今後収入が増える人、減る人は期間の選択に注意
前ページのケース別は、今後の所得税額が変わらない場合でした。今後、収入や所得税額に変動があった場合には、結果的に当初選択した控除期間が不利になってしまうということもあるでしょう。今現在で、将来の見通しが予測できる場合には、その変動も考慮しておくと良いでしょう。<例1>近い将来、収入が増え、所得税額がアップする
現在の所得税額であれば、15年を選択した方が良さそうだが、今後収入が増えた結果、所得税額が控除期間10年の場合の控除可能額に近づく、それ以上になる、という場合には、10年を選んだ方が良い場合もあります。
<例2>15年以内に退職し、収入がなくなる
近い将来、退職したり、または転職などで収入が激減した場合には、当初は10年の方が有利だったが15年の方が良かった、当初は15年の方が有利だったが10年の方が良かった、の両方のケースが考えられます。これは、何年後にその状況が起きるかによって異なってきますので、予定がある人は、実際に数字を入れて検証してみましょう。
<例3>近い将来、子どもが生まれる
扶養家族が増えると、扶養控除の額が増えることにより、所得税額は少なくなります。また、一般の扶養控除は38万円ですが、16歳以上23歳未満は63万円となるため、子どもがこの年齢の間も所得税は少なくなります。家族の状況によっても、このように所得税は増減することも、考慮しておきましょう。
平成11年から平成18年に入居の人は、住民税で調整される
2007年から所得税が減ったために、控除期間15年も選択できる特例ができたわけですが、平成18年以前に入居した人も所得税自体は減っています。そこで、平成11年から平成18年に入居した人で、住宅ローン控除を受けている人は、控除できなくなってしまった分があれば、住民税から控除してくれる制度があります。【関連記事】
住宅ローン控除、住民税も取り戻そう
会社員の場合には、所得税の住宅ローン控除を継続して受けるにあたり、確定申告は必要ありませんが、住民税からも控除してもらう場合には申告が必要になる点に注意しましょう。
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