高騰する北京の不動産
町の中心部に出現する合租房(雑居部屋)
マイカー族増加に象徴される経済発展の影に存在する貧困層
合租房は日本のルームシェアとよく似たもので、普通のマンションやアパートの中に存在します。合租房の中には日本のルームシェアと同じように、部屋ごとに違った住人が住んでいるというケースもありますが、それとは別に、一つの部屋に数人が寝起きしている雑居部屋があるのです。それが、立地条件が良く、ある程度レベルの高いマンションに出現し、数を増やしているのです。
これは近年、北京の不動産が高騰し、家賃が大幅に値上がりしたことにも起因。2016年末の発表では、北京の平均家賃価格は69.27元/平米/月とのことで、単身者がよく利用する1LDKの70平米というタイプだと、4848.9元(8万円弱)になります。庶民の一ヶ月分の給与に値する家賃を払えるのは限られた人たちだけ。しかも、そういう人たちの多くは“持ち家”です。そんなことから、大家は開き部屋を持て余し、考え出したのが合租房なのです。
ガイドは実際に、2LDK(3部屋)に15人以上が寝起きしているのを見たことがあります。そのマンションの家賃は約1万元なのですが、15人から1000元ずつ取れば月1万5千元、一世帯に貸すよりずっと割高です。しかし、その部屋は一種異様な雰囲気でした。常に開け放れたドアからは中国の公衆便所のような異臭が漂っていましたし、近所の人の話では、喧嘩の声や物を投げる音がしょっちゅう聞こえてくるとのこと……。
北京の不動産事情は、旅行者のみなさんには直接関係のないことですが、このような社会現象が起きているということは知っていても損はないと思います。
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