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日本のプロブリーダーたち!(3ページ目)

日本でも、ようやくプロブリーダーと呼べるような方たちが多くなってきたようです。今回はカメ、ヘビそしてカエルのプロブリーダーの方をご紹介いたします!

執筆者:星野 一三雄

ヘビブリーダー・桔梗屋

さて、それではカメの次はヘビです。
どこの国でもきっと同じでしょうけど、多くの一般の方から忌み嫌われるヘビたちを、なんと言われようともブリーディングし続けることには、大変な努力と忍耐、そして情熱が必要であったことでしょう。そこにポリシーとこだわりを持ち続けて、日本いや世界に通用する実力を持つブリーダーとして知られているのが桔梗屋さんです。

桔梗屋さんは、愛知県在住の個人ブリーダーで、私の古くからの友人でもあります。

なんと言ってもスジオナメラのブリードに関しては、まず日本に右に出る者はいないと言って間違いないでしょう。さまざまな品種を作出した、その実績はスジオナメラに限って言えば世界一でしょう。

桔梗屋さんはスジオナメラに代表されるようなアジアやヨーロッパのラットスネークや北米のラットスネーク、あるいはカナヘビの仲間やスジトカゲの仲間を中心にブリードを行っています。
また、上に紹介したようなあまりブリードが行われていないややマニアックな種類とは対照的に、非常に多くのコーンスネークの品種をブリードされていることでも知られています。
現在、継続的にブリードを行っているヘビの種類はすべてを挙げるとキリがないのですが、代表的な種類はアオダイショウ、コーンスネーク各品種タイリクシマヘビブルガリアラットスネークタイリクスジオミドリナメラライノラットスネークというラインナップです。

また、これまでにさまざまな飼育難易種のブリードも成功していて、今後もさまざまな種類の繁殖に取り組んでいきたいと語る桔梗屋さんですが、とりあえずの目標はジャンセンラットスネークの繁殖だそうです。また同時に、毎年数百匹の仔を得ているコーンスネークの新しい品種の作出も常に目標としています。どうやら今年も何百匹の仔の中に、おそらく世界初なのでは、と思われるような新しいコーンが混じっているとかいないとか。楽しみです。

もちろん、これだけの数のヘビを飼育するだけでなく繁殖、新品種の作出までされているのですから、さまざまな悩みや苦労があるとは思います。その一つは血統の管理と入手です。他の品種の血がどこかで混じっていないか、あるいは地域個体群が異なる個体ではないかというような血統の維持と管理は非常に難しく気を遣うことでしょう。また繁殖のために同じ品種、あるいは同じ地域個体群の個体をペアで揃えなくてはいけませんが、それを入手する機会が限られているのですから、大変です。
たぶん世界初なんでしょうねぇ
桔梗屋さんCBラベンダーアルビノタイリクスジオ
画像提供:桔梗屋

しかし、何よりも大変なのは「維持費」です。
桔梗屋さんとは、よく電話で話をするのですが、一回のエサ代は我々が想像している以上です。これに種親の購入などを考えてしまうと、黒字になどなるわけがありません。もう本当に好きでなければできない。ヘビのブリーダーさんの最大の悩みでしょう。
しかも、桔梗屋さんのブリーディング場を見せてもらったことがあるのですが、ハッキリ言って私たち人間が生活している場所よりも清潔さが保たれています。何よりもヘビは狭い範囲で大量に飼育可能ですから、万一おかしな感染症などが侵入してしまったら瞬く間にそれが広がって壊滅的な打撃を受けるおそれがあるからです。

何よりも清潔に。これが世界に通じるヘビのブリーダーのこだわりです。
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