野生のグッピーは、南米のトリニダード、バルバドス、ブラジル北部、ギアナにかけて分布しています。本来の分布域以外でも、蚊の退治を目的に放たれたものや、鑑賞魚として飼われていたものが逸出し、世界中の多くの熱帯域、温帯域に帰化しています。

観賞魚として販売されるものは、東南アジア各国、また日本で養殖されたもので、そのほとんどが品種改良されたものになります。グッピーは繁殖が容易で世代交代のサイクルが早く、品種の作出が比較的容易に行なえます。その為、多くの愛好家が存在し、各所で盛んにコンテストが行なわれるなどして楽しまれています。

一部、採集された野生個体や、原種を元に増やされたものが流通することもあります。

グッピーの種類


ドイツイエロータキシードグッピー

ドイツイエロータキシード
最も人気の高い国産グッピーの一つ。見た目の美しさでいくつからのグレードに分けられ、レベルの高いものほど高価。
観賞魚としての歴史が古いグッピーは、数え切れないほどの品種が存在しています。日本のみならず、アメリカやヨーロッパにも愛好家が多く存在し、宝石のようにきらめく色とりどりのグッピーが作出されてきました。

主に色彩、ボディーの模様、尾びれの形状などから命名され、慣れてくると名前を聞いただけでどんな魚か分かります。

外国産グッピーと国産グッピー



レッドグラスグッピー
古い時代に作出されたグッピーの改良品種で、尾びれの模様を「芝(グラス)」に見立てて、レッドグラスの名で呼ばれています。
シンガポールなどの東南アジアから輸入されたグッピーを、大きなくくりとして外国産(輸入)グッピーと呼ばれます。体が一回り大きく、近年ではレベルの高い個体も少なくないのですが、やや大味な印象を受ける個体が多く、価格は廉価です。

ひきかえ、国内で系統立てて繁殖されたものを、国産グッピーと呼びます。外国産グッピーに比べ全体のバランスが整っており、何より遺伝的に一様です。基本的にメス親から産まれた仔魚は、親と同様の色彩形状である確立が高いです。外国産のものは、遺伝的に汚染されているものが大半で、同じ親から産まれた仔でも色々な色形をしていることが大半です。

また国内で繁殖され流通しているので、日本の水にも馴染んでいて丈夫で飼いやすいのが最大の特徴です。グッピー自体、本来非常に丈夫な魚なのですが、輸入されてくるものは潜在的に病気にかかっていたり、輸送のストレスから飼いづらいものとなっていることが多かったりします。

水槽のサイズ


45~60cmぐらいのサイズの水槽が管理しやすいでしょう。沢山の種類をコレクションしたり、系統的だてた繁殖を行なう場合、水量が10Lほどの30cm水槽を複数用意して飼うこともあります。特に初心者のうちは、水量が多いほど水質の管理が行いやすく、60cm水槽で数ペアぐらいが飼いやすいと思います。

適したフィルター


多くのグッピーが品種改良の弊害で、遊泳力が余り強くありません。ですから、強い水流を生むフィルターは適していません。また仔をとることを考えた場合、稚魚がフィルターに吸い込まれないようにする工夫が必要です。それ以外は、飼育数を考慮して選択すれば、どんなフィルターを用いても構いません。

グッピーが好む水


一般的な熱帯魚と同じで、日本の水道水ならば塩素を中和しただけで飼うことができます。本来、中性~弱アルカリ性の水質を好みますが、弱酸性でも問題なく飼うことができます。水の汚れに対しても寛容ですが、健全に育成するのであれば水が古くならないように少し早めの換水を心がけ、中性付近を維持すると良いでしょう。

余り不適切な環境で飼育していると、トレードマークの尾びれが溶けてしまったりと、病気にもかかり易くなります。

水温は一般的な熱帯魚と同じで、23~28℃の範囲であれば問題ありません。多少前後しても構いませんが、通常この範囲に収まるように管理してください。ひいてあげれば、水温は高めよりも低めの方が調子を崩しにくいでしょう。

グッピーの餌


フレークフード
多くの魚が好んで食べるフレーク状の人工飼料。グッピー専用の商品も発売されているので、そういったものを与えてみるのも良いかも知れません。
植物質の餌を好みますが、一般的な小型魚用の人工飼料で問題ありません。口の形状が受け口なので、浮上性の餌が食べやすく良いでしょう。時々、ミジンコやブラインシュリンプを与えると、喜んで口にしてくれます。きちんと稚魚を育成しようとした場合、ブラインシュリンプは必須となるので、普段から親魚にも与えて慣れておくと良いでしょう。


どんな魚と混泳可能?


ネオンテトラ
ネオンテトラ
温和な小型カラシンの仲間は、グッピーの混泳相手に最適。余り泳ぎが得意では無いので、グッピーにちょっかいをかける様な魚は敬遠した方が無難でしょう。
そのほとんどが鑑賞目的に改良されたグッピーは、人間目線での美しさを追求された結果、遊泳力を犠牲にしてきました。大きな尾びれは観賞価値は高いものの、推進力は弱く鈍重です。元来の温和な性格も相まって、活発に泳ぐ魚や好奇心が強い魚との混泳は余り適しません。同程度の温和な小型魚、コリドラスのような温和なナマズなど混泳相手は沢山いますが、他種を攻撃しないような平和主義的な魚を選ぶと良いでしょう。

グッピーの繁殖


卵ではなく直接仔魚を産み落とすグッピーは、卵胎生メダカと呼ばれる、初心者でも簡単に繁殖を楽しめます。成熟したメスは、概ね30日周期で産仔を繰り返し、一度に30~50匹程度の仔を産みます。特に何もしなくても、ただ飼っているだけである程度の数は増えます。

繁殖まぢかの腹部が張ったメスを、産卵ケースやウィローモスなどを敷き詰めた水槽に移して産仔させると、他魚や親に食べられることなく効率的に仔をとることができます。ただし、繁殖可能な期間も長く、産まれた仔も生後3ヶ月ほどで繁殖可能になるため、余り仔をとり過ぎると持て余してしまいます。

産まれた直後から5mmほどの大きさで、稚魚用の人工飼料や親魚の餌をすり潰したものを与えます。健康に育て上げるのであれば、ブラインシュリンプを与えるのがベストです。

雌雄の違いは成魚であれば明白で、色彩的に派手な方がオス。地味で体が大きな方がメスになります。またオスには、ゴノポジウムと呼ばれる交接器があり、メスは腹部に黒い点があるのも判断材料になります。

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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。