モエギハコガメの特徴とは? 基本情報と飼育方法を解説!
モエギハコガメの基本情報と飼育方法
学 名:Cistclemmys galbinifrons galbinifrons ※従来のCuora galbinifrons を使う場合も多い別 名:ベトナムモエギハコガメ英 名:Indochinese Box Turtle分 布:中国南部(雲南、広西、海南)、ラオス、カンボジア、ベトナム甲 長:最大19.8cm
東南アジアに分布する、ほぼ陸生のハコガメです。
モエギハコガメは、現在とりあえず以下の3亜種に分けられることが多いようです。
- クロハラモエギハコガメ(ベトナムモエギハコガメ)Cistclemmys galbinifrons galbinifrons ・・・基亜種。ベトナム北部から中国南部に分布
- ラオスモエギハコガメC. g. bourreti ・・・ベトナム中部、ラオス南部、カンボジア北西部に分布
- カンボジアモエギハコガメC. g. picturata ・・・ベトナム南部、カンボジアに分布
- クロハラ・・・腹甲:黒一色 頭部:背面に細かな黒色斑がある場合が多い その他:背甲に放射状の模様が入ることが多い
- ラオス・・・腹甲:各甲板に1つの黒色斑 頭部:ほとんど斑紋はない
- カンボジア・・・腹甲:各甲板に1つの大きな黒色斑 頭部:側面に細かい虫食い状の斑紋
背甲はドーム状に盛り上がり、背中線に太い暗色のストライプが入ります。ストライプの両側の背甲の地色は褐色で斑紋が入る場合があります。また腹甲にはヒンジ(ちょうつがい)が発達しており頭部と尾部をほぼ完全に閉じて「箱」状になることができます。基本的に頭部の地色は黄色っぽい場合が多く亜種によって斑紋が入る場合もあります。
自然での生態はよくわかっていませんが、陸生で比較的多湿の環境を好むようです。山地や森林、藪地などで生活をしていて肉食性が強い雑食性であると言われています。
産卵期は6-10月と言われていますが、日本国内での繁殖では3月に産卵を行っています。飼育下で卵は1度に1-3個を産み56.9×27.6mmで65日と72日後に孵化したそうです。孵化した幼体の甲長は45mmと50mmであったようです。
中国では食用や薬用に、そして日本には一時期多くの個体がペット用に輸入されたことがありましたが、現在はその数も激減し高価なカメになっています。日本でも結構有名で、人気が高いカメなのですが、とにかく種としての情報が少ない種類と言えるでしょう。その原因として、非常に飼育が難しい、というのがあります。ほとんど長生きをさせた記録もなかったようなカメだったようです。
しかし、それでも少数の勇敢なファンたちが、頑張りに頑張り抜いて少しずつですが飼育法や繁殖法の確立に近づいているようです。みんなエライ。マジに。
赤っ恥をかかない程度の知識
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ラオスモエギハコガメ | |
カンボジアモエギハコガメ | |
腹甲の比較 |
モエギハコガメの飼育方法
飼育容器60cmクラス以上の水槽や衣装ケースなど
温度
温度の22~27℃程度が適温。高温部は27~30℃程度まで。冬は保温が必要
照明
あまり高温や強い照明は使わない方がいいと思われる。
床材(底砂)
保湿性のある素材を厚めに敷く
容器内レイアウト
陸場メインで全身が浸かれる水容器を設置する
餌
雑食で配合飼料に餌付くこともある。果物やマウスなどで餌付かせる
基本的な世話
いわゆるハコガメやヤマガメ類の飼育法ポイントは
- 高温と乾燥に注意
- 水質の悪化に注意
- 1日に1回、霧吹きなどによって多湿になるようにする
- など
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