マンションに地震保険は必要?

マンションで地震保険を検討するとき、一戸建てとは異なる注意点がある

マンションで地震保険を検討するとき、一戸建てとは異なる注意点がある

地震保険は単独では契約できず、必ず火災保険に付帯して契約するものです。火災保険に加入して地震保険には加入しないという選択肢はあっても、地震保険に加入して火災保険には加入しないということはありません。

特にマンションでは、自分は地震保険に加入したい、あるいは加入したくないと思っても、戸建てのように一人の意志で決められるわけではありません。

マンション固有の特徴をふまえ、地震保険とマンションについて考えてみたいと思います。

地震保険、マンション固有の特徴とは

マンションには、共用部分と専有部分、そして敷地利用権(土地の部分)があります。土地に火災保険・地震保険は契約できません。保険の対象となるのは、建物部分では共用部分と専有部分です。

最近は少ないでしょうが、マンションで管理組合がきちんと運営されていないと、共用部分も各所有者が火災保険や地震保険を付帯しなければならないケースfあります。このような場合、各所有者が自己の責任でリスク管理をしなければなりません。

一方、管理組合が適正に運営されているなら、一般的には共用部分に火災保険をつけています。この場合、専有部分や家財への保険は各所有者が契約することになります。

冒頭でお話ししたように、マンション管理組合で保険契約をする場合、自分一人の考えですべてが決まるわけではありません。火災保険に加入しない人はいないでしょうが、地震保険は必要と思う人も不要と思う人もいるでしょう。自分ではコントロールがきかない部分があることを改めて認識してください。

マンションの地震保険料の決まり方

地震保険をマンションで契約する場合、どのくらいの保険料がかかるのでしょうか。地震保険料は地域建物構造によって決まります。

建物構造はイ構造(主に非木造)かロ構造(主に木造)の2つのみです。マンションは構造上、安い保険料(イ構造)が適用されます。要は、マンション住まい前提なら後は住んでいる地域で保険料が決まるということです。

マンションは都心部のほうが多いでしょう。最も地震保険料が高い地域の代表格が東京都で、1000万円あたり年間保険料はイ構造2万200円です(2017年1月以降は2万2500円)。

他の地域のイ構造をみてみると、大阪府では1万3600円、愛知県2万200円、北海道8400円、福岡県6500円です(2017年1月以降は、大阪1万3200円、愛知県1万7100円、北海道8100円、福岡県6800円)。

このように地震保険料が引き下げの地域もあります(尚、地震保険の各種割引は考慮していません)。

2014年7月の改定で地震保険料率が全国平均で15.5%アップ、さらに2017年1月改定で全国平均5.1%アップしています。

マンションの地震保険、目的は建物と家財

地震保険をマンションで契約する場合の保険目的は、建物と家財です。

建物は前述の通り、共用部分と専有部分に分かれます。各所有者が自分で保険契約をするのは、一般的に、建物の専有部分家財です。

家財は通常、火災保険でいうところの明記物件は地震保険の補償の対象になりません。明記物件の対象である、1個・1組の金額が30万円超の貴金属や美術品などを持っている人は注意してください。火災保険では明記すれば対象になりますが、地震保険では明記の有無は関係ありません。別の形で対処方法を考える必要があります。

なお、最近のマンションは耐震性や免震性に優れていることが多いものの、家財は固定していないと(建物が問題なくても)破損することがありますので気をつけてください。東日本大震災でも、都心部のマンションで、建物は問題ないが家財に損害が出たケースがありました。

地震等で火災が発生した場合も同様です。新しいマンションは消防設備もしっかりはしているでしょうが、免震性と火災は別のものです。地震保険は別途負担がかかるものですが、色々な視点で考えてみてください。

地震保険をマンションで契約する際のポイント

最も注意しなければならないのは、住宅ローンの残債が多い人です。

もともと、地震保険は主契約である火災保険の半分しか契約できません。地震保険があっても、万が一の際に必ずしも損害額全額がカバーされるわけではありません。また、住宅ローンを組んで初期の頃であればあるほど、このリスクは高くなります。

地震災害は一瞬で、自分の所有する財産に多大な損害をもたらします。経済的に余裕のある人を除けば、これに対する備えは地震保険に頼らざるをえない人が多いはずです。

マンションでは、共用部分に地震保険を付帯するかは自分だけの意志では決められません。仮に地震保険に加入していたとしても、多大な被害を受けたとき、マンションを建て替えするかどうかは自分自身の意志のみで決定できません。ここがマンションと一戸建てで異なる点です。

地震保険へ加入すればすべて安心というわけではありませんが、建物の専有部分だけでなく家財なども含めて検討してみましょう。

支払う保険料負担が許すなら、少額短期保険業者が取り扱う地震補償保険(地震保険とは別のもの)や、一部の損保会社で取り扱う、通常の地震保険に上乗せできるものもあります。これらの商品も一考の余地はあります。最終的には保険料と補償の充実度のバランスをどう考えるかです。

損害保険ガイドから今日のポイント

地震保険でマンションで契約する際は、もしものときの家計負担と生活再建を考慮して検討しましょう。

※ご自身のマンション管理組合等に保険契約・管理規約がどのようになっているか必ず確認してください。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。