調味料の「さしすせそ」、「し」は塩? 醤油?
調味料の「さしすせそ」は和食の基本です
今回は「調味料のさしすせそ」について解説します。よくわからない人も知ってるはずの人も、改めてチェックしてみましょう!
調味料の「さしすせそ」のチェックスタート!
調味料の「さしすせそ」、思い浮かべたものは当たっているでしょうか?
【CHECK1】
「調味料のさしすせそ」の意味は?
「さ」はどの調味料?
「し」はどの調味料?
「す」はどの調味料?
「せ」はどの調味料?
「そ」はどの調味料?
「調味料のさしすせそ」とは使う順番を指す
基本的に、調味料は「さしすせそ」の順に使います
和食の調味料にはいろいろな個性がありますが、その個性を生かして、味を効率よくしみこませたり、素材のおいしさをより引き出せる使い方を、昔の日本人が経験の中から知恵として身につけて、今の私たちまで伝わっているものです。
お料理によってはこの順序で入れないものや一緒に入れて作るものなどありますが、きほんは「さしすせそ」。お料理をするときにはいつも、頭の片隅においておきたいですね。
「さ」は砂糖! 一説には酒も
「さ」は砂糖。お酒も含まれるとすることもあります
砂糖は分子が大きく、他の調味料より素材にしみこみにくいといわれます。たとえば、分子の小さい塩が先に使われていると砂糖が入りこむすき間が少なくなってしまうわけです。ただし水温が高いときのしみこみ方はこのかぎりではないので、煮魚などで調味料を合わせて煮立たせてから使うには問題ありません。
砂糖はまた、水分をかかえこみやすいことから、肉や魚をやわらかく感じさせる作用もあります。椎茸を戻すときに水に砂糖を少し入れると早く戻せますが、これも砂糖の力です。お砂糖パワーや裏ワザについては記事「砂糖を使いこなす小ワザ・裏ワザ!」をご覧くださいネ。
「し」は塩!
「し」はしょうゆ……ではなく塩です!
砂糖のところでもお伝えしましたが、塩は砂糖より味がしみこみやすいので、一緒に使うときは砂糖より後にいれます。
また塩は、少量で味に大きな変化をもたらすので、お料理のプロはタイミングや量を素材の性質や鮮度などを考え、とても細かく使い分けているそう。味噌やしょうゆといった塩分を含む調味料を一緒に使うときには加減を考えましょう。
塩は分子が小さくてすばやく素材に入りこむため、野菜の余分な水分や魚の臭み成分を浸透圧の作用で外に出してやるのに便利。お料理の下処理にもよく使われますよね。
以下で紹介している「す・せ・そ」は、加熱により香りが飛んでしまうものなので塩より後に入れます。
「す」はお酢!
塩とお酢は、順序だけでなく量のバランスが大切
塩梅という言葉があるように、塩とお酢は順序だけでなく量のバランスが大事だと、大昔からいわれてきました。塩梅はもともと「塩」と「梅酢」を指した漢語で、塩が多すぎると塩辛いし梅が多すぎると酸っぱいけれど、程よくまじりあえばとてもおいしいものになるという意味でした。
「せ」は醤油!
しょうゆは、昔の仮名遣いでせいゆ
お酢から後「す、せ、そ」は発酵食品で、その繊細な風味は加熱することでとんでしまうため、仕上げに近い段階で加えます。ただし砂糖と醤油を一緒に煮付ける場合、ある程度長時間の加熱でも醤油の風味が飛ぶのが抑えられるそうです。
醤油には塩分や甘み、苦味、うま味、酸味などが含まれます。醤油の塩分量は、産地や商品によってもちがいますが、普通の塩の6分の1くらいといわれます。
「そ」は味噌!最近はソース説も
「そ」は味噌ですが、ソースやソーダ類とする説も
味噌は発酵食品。加熱により香りが飛びやすいので、仕上げ直前に加えます。ご存知の方も多いと思いますが、味噌汁に使う場合、味噌をだし汁にといてから、沸騰させないように加熱するのがおいしくいただくコツ。
味噌汁の香りは、水温90度くらいのときに一番強く感じ、沸騰や長時間の加熱をすると香りが飛んでしまいます。なお、加熱することによる風味の失われ方は、味噌の種類にもよるそうです。
味噌に含まれる塩分は、信州味噌や仙台味噌などは13~14%、西京味噌など甘味噌は5~7%など、産地や種類で異なります。健康ブームをうけた減塩味噌や低塩味噌なども作られています。
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調味料の「さしすせそ」チェック、いくつ合っていましたか? 調味料にはそれぞれ個性があります。個性を生かして、もっとお料理上手になりましょう。
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