ミズカキヤモリの基本情報
撮影協力:どうぶつ共和国WOMA+
学 名:Pachydactylus rangei 別 名:-英 名:Namib Sand Gecko, Web-footed Gecko分 布:南アフリカ、アンゴラ北部、ナミビア全 長:10-15cm前後
アフリカの南西部に広がる乾燥地帯に生息する地表性のヤモリです。
本種は、最近ではアフリカを代表する小型のヤモリの仲間でありタイガーゲッコーなどが属するPachydactylus 属に属するとされていますが、これまでは本種と近縁のヴァンジミルミズカキヤモリPalmatogecko vanzyii との2種からなるミズカキヤモリ属Palmatogecko に属するとされることが多かった種です。
なめらかで薄い表皮は暗褐色で、さらに不明瞭な暗色の細かいバンドや斑紋が入っています。名前からわかるように、本種の最大の特徴は四肢の指の間に発達した水かき状の皮膜で、これは生息地である砂漠の砂の上を自由に歩き回ったり、砂を掘るために発達したと考えられています。
ほとんど砂漠に近い環境で生活していて、昼間は巣穴の奥深くに潜んでいて、夜間に温度が下がると地表に出てきて活動を行います。また日中に外に出てきてしまったときなどは、四肢を上手に使って全身を砂の中に埋もれさせる独特の行動も行います。
夜間に地表を歩く昆虫類をエサとし、それを探すために目が大きいと考えられています。
卵生で、生息地では5-8月に産卵を行います。卵は8-11×7-9mmで、1クラッチで2個の卵を産みます。卵は30℃で8週間ほどで孵化に至ります。
野生動物関係のテレビ等で紹介されることもあるため、結構知名度はありますが、やや環境の設定が難しく飼育対象種としては一般的ではありません。
WCが流通することはほとんどありませんが、欧米等でCB化されているため、この手のヤモリとしては比較的高価で流通します。
写真等で見ると、線が細い感じがして小さくて華奢な印象があるのですが、頭部や目が大きいことから、意外にボリュームもあり存在感はかなりあります。
手が水かきみたいになっている、ということだけの特徴ですが、よく考えたらそれだけでも大変な魅力なんですよね。他にはあんまりいませんから。
しかし、やっぱりコレってちゃんと独立したミズカキヤモリ属にするべきですよねぇ...
赤っ恥をかかない程度の知識
|
ミズカキヤモリの飼育方法
飼育容器単独なら30cm程度のプラケースでよい。通気性は確保する
温度
フィルムヒーターでケース下から保温する。低温部と高温部ができるようにする。できればホットスポットを作り昼間は28-33℃程度になるようにする。夜間はこれらの保温を切って昼夜の温度差を作る
照明
爬虫類用の紫外線入り蛍光灯を点けた方がいい。また昼間はホットスポット用のライトを点ける方がいい
床材
穴を掘れるように強く固めた砂を厚めに敷く
容器内レイアウト
個体数以上の数のシェルターが必須。水入れは常設しなくてもよい
餌
コオロギやミールワームなどの昆虫。カルシウム剤などの添加は必須
基本的な世話
いわゆる乾燥系地表性ヤモリの飼育方法
- 穴を掘ることができるようにする
- 穴を掘ることができない環境ならば塩ビ管などの筒状のシェルターを設置する
- 夜間に霧吹きをする
- カルシウム不足にならないようにする
- など
【関連記事】