ライトグレイッシュトーンとは? 繊細で上品
ライトグレイッシュトーンとは
今回のテーマは、「ライトグレイッシュトーン~さりげない色」です。
「ライトグレイッシュトーン~さりげない色」は、「ダルトーン~味わい深い色」「ソフトトーン~エレガントな色」「グレイッシュトーン~粋な色」と同じ、グレイッシュ(中間色、濁色)の仲間です。淡いアジサイの花びらのようなおさえた色調は、繊細で上品なイメージが感じられますね。
トーン(色調)とは?
記事「色の三属性と色が与えるイメージ」では、色相(色み)、明度(明るさの度合い)、彩度(鮮やかさの度合い)といった色の三属性をご紹介しましたが、日常生活の中では、「明るい、暗い」、「濃い、薄い」、「鮮やかな、くすんだ」というように、色のおおまかな印象を、言葉によって表現するのが一般的です。
「明るい」という言葉には、明度の高さだけでなく、鮮やかさも含まれているのに対して、「薄い」という言葉には、明度の高さと彩度の低さ(色みの少なさ)が表現されています。
このような色の表わし方をトーン(色調)と言います。トーンは、明度と彩度が複合された、色の印象を表わす方法です。
ライトグレイッシュトーンは、中明度、低彩度に分類されます
トーンを知ると、色の印象をおおまかにとらえることができますし、配色調和を考えたり、パーソナルカラーを活用する手がかりにもなるので、非常に便利です。今回は、ライトグレイッシュトーンをテーマに、活用術をお届けします!
ライトグレイッシュトーンの特徴
代表的な5色相(赤・黄・緑・青・紫)について、ビビッドトーン(純色)、ペールトーン(ティント・明清色)、ライトグレイッシュトーン(グレイッシュ・濁色・中間色)、ダークグレイッシュトーン(シェード・暗清色)、の順に並べてみました。
グレイッシュ(濁色・中間色)は明るいグレーに、少しだけ色みをプラスした色。静かで、しとやかなイメージが持ち味です。ダルトーンは、地味な色ですが、色が主張しない分、素材のよさを引き立ててくれる色ともいえるでしょう。
代表的な5色相(赤・黄・緑・青・紫)もトーンによってイメージが異なります
パーソナルカラータイプ別! おすすめカラーコーディネート!
ライトグレイッシュトーンはひかえめで、なごやかな雰囲気を醸し出す色。とても似合う方もいらっしゃいますが、苦手な方もいらっしゃいます。そこで、パーソナルカラーのタイプ別に、ライトグレイッシュトーンを着こなすためのカラーコーディネートをご紹介します。
ご自分のタイプがわからない方は、パーソナルカラー診断のページをご覧ください。20秒で分かる自分に似合う色:女性編パーソナルカラー診断!
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ライトグレイッシュトーンが最も苦手なのは、スプリングタイプ。明るく澄んだ色はよくお似合いになりますが、くすんだ中間色を身に着けると寂しい印象になりがちです。
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パーソナルカラー診断 スプリング(春)タイプ 男性編
ウィンタータイプの方は、くっきりはっきりした色がよくお似合いになります。くすんだ中間色を身に着けると、ボケた印象になりがちです。
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パーソナルカラーの4つの基本タイプの中でダルトーンがよくお似合いになるのは、サマータイプとオータムタイプの方です。今回はサマータイプとオータムタイプの方に、それぞれおすすめのカラーコーディネートをご紹介します。
ライトグレイッシュトーンの色を使った配色例
■ゼニスブルーに、パウダーブルー、ローズピンク。エレガントに品よくまとめましょう。
サマータイプの方は、ソフトで涼やかな色がよくお似合いになります。女性らしい着こなしを心がけて。
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■ライラックヘイズに、パールピンク、ペールセラドン。グシュッシュな色調で統一して、おしゃれな印象を心がけて。
オータムタイプの方は、くすみのあるシックな色がよくお似合いになります。ときには、明るめの色をセレクトして、イレギュラーな面白さを演出してみましょう。
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日本・フランス・中国の伝統色
色を使いこなすには、たくさんの色に触れて、その色の背景にある歴史や文化を知ることも大切です。今回は、日本、フランス、中国の伝統色の中から、ライトグレイッシュトーンの色を3つずつ選んでご紹介します。
歴史や文化の中で育まれてきた色は、とても表情豊か。色名や色の由来から、イマジネーションを広げていきましょう。
日本・フランス・中国の伝統色
■日本の伝統色
灰桜(はいざくら)色の由来:桜色の灰みがかった色をいう。明度の高いソフトな感じの色で、これより明度が低くなると桜ねずの名がある。
利休白茶(りきゅうしらちゃ)
色の由来:利休茶道で葉茶を利休と呼ぶことから、利休は緑みを形容する意味があり、利休白茶は緑みをおびた白茶をいう。
深川鼠(ふかがわねず)
色の由来:水色がかった明るいグレイをいう。深川の名は江戸深川木場の粋好みを形容している。英名ではスカイグレイ(sky gray)がこれに当る。
■フランスの伝統色
色の由来:生のままの自然の状態にある生地及びその色。例えば漂白しないみざらしのトワル、或いは湯通ししない生絹等。
LICHEN (リケン)、地衣類の色
色の由来:地面や木や石に密生し、平らな葉状体か枝の多いもの、そこに菌と藻が共生する。その色をさしたものである。
BLEU BROUILLARD (ブルー・ブルイヤール)、霧の中のブルー
色の由来:地面や海面に接した地層中で水蒸気が凝結し、無数の微小な水滴となって大気中に浮遊し、煙のように見える中にみられるブルーの色。
■中国の伝統色
色の由来:中国の絵画において不可欠な透明色の土色。山西省代洲産のものが美しい。代赭<タイチョー>の名もある。
果灰 (クオホイ)、淡い灰緑
色の由来:霜、霧の色。くだものの色。涼しく爽やかな透明感あふれる色。山西省五台山の仏光寺にある、唐代の壁画に使用されている。
紫藤灰 (ツートンホイ)、錆桔梗(さびききょう)
色の由来:陰影の色。やすらかで、心地良い感じを与える色。
※色はあくまで目安です。ブラウザやディスプレイによって、見え方が異なります。
※参考資料:DICカラーガイド
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