住宅ローンの借り換え・返済/住宅ローンの借り換え先の選び方

住宅ローンの借換えはもはや常識中の常識(2ページ目)

ここ数年間でより有利な条件(低金利や別の金利タイプなど)の住宅ローンへ借換えを利用する人がとても増えています。どのような金利タイプに借換えしているのか、なぜ借換えが増えているのかを見てみましょう。

高田 晶子

執筆者:高田 晶子

住宅ローンガイド

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変動金利型の人が変動金利型へ借換え?

前出の住宅金融支援機構の調査を見ると、興味深い結果も出ています。全期間固定金利型だった人が借換えたのは「全期間固定金利型へ23.6%、変動金利型へが41.5%」でした。全期間固定から全期間固定へ借換えをする際は、当然ながらさらに低金利のものが出てきたから、という理由でしょう。

変動金利型の人はどのようなものに借換えをしているかというと、「全期間固定金利型へが8.1%、変動金利型へが71.9%」となっています。同じ変動金利型へ借換えをしている人が圧倒的に多いのです。変動金利型は、ここ数年、ほとんど金利は動いていません。また、通常半年ごとに金利見直しですので、借入れした時期が異なっても、理論的には今現在の金利は同じはずです。では、なぜわざわざ借換えを行っているのでしょうか?

これは、以前よりも金利の引下げ幅が大きい住宅ローンが出てきているためです。基準金利が2.475%のままであっても、自分が借入れした住宅ローンの引下げ幅が0.7%であれば適用金利は1.775%。ところが最近は全期間1.4%引下げなどは珍しくありません。同じ基準金利でも適用金利は1.075%と、0.7%も差があります。これが全期間となれば同じ変動金利型同士でも総返済額に大きな差が生じます。

借換えでも引下げ幅が大きくなってきている

新築住宅を購入し提携ローンを利用するのならば、比較的大きな引下げ幅のものが利用できます。一方、少し前までは、提携ローン以外で個人的に利用するものは提携ローンよりも引下げ幅が小さい傾向にありました。最近では特に「借換え専用」の住宅ローンで引下げ幅を大きくしている商品が増えているのです。新築物件の提携ローンの引下げ幅と遜色ないものが出てきていることも、借換えをする人が増えてきている理由の一つと考えられます。

フラット35でも、借換えの人向けの方が手数料が安くなるなど有利に利用できるものもあります。特に残りの返済期間が20年以下になった場合には、フラット35の期間20年以下(21年以上よりも金利が低くなっている)が利用でき、完済まで金利を固定したいと考える人には候補の一つになるでしょう。

このように、借換えならではの有利な商品も出てきているので、市場の金利の変動だけを見ていると、チャンスを逃してしまうことにもなります。数十万円を貯蓄するのはなかなか大変なことですが、それを住宅ローンの借換えでカバーできるのならしない手はありません。よい商品を見つけたら、機動的に借換えを実施していきましょう。

【関連記事】
「住宅ローンラクラク見直し術(1)」(住宅ローン)


【シリーズ】「これを読めば全てわかる!住宅ローン基礎の基礎」
第1回:住宅ローンとのうまい付き合い方
第2回:賢い住宅ローンの組み方
第3回:自分に合った金融機関を選べ!
第4回:7つの金利タイプあなたはどれを選ぶ?
第5回:2種類の期間が明暗を分ける?
第6回:繰上返済のメリットと落とし穴
第7回:「借り換え」はもはや常識中の常識
第8回:「ヤバイ、返せなくなった!」となったら…
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