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色の基本……色の三属性と色が与えるイメージ

カラーコーディネートの基礎を身につけましょう。今回は、色を分類して整理するための基礎となる「色の三属性」と「色が与える印象」「澄んだ色・濁った色」をテーマにお届けします。色を上手に使うには、基本となる色の三属性を理解することが早道です。

松本 英恵

執筆者:松本 英恵

カラーコーディネートガイド

色の三属性と色が与えるイメージ

色の三属性と色が与えるイメージ

色の基本を身につけましょう。

日本では、虹の色の数は一般的に7色と言われますが、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の色の帯が並んでいるわけではなく、境界はグラデーションになっています。

例えば、赤と言っても、トマトのようにオレンジみの赤もあれば、ワインレッドのように青みがかった赤、マホガニーのような深い赤など、実に様々な色があります。人間が見分けられる色は、約100万色と言われます。

カラーコーディネートは、色彩を整理・分類することから始まります。ファッションやインテリアといった身の回りにある色も整理・分類し、傾向を把握しておくと、自分の色彩の好みを確認できますし、色を効果的に活用しやすくなります。

色は、色相(色み、いろあい)、明度(明るさの度合い)、彩度(鮮やかさの度合い)の三つの属性によって分類することができます。昔、美術の授業で習ったような内容かもしれませんが、色を上手に使うには、基本となる色の三属性(さんぞくせい)を理解することが早道です。
   

饒舌な有彩色と寡黙な無彩色

有彩色は、暖色系、寒色系、中性色系に分類されます。

有彩色は、暖色系、寒色系、中性色系に分類されます。

色は、赤、黄、緑……のような有彩色と、白、黒、グレーの無彩色に分類することができます。カラー写真は饒舌に見る人の感情に働きかけ、白黒写真は寡黙ですが存在感が感じられるのではないでしょうか。
無彩色はもの静かでありながら、存在感があります。

無彩色はもの静かでありながら、存在感があります。


■有彩色:積極的なイメージの暖色と控えめなイメージの寒色
有彩色の中で、最も鮮やかな色を純色といいます。

有彩色の中で、最も鮮やかな色を純色といいます。

赤、黄、緑……というような色みの違いを色相(しきそう)といいます。最も鮮やかな純色(じゅんしょく)を24色、並べましたが、色相の変化は境目のない連続的なものとなります。

色相の違いは、暖かい色、冷たい色というように、色の寒暖感と結びついています。赤・オレンジ・黄色は、見た目に暖かく感じるので暖色系、青・青紫は見た目に冷たく感じるので寒色系、緑・紫は見た目に暖かくも冷たくも感じないので中性色系と呼びます。
有彩色は、見た目に進出して見える色もあれば、後退して見える色もあります。

有彩色は、見た目に進出して見える色もあれば、後退して見える色もあります。

飛び出る色、引っ込む色という色の進出・後退効果も、色の寒暖感とほぼ同じで、暖色は進出色、寒色は後退色とされています。上図は、黒い背景に、先ほどの24色相を並べたものです。進出・後退効果がよくわかりますね。

また、暖色系は積極的なイメージ、寒色系は控え目なイメージ、中性色は穏やかなイメージを与えます。 色が与えるイメージを活用することも、カラーコーディネートの基本です。

■無彩色:明るさのグラデーション
明度のグラデーションをつくると、境界線が強調されます。

明度のグラデーションをつくると、境界線が強調されます。

色みを持つ色を有彩色と言うのに対して、色みを持たない、黒、グレー、白を無彩色といいます。上図のグラデーションの境界部分に注目してみてください。隣あう色の境界線が強調されて見えることに、お気づきでしょうか。下図は上図のグラデーションを、2色づつ切り離したものです。境界線の見え方が違っていますよね。

これは、縁辺対比(えんぺんたいひ)と呼ばれる現象で、上図のように3つ以上の明度(明るさ)の違う色でグラデーションを作ると、境界線に沿って明るさの差が強調されて見えます。このように、色は組み合わせ方によって見え方が様々に変化します。

次は、スリムに見える色は重たく見える?
明度と彩度の基本を確認しましょう。
 

スリムに見える色は重たく見える?明度と彩度の基本

縦軸は明度、横軸は彩度。上に行くほど明るく、右に行くほど鮮やかになります。

縦軸は明度、横軸は彩度。上に行くほど明るく、右に行くほど鮮やかになります。

上図は、縦軸を明度(めいど)、横軸を彩度(さいど)とし、色の配置したものです。

無彩色は左側に配置され、最も明るい白は一番上に、最も暗い黒は一番下に、白に近いライトグレーから黒に近いダークグレーが、上から順に並んでいます。

有彩色は、明度が高いものは上に、彩度が高いものは右に配置されます。

■明度:膨張して見える色と収縮して見える色
明度の高い色(明るい色)は、見た目に軽く、柔らかく感じ、膨らんで見えます。     明度の低い色(暗い色)は、重く、硬く感じ、縮んで見えます。

