとどう関係しているのかに話を進めましょう。1940年代にアメリカのハミルトンという人が、男性ホルモンとハゲとの関連についてさまざまな実験を行っています。

[1]ハゲが進行中の人が去勢、つまり睾丸を取り除いたら、それ以上ハゲなかった
[2]去勢した[1]の人に男性ホルモンを投与したら、再びハゲが進行した
[3]もともと髪の毛がフサフサの人が去勢後、男性ホルモンを投与してもハゲることはなかった。

この実験から導きだされることは、男性ホルモンはハゲる原因の1つらしいが、ハゲない人もいる、ということです。ハミルトンの実験から半世紀以上経った今、男性ホルモンとハゲとの関係が、より明らかになってきました。そこについてお話ししましょう。

男性ホルモンと毛根部にある5αリアクターゼという酵素が結びつくと、ジヒドロテストロン(DHT)という活性型の男性ホルモンに変換され、髪の毛の発毛や成長を遅らせたり、ストップさせる等の悪さを働くわけです。男性ホルモンの多寡(多い少ない)に関係なく、ハゲない人もいるというのは、毛乳頭という髪の毛を生み出す根本のDHTをキャッチする部分(=受容体)が活発でない、ということなのです。なので、最近の育毛剤には、このDHTの働きを邪魔する成分を含むものが多く出回るにようになりました。

というわけで「エロい男性はハゲるのか?」への回答は、「エロい男性でかつ、毛乳頭のDHTをキャッチする受容体の働きが活発な場合、ハゲる」というものになります。とはいえ、エロくない男性は、女性からすればつまらないもの。例えハゲていても、エロい男性は女性へ訴えかけるセクシーさがあるのです。

次ページでは、ハゲ男性のセクシーさについて語ります。