家計のリスク管理
結果的に大きな出費にギリギリでも耐えられればAさんタイプでもいいかもしれませんが、ここに収入面にマイナスの変化が起きた場合はどうでしょう? 病気による収入減、ボーナスカット、リストラ、倒産などの予定もしていないこと。今のご時世、十分あり得ますよね。そうなってしまうと、場合によっては住宅を手放さなければならないかもしれません。今まで懸命にお金を貯めて繰上返済をした住宅をです。良かれと思いやっていたことが報われず、悔やんでも悔やみきれない思いになるかもしれません。
実はそういった「返し方(計画性、作戦)」を誤り、窮地に追い込まれてしまうケースも多いものです。生命保険や年金などだけを「家計のリスク管理」と思っている人がいますがそうではなく、こういった視点で今後を見ることが本当のリスク管理です。
繰上返済が「借換え」の障害に!?
繰上返済することによって、思いもしなかった障害が出るかもしれません。繰上返済をしていることを申込み金融機関に、いい影響や印象になると皆さん捉えがちですが、そうとも言い切れません。多くの金融機関では、借換え後の返済期間は従前ローンの残返済期間内としています。すると返済期間短縮型の繰上返済をしていると、短い期間で今後多く払うことになり、返済負担率(返済額が年収の何%にあたるのか)がアップし審査が通らないとなる原因の一つにもなりえます。
ですから借換えを検討している方は、あわてて繰上返済する必要はありません。貯蓄した分があれば、その借換え時に一部返済するとより良い条件での借換えが可能になると思います。
<ポイント整理>
- 数字的な損得だけで判断するのではなく、今後の生活を見据えた上でバランスよく返済することが大切。「繰上返済のトク」と「蓄えがある安心感」、両方のいいところを持ち合わせながら上手に返済!
- 安易に繰上返済をすると「借換え」の足かせになる場合あり
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