税金/住民税

住民税の申告も確定申告で!(2ページ目)

年の中途で退職した人は、退職後の社会保険料や生命保険料控除・地震保険料控除などがまったく考慮されない源泉徴収票が発行されます。そのため、税金を払い過ぎている可能性もあります。適用漏れの控除に気づき、確定申告で取り戻すことで、節税をすることができるのです。

田中 卓也

執筆者:田中 卓也

税金ガイド

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確定申告をすれば税金の一部が戻ってくる

このように、源泉徴収票に記載されていない所得控除があることに気づき、確定申告することで、所得税および住民税の節税につながります。

あばうと太郎さんの場合、すでに源泉徴収票に記載された社会保険料控除23万7950円、および無条件で適用できる基礎控除38万円のほかに、
  • 社会保険料控除12万円が加算
  • 生命保険料控除5万円が加算(旧生命保険料控除対応分)
  • 地震保険料控除3万円が加算
  • 配偶者控除38万円が加算
が加算して適用できるのです。 このような所得控除の内容をすべて網羅して確定申告すると、結果は以下のようになります。このケースでいうと、所得税だけで7万円近くの還付がされることになります。

所得税で7万円近くの還付が期待できる設例です

所得税で7万円近くの還付が期待できる設例です


住民税も所得税と同じように節税できる

また、確定申告が重要となるポイントは、このデータが税務署を通じて、各市区町村に送られることです。つまり、確定申告書が提出されれば、
  • 社会保険料控除12万円が加算
  • 生命保険料控除3.5万円が加算(旧生命保険料控除対応分)
  • 地震保険料控除1.5万円が加算
  • 配偶者控除33万円が加算
といったデータを各市区町村が把握し、それに基づいて住民税課税がなされるのですが、確定申告手続きをしなければ、従前の給与支払報告書のデータに基づき住民税課税がなされ、このような所得控除の追加を考慮されることはありません。

住民税の所得割の税率は10%ですから、増えた所得控除の10%、このケースでいえばおおむね5万円程度の節税が図れることになります。

確定申告書の期限は3月15日ではないの?

でも、「確定申告書の期限は3月15日ではないの?もう、受け付けてくれないのでは?」という方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、確定申告書の提出を要しないサラリーマンのように、確定申告提出義務者でない者が確定申告を提出する場合の期限は5年間あります。つまり、「社会保険料控除の適用漏れがあった」とか「医療費控除の適用漏れがあった」というような場合には、そのような事態が生じた年の翌年の1月1日から5年間、税務署は確定申告を受け付けてくれるのです。

市区町村から送られてきた申告書の作成は二度手間に

なお、各市区町村から申告書等を郵送してきて、住民税だけの申告書を作成し、提出するように求められることがありますが、所得税の確定申告書を作成し、住所地の所轄税務署に提出することをおすすめします。なぜなら、確定申告書は税務署を通じて、市区町村にもそのデータが送られることになるので、所得税・住民税の節税が同時にできてしまうからです。

とにもかくにも、住民税の節税は源泉徴収票に記載されていない所得控除があることに気づくこと、これが第一歩となります。


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