ガーデニング・園芸/ガーデニングの始め方

ローメンテナンスの庭を作るには?手間の省き方

ガーデニングは外観だけでなく、心も豊かにしてくれますが、シニアからのガーデニングでは庭の管理を省力化することも必要です。今回は、長くガーデニングを楽しみ続けるために、ローメンテナンスの庭を作る方法を考えてみます。

畠山 潤子

執筆者:畠山 潤子

ガーデニングガイド

 

ガーデニングの維持には労力が必要

ローメンテナンスな庭の作り方

ローメンテナンスな庭の作り方

近頃どうも物忘れが多くなってきた、上げたつもりの足が段差につまづく、疲れがなかなか取れない……など、度重なると普段の生活でもちょっと不安を感じてしまいますよね。
さて、そんな事態が訪れたとき、ズバリあなたはいまある庭をどうしますか? 「季節ごとの花を楽しみたいし庭仕事も好きだし、できれば今よりもセンスよくまとめられたらって思ってるけど……少なくともきれいな状態は維持したいわね」ガーデニング好きな方からはこんな声が聞こえてきそうですが……。

残念ながら、人は誰しも年を経るごとに老いていくものです。小さな子どもの「未来」とは異なり、40代、あるいは50代からの「未来」は、程度の差こそあれ「老い」が避けられない現実のものとしてすぐ近くに感じられてきます。そう考えたとき、果たして今のままの状態を維持することができるのでしょうか。

 

シニア・シルバー世代は庭仕事の労力が負担に

時間はあるのに体力が……

時間はあるのに体力が……

ガイド記事【庭への回帰、シニアからのガーデニング】でも述べましたが、世間一般的に言われる「シニア世代」に突入したら、自分の体力を過信しないことです。この世代はガーデニングに費やせる時間は現役時代よりも増えると予想されますが、それと反比例するように体力は落ちてくるのが普通です(もちろんシニア、シルバーという世代になっても現役でバリバリ庭仕事をなさっている方もいらっしゃいますが…)。
いままで苦もなくできていた作業が、ある日突然「倍の時間かかってしまう」ことになるかもしれません。脅かすわけではありませんが、人が老いていくのを身近にしていた人なら、これが決して誇張ではないことがおわかりいただけるでしょう。
趣味としてガーデニングを楽しみたいのに、痛いとか辛いとかストレスがあっては長続きしなくなってしまいますよね。
このように「老い」が避けられないものであるなら、「どうすれば、いままでのように庭を楽しむことを続けていけるのか」ということを考える必要があるでしょう。
 

ローコストでローメンテナンスにするなら

体力が衰える前に考えたい

体力が衰える前に考えたい

さてここからが本題です。ある程度年齢を重ねたら、長く続けられる趣味としてガーデニングを楽しむために、力仕事や忍耐仕事となるようなことはできるだけ省いていく、そんなローメンテナンスな庭を目指したいもの。
あれもしなくちゃ、これもしなくちゃと追い立てられるような義務感はおしまいにして、ゆったりと好きな植物と向き合っていける、そんな庭への転換です。

でも、実はこれは、できればまだ体力に余力があるうちに取り組んでおきたい課題でもあるのです。
シニアになってから「さあローメンテナンスの庭に作り変えるぞ」と重い腰をあげたのでは、早晩専門業者のお世話になることでしょう。お金を掛けずに庭のリフォームをするなら、肉体労働のできる年齢から計画的にはじめるのが得策というわけです。

 

いかにローメンテナンスの庭にするか

それでは、どんな庭仕事が省力化できるのか、具体的に例を挙げてみましょう。
・花壇をレイズドベッドにする⇒
レイズドベッドについては、ガイド記事【イベントにみる、ガーデニングアイディア】でも様々な例をご紹介しましたが、花壇に高さを出すことで屈みこまなくても作業ができるのがメリットです。
介護やリハビリ施設などでは車椅子でも作業ができる高さのレイズドベッドを作り、園芸療法に役立てているところもあります。

・芝生を取り除き、テラスにする
芝生のメンテナンスって、結構大変

芝生のメンテナンスって、結構大変

芝生のグリーンは魅力的ですが、維持管理には相当な労力がかかります。これを無くしてペイビングにするだけでも庭仕事の省力化ができ、グッと楽になるでしょう。

・植栽スペースを限定する⇒
庭が広くて手が回らない場合は、思い切って植栽スペースを減らすことも有効です。その分アプローチを広く取ったり、デッキやテラスを設けてくつろぎのスペースを作っても良いでしょう。
また鉢植えがたくさんある場合も、思い入れの深いものだけを残すなど、少しずつ数を減らしていく方向にもっていきましょう。
 
木立
庭には木が必要だけど…
・手入れが大変な木は、植え替える⇒
株立ちの落葉樹や季節が巡ると花を咲かせてくれる木は、緑陰をもたらしたり心を癒してくれる存在です。
でも毎年の剪定に落ち葉集め、虫害や病気の心配といったことが億劫になったり負担に感じるのであれば、思い切って成長の遅いコニファーなどに植え替えてみてはいかがでしょう。

・一年草の花壇を宿根草にシフトする⇒
一年草の花々は次々と花を咲かせて庭を華やかに彩ってくれます。でも、たくさんあると毎日の花がら摘みだけでも大変なことに。
花期は短くとも存在感のある宿根草(たとえばカラーリーフプランツなど)に入れ替え、一年草は季節ごとの彩りを足すための数株だけ、と限定すればかなりメンテナンスが省力化されます。

いかがですか?例に挙げたこと全てを取り入れなくとも、少し植栽を減らすだけで庭作業は省力化されます。いまあるものを減らしてしまうのは惜しい気もしますが、その分残った植物にじっくり愛情を注いであげることができるでしょう。
ガーデニングを長く楽しみ続けるための、庭作業の効率化と省力化です。まずは現在の庭仕事で大変なこと、負担に感じていること等を書き出してみることからはじめてみましょう。


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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