太る要因は父親!?
和田:「食と心」「食と自分」という視点から、関口さんとお父様との関係性、そして、ご自分のアイデンティティの問題を探っていく経緯も非常に興味深かったですね。関口:10代で敗戦を迎えた父は、戦後アメリカからやってきたミルク・チーズ・肉を熱烈に受け入れました。「こんな物を食べていたから連合軍は勝ったのだ」と私にもどんどん食べさせたんです。私はそんな父親が大好きで、逆に、母の作る和食を父と私は嫌うようになり、母を心底怒らせていました。
また、オーストラリアに移住した後は現地に溶け込もうと、現地の料理をどんどん受け入れ食べることに。結果、体重は90kgの大台に乗るし、2型糖尿病だとも診断されましたが……。
和田:この2つの点をダイエットセラピーで指摘された時は非常に辛そうでしたよね?
関口:精神科医には「君と父の関係は愛情に溢れていたが、最終的には健康面で君の役には立たなかった」「お母さんが君にしてくれたことを受け入れ、お父さんとの不健康な過去は忘れなさい」と言われました。
さらには「君の出身は日本だけど帰りたいわけじゃない。でも、オーストラリアになじむのも難しい。君には帰る場所がないのでは?」とも。
和田:それはショックですよね。つまり「自分のアイデンティティを確かにする土地」や「自分とは何者かを知ること」が大切だということですか?
関口:それが明確でないと減量しても仕方ないって。自分が何者で、どこへ向かっているのかを見出せば、健康的で長生きしようと強く思うようになる。好きな仕事も恋愛もしようと努力する。そうすれば痩せるという動機も見失わずにすむと。
和田:確かに「痩せてどうしたいのか?」が明確だと、ダイエットのモチベーションもキープできそうですよね。ダイエットって深いですね……。