投資信託/投資信託関連情報

投資信託の運用報告書を読みこなそう<2>(2ページ目)

フィデリテイ日本成長株ファンドの運用報告書の1~2ページを解説します。パフォーマンス,運用実績,累積リターン,市場環境そして基準価格の推移まで。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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当期の市場環境


運用報告書の2ページには、市場環境の総括が載っています。詳細に関しては、マネージャーのコメントが3~4ページに載っているので、次号にゆずりたいと思います。
写真のタイトル
運用報告書の2ページ目には、運用の市場環境とマネージャーの挨拶が載っている。


左側の「当期の市場環境」で重要な部分は最下部のここです。
写真のタイトル
市場環境は、すべての投資信託にとって共通だが、それをどう表現するかで、マネージャーの意図が見えてくる。


任天堂の株価上昇、金融業の株価下落を特に強調しています。この環境認識は、後半の組入比率の説明と関連してきます。つまり、こういう環境だから、こういう会社に投資した、あるいは、こういう業種に投資することを避けた、という文脈とつながるわけです。

ポートフォリオ・マネージャーのジェイ・タルポット


彼の顔写真が載っています。彼の知名度、あるいは信頼感に依拠しているファンドであることを物語っています。

マネージャーのタルボットさんは、1983年カリフォルニア大学卒業。1993年フィデリティ投信入社。1996年よりポートフォリオ・マネージャー。現在、「フィデリティ・日本成長株・ファンド」「フィデリティ・ジャパン・オープン」などの運用を担当しています。彼のコメントが以下のサイトに紹介されています。

【関連サイト】マネージャーにインタビュー
http://www.buy-japan.com/fund/interview_01.html

タルボットさんは著名なカリスマ・マネージャーですが、かといって、この投資信託を彼が一人で運用しているわけではありません。フィデリティではグループ創設以来、運用哲学の基礎を「ボトム・アップ・アプローチ」においています。それは、綿密な個別企業調査を行うことにより、企業の将来の成長性や財務内容等ファンダメンタルズを調査・分析し、その結果をもとに運用する手法です(詳しくは目論見書をご覧ください)。そのために、日本株だけでフィデリティでは31人のアナリストと21人のファンドマネージャーを擁して運用に当たっています。

タルボットさんはその全体を統括している立場です。ですから、ファンド・マネージャーではなくて、ポートフォリオ・マネージャーなのです。

基準価額の推移


2ページの最後に、基準価額の推移のグラフが掲載されています。これは、1ページの設定来の運用実績と同等の資料です。グラフの縦軸を基準価額から指数に置き換えて、横軸を当期(2005年12月~2006年11月)に絞り込んだものです。

写真のタイトル
この決算期間に限った、投資信託の騰落率をグラフと表で示している。


第2号はここまで。次号は3ページから進んでいきます。

投資信託の運用報告書を読みこなそう<1>
投資信託の運用報告書を読みこなそう<3>

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