怪味ソースの痺れる味の秘密、痺れ調味料の花椒
花椒は四川料理に欠かせない調味料
怪味ソースの特徴は、なんといっても、そのピリピリとした痺れる味で、麻味と呼ばれる。甘味や辛味、濃厚なコクとともに、この麻味があるからこそ四川風の怪味となる。
この麻味を作り出すのが、花椒だ。花椒は、華北山椒の熟した実の果皮のこと。熟すと赤い果皮がはじけて割れ、木に花が咲いているように見えるので花椒という名がついたという。日本の山椒と同族異種
花椒は四川料理の定番調味料で、特に麻婆豆腐には欠かせないもの。また中華料理店で唐揚を頼むと、一緒に茶色っぽい塩が出てくるが、これは花椒塩といって、同量の塩と花椒の粉を混ぜたもの。特に鶏の唐揚との相性は抜群だ。怪味ソースも鶏の唐揚げとよく合うと言われるが、そこで花椒の果たしている役割は大きいだろう。
また、花椒には胃を温めて消化を助ける作用があるという。食べ過ぎや胃もたれに効くので、油っぽい料理と一緒に摂るのは理に適っている。さらに体の冷えを取る効果、さらに抗菌作用もあるそうだ。
さまざまな調味料の原料にもなる
花椒は、中華の定番ミックススパイス、五香粉の原料でもあり、油に花椒を入れて加熱し、その香りを移した花椒油も四川料理の香味油として有名だ。花椒油はさまざまな料理の仕上げにかけることで、花椒の風味を楽しめ、料理の味を引き立てる。最近はフランス料理でもよく使われる。フランスの料理本の翻訳書には、よく「四川胡椒」という調味料が載っているが、これも花椒のことだ。
四川料理だけでなくさまざまな料理に使える
怪味ソースに欠かせない花椒だが、余ってもさまざまに使える。ぜひ家庭に常備して使ってみてほしい。
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