明度の高い色(明るい色)は、見た目に軽く、柔らかく感じ、膨らんで見えます。 明度の低い色(暗い色)は、重く、硬く感じ、縮んで見えます。

明度は、重い色、軽い色という軽・重感や、硬い色、柔らかい色という硬・軟感、膨らむ色、縮む色という膨張・収縮効果と関係が深いとされています。

明度の高い色(明るい色)は、見た目に軽く、柔らかく感じ、膨らんで見えます。 明度の低い色(暗い色)は、重く、硬く感じ、縮んで見えます。

一般に、暗い色は引き締まってスリムに見える色と言われていますが、重量感や硬い印象も与えてしまう色です。ファッションで暗い色を上手に着こなすためには、素材やデザインなどで軽さや柔らかさを取り入れるなど、トータルなバランス感覚が大切です。

■彩度:地味な色と派手な色
彩度の低い色(鈍い色)は地味な印象を、彩度が高い色(鮮やかな色)は派手な印象を与えます。

彩度の低い色(鈍い色)は地味な印象を、彩度が高い色(鮮やかな色)は派手な印象を与えます。

白、黒、グレーといった無彩色は色みをまったく含んでいないので、彩度はゼロです。反対に、最も彩度が高い色のことを純色と呼びます。純色に無彩色を混ぜていくと色みが少なくなり、彩度が低くなります。

彩度は、色の派手・地味感との関連が深く、特に、暖色系で彩度が高い色は人の目を引きつけます。反対に、色みをおさえた彩度の低い色は地味な印象になります。

次は、澄んだ色と濁った色
パーソナルカラーとの関係について解説します。
 

イメージコントロールの決め手、澄んだ色と濁った色

明るく澄んだ色のことを明清色(めいせいしょく)、濁った色のことを濁色(だくしょく)、暗くて澄んだ色のことを暗清色(あんせいしょく)といいます。

明るく澄んだ色のことを明清色(めいせいしょく)、濁った色のことを濁色(だくしょく)、暗くて澄んだ色のことを暗清色(あんせいしょく)といいます。

明るさや鮮やかさの他に、澄んだ、濁ったという言葉もよく耳にすると思います。色彩学では、澄んだ色のことを清色(せいしょく)、濁った色のことを濁色(だくしょく)、あるいは、中間色といいます。清色は、明清色(めいせいしょく)暗清色(あんせいしょく)に分類されます。

■明るく軽やかな明清色
明るく軽やかな明清色

明るく軽やかな明清色

絵の具の混色を思い出してみてください。例えば、赤い絵の具に白い絵の具を混ぜると、きれいなピンク色ができます。このように純色に白を混ぜると、明るさが増して色みの量は少なくなります。しかし、元の色みは澄んだまま残っているので、明清色といいます。明るく軽やかなイメージが特徴です。
 

■クラシック&ダンディな暗清色
クラシック&ダンディな暗清色

クラシック&ダンディな暗清色

赤い絵の具に黒い絵の具を混ぜると、マホガニーのような深みのある赤茶色になります。このように純色に黒を混ぜると、暗さが増して色みの量は少なくなります。しかし、元の色みは澄んだまま残っているので、暗清色といいます。クラシックで男性的なイメージが特徴です。
 

■シック&ナチュラルな濁色
シック&ナチュラルな濁色

シック&ナチュラルな濁色

赤い絵の具に白い絵の具と黒い絵の具、つまりグレーを混ぜると、ローズグレーのようなくすんだ色ができます。このように純色に白と黒を混ぜると元の色みが濁るので、濁色、あるいは、中間色といいます。一見地味な印象ですが、素材やデザインの選び方で、シックなイメージやナチュラルなイメージを出せるのが特徴です。
 

パーソナルカラーとの関係

パーソナルカラーとは、似合う色や苦手な色の傾向を把握して、個性やライフスタイルに合ったスタイリングを考えていくものです。例えば、一見地味な印象の濁色を着ると、華やかさや上品さが出て、肌の調子が滑らかに整って見える方は、オータムタイプかサマータイプの要素があると考えられます。

関連記事で、パーソナルカラーの簡易診断と4つの基本タイプの似合う色と苦手な色の傾向を紹介していますので、参考になさってくださいね。

【関連記事】
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※色はあくまで目安です。ブラウザやディスプレイによって、見え方が異なります。
 
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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