女性の頭皮にもダニが存在!?
あなたの頭皮にも、菌やダニが棲んでいます。頭皮トラブルの原因は、増えすぎること!
頭皮に存在する「菌」とは
菌には、常在菌と一時菌があります。一般的には、空気中に1立方メートル当たり8000~3万5000個、土壌には1グラム当たり10億~1000億個存在しています。ヒトの頭皮には、980億個(※)の常在菌が存在するといわれます。※1平方センチメートルに1億4000万個、頭皮の平均は700平方センチメートルとして計算
常在菌は善玉菌と呼ばれ、黄色ブドウ球菌などのブドウ球菌類、アクネ菌、マラセチア菌などの真菌類があります。ブドウ球菌類とアクネ菌は、余分な皮脂を食べ、余計な菌を増やさず、身体の耐菌性を高める働きを持っています。真菌類は角質の中に棲むカビの一種で、剥がれた角質(アカ)を食べて分解し、新陳代謝を高める働きを持っています。ブドウ球菌類、アクネ菌は毛穴や毛の漏斗部に、真菌は角質の中に生息しています。
一時菌は悪玉菌といわれています。連鎖状球菌、大腸菌、枯草(こそう)菌、緑膿(りょくのう)菌などがあり、外部から付着します。頭皮に付着すると、急激に増え、かゆみなどの悪影響を与えます。一時菌は、水またはシャンプーで洗い流すことで除去することができます。
善玉菌である常在菌ですが、増え過ぎると悪影響を与える悪玉菌になってしまいます。例えば、アクネ菌が増え過ぎると、皮脂を食べて分解されてできた遊離脂肪酸が増え、それがアレルギー物質となって頭皮に刺激を与え、激しいかゆみやしっしんが出たりします。また、真菌が増え過ぎると、新陳代謝が活発化して、フケが急増します。
頭皮にダニが棲んでいる!?
もうひとつの「ダニ」は、皮膚ダニ(デモデックス)、ニキビダニと呼ばれています。ヒトの身体では、皮脂腺が発達している顔面や頭皮の毛穴に生息しています。1つの毛穴に1~3匹程度いるとされます。一般的に頭髪は10万本ありますから、3匹いた場合、頭皮には30万匹も生息していることになります。皮膚ダニは余分な皮脂を食べ、頭皮を清潔に保つ働きがあります。しかし、皮膚ダニが増え過ぎると、悪玉菌と同様に頭皮に悪影響をもたらします。例えば、皮脂を食べすぎて乾燥頭皮になったり、毛根の栄養を吸い取りすぎて異常な脱毛を引き起こしたりします。また、ヒトの睡眠中に、皮膚表面に出て死んだり、排泄物を出したりし、それらがアレルギー源となり、頭皮に激しいかゆみをもたらすこともあります。
頭皮がかゆくなる・フケが増える・しっしんが出る・赤くなるなどの症状が出たら、菌や皮膚ダニが増殖している可能性大。適切な頭皮ケアを行いましょう。
理想的な頭皮環境を保つためのケア
頭皮に、善玉菌や皮膚ダニが適度に存在する環境にするためには、次のようなケアを行いましょう。■頭皮を不潔にしない
シャンプーやトリートメントは、菌やダニのエサに! 頭皮に残らないよう、よくすすぎましょう
また、忙しい朝などにシャンプー剤を使うと、洗い流す時間が足りないことが多いため、シャンプーやトリートメントが頭皮に残ったままになってしまいます。それらは、皮脂と同様に菌や皮膚ダニのエサになります。頭皮についたシャンプーやトリートメントは、よく洗い流しましょう。1日の汚れを落とし、たっぷり時間がとれる夜にシャンプーする方が良いでしょう。
参考:正しいシャンプーの使い方
■食生活に気を付ける
脂っこい食事や高カロリーの食事は、皮脂の分泌が増えるといわれます。菌や皮膚ダニのエサである皮脂を増やさないためには、野菜を多く使った和食がおすすめです。
参考:身体の中から美髪になる!簡単「和」弁当レシピ
■免疫力を高める生活を送る
免疫力が低下すると、体内の菌が繁殖しやすい環境になります。免疫力低下の原因としては、老化のほかに、ストレスや睡眠不足、運動不足などが挙げられます。免疫力を高めるように、規則正しい生活を送ることができるように心がけましょう。
また、基礎体温が低い「低体温」も、免疫力が低下する原因のひとつです。下記の記事を参考にして、体温を上げる努力をしましょう。
参考:低体温を改善して薄毛・抜け毛を予防!
■季節に応じた頭皮ケアを
夏は高気温・高湿度で、菌や皮膚ダニが繁殖しやすい季節といえます。冬は気温が低く、皮脂の流動性が低下して、菌や皮膚ダニが頭皮の内部に留まってしまいます。夏はしっかりと洗い流し、冬は毛穴のつまりを解消することが大切。季節に応じた頭皮ケアを行いましょう。
参考:秋冬の美髪に備える!自宅でできる毛穴ケア
激しいかゆみが続く場合は受診を
軽いかゆみならば、頭皮を清潔にすることで解消しますが、激しいかゆみが続く場合は、ステロイドや抗生物質などの治療・投薬が必要な場合もあります。異常を感じたら、ただちに皮膚科へ受診し、適切な処置を受けてください。理想的な頭皮環境を保ち、常在菌や皮膚ダニとうまく共存しましょう。
【関連記事】