住宅ローン繰上げ返済の関門は「まとまった金額を準備する」「手元資金をどのくらい残すか」です。そんな悩みを解決する新しいタイプの住宅ローンが発売されています。
預金口座にある余裕資金を活用し「住宅ローン残高と相殺する」「繰上げ返済に充当する」という住宅ローンで、東京スター銀行、新生銀行、住友信託銀行が取り扱っています。

東京スター銀行は、普通預金と住宅ローンを連動させ実質住宅ローン残高を減少させるというシステム、新生銀行と住友信託銀行は余裕資金を住宅ローン残高に充当して自動返済するというシステムです。
全く異なるシステムですが、結果として住宅ローンの返済総額が減少し、返済期間が短縮(住友信託銀行は除く)する効果は同じです。

では、東京スター銀行の預金連動型住宅ローンを考えてみましょう。


メリット

(1) 金利は日割り計算:
金利は、「ローン残高?スターワン(外貨)普通預金口座残高」に対して毎日計算します。ということは、スターワン(外貨)普通預金口座残高が毎日1円単位で繰上げ返済に効果的に繋がっていくということです。

(2) 住宅ローン減税の効果をマルマル享受できる:
住宅ローン減税は、一定の要綱を満たした個人の住宅ローンに対して年末のローン残高の●%(借入年度等により異なる)を所得税額控除する、というものです。繰上げ返済をすると当然ローン残高は減少し、それに従って控除される所得税額も少なくなってしまいます。
平成15年に住宅ローンを組み15年12月31日の実質ローン残高が2500万円の人の場合で比較すると、
控除される所得税額手元資金
100万円繰上げ返済を実行した25万円0円
スターワン普通預金口座残高100万円26万円100万円


10年間ではメリットがもっとはっきりします。
例えば、スターワン普通預金口座残高が毎年50万円ずつ10年間増加するケースと毎年50万円づつ10年間繰上げ返済をするケースでは、所得税額控除額はスターワン普通預金口座の方が27.5万円多くなります。

(3) 手元資金に安心感:
頑張って繰上げ返済したものの急な出費に対応できず、別途ローンを組んだりキャッシングしたりする人も少なくありません。しかしこの住宅ローンでは、スターワン(外貨)普通預金口座に残高があるので、急な出費にも対応できます。


デメリット

(1) 適用金利が個別で分かり難い:
適用金利は「基準金利+担保掛目に応じた上乗せ金利」です。
基準金利変動金利、固定金利(3年、5年、10年)の4種類から選択
上乗せ金利相殺計算対象預金の合計額を上回っている融資金額の6ヶ月平均額÷担保評価額
*担保評価額は融資時に決定し見直しはなし。
*担保評価額:一般的には購入の場合は購入価格、建築の場合は建築価格。

(2) 他の住宅ローンと併用できない。


その他

他の住宅ローンと比較するポイントとして

(1)借入当初1ヶ月間:無利息
(2)保証料:無料
(3)融資手数料:73,500円
(4)繰上げ完済手数料:31,500円
(5)スターワン普通預金残高がローン残高と同額になるまで普通預金に利息はつかない。
(6)土地建物の購入、建設、リフォーム、住宅ローンの借換え等に使える。
(7)相殺計算期間:ローン借入日から61歳になる直前の上乗せ金利見直し日前日まで

などがあります。


現在、普通預金の預金金利は限りなくゼロに近い金利です。この住宅ローンでは、利息計算の際に普通預金残高を住宅ローン残高から差し引くので、実質「普通預金金利=住宅ローン金利」となります。元本保証の金融商品で住宅ローン金利を超えるものは現在ありません。この住宅ローンは、高利回りの金融商品ともいえます。

預金連動型住宅ローンと「繰上げ返済効果絶大=預金口座と住宅ローンの連動(2)」で取り上げる普通預金口座の余裕資金を毎月住宅ローン残高に自動返済するタイプの住宅ローンとを比較してみました。
スターワン普通預金口座残高=0円でスタートすると、余裕資金が毎月3万円(=36万円/年間)のケースでは自動返済タイプの方が僅かに優位、年間38万円でほぼ同じというシュミレーション結果になりました。

担保物件の価値や借入金額、スタート時の預金額、年間の余裕資金等によって預金連動効果は大きく変わります。家計簿とライフプランを元にシュミレーションして比較検討することが必要です。

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