色の三属性と色が与えるイメージ
色の基本を身につけましょう。
例えば、赤と言っても、トマトのようにオレンジみの赤もあれば、ワインレッドのように青みがかった赤、マホガニーのような深い赤など、実に様々な色があります。人間が見分けられる色は、約100万色と言われます。
カラーコーディネートは、色彩を整理・分類することから始まります。ファッションやインテリアといった身の回りにある色も整理・分類し、傾向を把握しておくと、自分の色彩の好みを確認できますし、色を効果的に活用しやすくなります。
色は、色相(色み、いろあい)、明度(明るさの度合い)、彩度(鮮やかさの度合い)の三つの属性によって分類することができます。昔、美術の授業で習ったような内容かもしれませんが、色を上手に使うには、基本となる色の三属性(さんぞくせい)を理解することが早道です。
饒舌な有彩色と寡黙な無彩色
有彩色は、暖色系、寒色系、中性色系に分類されます。
無彩色はもの静かでありながら、存在感があります。
■有彩色:積極的なイメージの暖色と控えめなイメージの寒色
有彩色の中で、最も鮮やかな色を純色といいます。
色相の違いは、暖かい色、冷たい色というように、色の寒暖感と結びついています。赤・オレンジ・黄色は、見た目に暖かく感じるので暖色系、青・青紫は見た目に冷たく感じるので寒色系、緑・紫は見た目に暖かくも冷たくも感じないので中性色系と呼びます。
有彩色は、見た目に進出して見える色もあれば、後退して見える色もあります。
また、暖色系は積極的なイメージ、寒色系は控え目なイメージ、中性色は穏やかなイメージを与えます。 色が与えるイメージを活用することも、カラーコーディネートの基本です。
■無彩色:明るさのグラデーション
明度のグラデーションをつくると、境界線が強調されます。
これは、縁辺対比(えんぺんたいひ)と呼ばれる現象で、上図のように3つ以上の明度(明るさ)の違う色でグラデーションを作ると、境界線に沿って明るさの差が強調されて見えます。このように、色は組み合わせ方によって見え方が様々に変化します。
次は、スリムに見える色は重たく見える?
明度と彩度の基本を確認しましょう。
スリムに見える色は重たく見える?明度と彩度の基本
縦軸は明度、横軸は彩度。上に行くほど明るく、右に行くほど鮮やかになります。
無彩色は左側に配置され、最も明るい白は一番上に、最も暗い黒は一番下に、白に近いライトグレーから黒に近いダークグレーが、上から順に並んでいます。
有彩色は、明度が高いものは上に、彩度が高いものは右に配置されます。
■明度:膨張して見える色と収縮して見える色
明度の高い色(明るい色)は、見た目に軽く、柔らかく感じ、膨らんで見えます。 明度の低い色(暗い色)は、重く、硬く感じ、縮んで見えます。
明度の高い色(明るい色)は、見た目に軽く、柔らかく感じ、膨らんで見えます。 明度の低い色(暗い色)は、重く、硬く感じ、縮んで見えます。
一般に、暗い色は引き締まってスリムに見える色と言われていますが、重量感や硬い印象も与えてしまう色です。ファッションで暗い色を上手に着こなすためには、素材やデザインなどで軽さや柔らかさを取り入れるなど、トータルなバランス感覚が大切です。
■彩度:地味な色と派手な色
彩度の低い色(鈍い色)は地味な印象を、彩度が高い色(鮮やかな色)は派手な印象を与えます。
彩度は、色の派手・地味感との関連が深く、特に、暖色系で彩度が高い色は人の目を引きつけます。反対に、色みをおさえた彩度の低い色は地味な印象になります。
次は、澄んだ色と濁った色
パーソナルカラーとの関係について解説します。
イメージコントロールの決め手、澄んだ色と濁った色
明るく澄んだ色のことを明清色(めいせいしょく)、濁った色のことを濁色(だくしょく)、暗くて澄んだ色のことを暗清色(あんせいしょく)といいます。
■明るく軽やかな明清色
明るく軽やかな明清色
■クラシック&ダンディな暗清色
クラシック&ダンディな暗清色
■シック&ナチュラルな濁色
シック&ナチュラルな濁色
パーソナルカラーとの関係
パーソナルカラーとは、似合う色や苦手な色の傾向を把握して、個性やライフスタイルに合ったスタイリングを考えていくものです。例えば、一見地味な印象の濁色を着ると、華やかさや上品さが出て、肌の調子が滑らかに整って見える方は、オータムタイプかサマータイプの要素があると考えられます。関連記事で、パーソナルカラーの簡易診断と4つの基本タイプの似合う色と苦手な色の傾向を紹介していますので、参考になさってくださいね。
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※色はあくまで目安です。ブラウザやディスプレイによって、見え方が異なります。