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年金入力ミス問題 給与明細は絶対保管!(2ページ目)

先日、手書き台帳からコンピューターへの入力ミスが推計で560万件もあることが明らかになりました。給与額が実際よりも低い金額で記録され、低い年金を受け取っている人も少なくないようです。

和田 雅彦

執筆者:和田 雅彦

年金ガイド

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給料の確認はどうすれば良いか?

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給与額と標準報酬月額はほぼイコールだが、完全に一致しない。給与額が毎月若干変動しても、標準報酬月額は基本的に1年間変動しないことに注意!
それでは、自分の給与額(標準報酬月額)の記録の確認の手段は?ってことになると思います。

基本的には、社会保険事務所に行けば確認できますし、加入者についてはインターネットでも確認することが出来ます。ただ、記録されていることは確認できても、記録されている給料額自体が正しいかどうかをチェックするのは簡単なことではありません。

数十年前の給料の金額を正確に覚えておられる方はほとんどいないでしょうし、まして勤続期間の全てを正確に答えることは更に難しいわけです。

実際の給与額とコンピューター記録の給与額の不一致の原因としては

■コンピューターへの入力時の入力ミス
■社保庁職員の改ざん
■勤務先企業の虚偽届出

という3つが考えられます。

入力ミスについては、前のページにあったオンライン化(紙台帳~コンピューター)時の入力ミスもありますが、現在も社保庁への届出は紙ベースで行われることが一般的ですから、その紙ベースの届出を入力する際にミスをすることは考えられます。

次に社保庁の改ざんですが、これは社保庁が保険料の徴収率を上げる為に、滞納気味の会社の従業員の給料額を低く入力することで支払う保険料を減らし、納付したこと(滞納額が減ったこと)に見せかけるということを組織的に行っていたこともあったようです。

最後に、勤務先企業側の虚偽届出もあり得ます。会社は社員の保険料の半額を負担しなければなりません。高額な保険料負担を嫌って、従業員の給料額を実態よりも低く申請することで保険料負担を減らすという虚偽届出もないとは言えないのも現実です。

給与明細は必ず保管を!

万が一、コンピューター記録が間違っているとしても、記憶だけでは訂正への道のりは遠いと言わざるを得ません。

訂正への決定打は何と言っても、「物的証拠」です。勤めていた会社にお願いして過去の給与台帳を提出してもらうことも一つの手ですが、古いデータは破棄していることも少なくありませんし、会社自体が存在していない場合はどうしようもありません。会社が存在したとしても、会社側が虚偽の届出をしている場合は、資料を出してくれないかもしれません。

やはり、「自分の身は自分で守る」。これが一番確実です。自分が出せる物的証拠といえば、「自分の給与明細」です。自分の給与明細は絶対保管しておきましょう!

できれば全ての期間保管しておきたいですね。最近はボーナスも年金額に反映されますので、ボーナスの明細も保管しておくとより良いでしょう。

【関連リンク】

社会保険庁:年金記録問題への対応策の進捗状況


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