爬虫類・両生類/カエルの飼い方

飼うのは下手でもカエルが好き!! かはづのこころにくさ...

カエルの季節です!熱烈なファンが多いカエルですが、カエルのどんなところに魅力があるのか!?そして、その魅力を堪能するには!?

執筆者:星野 一三雄

全国の両生類ファンの皆さん、こんにちは。これを書いているのは、ようやく梅雨入りした6月半ばなのですが、やはりこの時期は「カエル」の季節。実は私はカエルを飼育するのがとても下手っぴで、今まで数々のカエルを殺してしまっています。現在はアズマヒキガエルとアイフィンガーガエル以外は飼育を控えているのですが、やっぱり、カエルってとても魅力的な生き物ですよね。今回は、そんな両生綱無尾目・カエルの魅力に迫ってみました!

▼カエルの仲間たち
現在、飼育対象として愛好されているカエルは概ね5グループほどに分類されます。
一つは「ツリーフロッグの仲間」つまり「樹上性」のカエルたちです。日本でもアマガエルやモリアオガエルがおなじみです。また、外国産ではオーソドックスなイエアメガエルとかアカメアマガエル、最近話題のソバージュネコメアマガエルなんかもツリーフロッグです。器用に手を使った仕草や、上手に木の枝や葉の上にくっついている姿が魅力的です。

次は圧倒的な美しさで、まさに「生きた宝石」と呼ぶにふさわしい「ヤドクガエルの仲間」です。表皮から強い毒を分泌するため現地では「吹き矢」にその毒を使っていたことから、「ヤドク(矢毒)」です。警戒色の意味もあるのでしょうかコバルトブルーにライムグリーン、ルビーのようなレッドと実にカラフルです。ジャングルの林床をイメージしたレイアウトで楽しめる、まさにある意味「盆栽」などの「箱庭」あるいは流行りの「ビオトープ」のような飼育ができるのも魅力です。ただし...高い!!

3番目は、完全に水中で生活する「水生ガエルの仲間」たちです。陸に上がることがなくすべての生活を水中で行ないます。ピパやツメガエルなどがこの仲間です。圧倒的な遊泳力はケージである水槽の容量の多さを要求しますが、アクアリウム感覚(と言うかそのものですが)で飼育できるのが魅力でしょう。


4番目は、いかにもカエルっぽい「半水生カエル」たちです。以前から人気があるベルツノガエルもこの仲間にしてもよいでしょう。流通量が多いためか、お気に入りの色彩の個体を選べるのも楽しいし、ペット的な感覚で飼育できるのも魅力でしょうか

最後は、最近急激に人気が出てきた「ジムグリガエルの仲間」です。乾燥系のカエルや名前通り土の中に潜る習性からか、丸っこいフォルムがかわいさを引き立てているようです。その究極とも言えそうなのが話題のフクラガエルです。ようやく飼育方法がはっきりしたからでしょう、現在大人気のカエルの一つです。

▼魅力は「見た目」
カエルの魅力は何と言っても、そのルックスつまり「見た目」でしょう。アオガエルのグリーンは爽やかな感じですし、ヤドクたちの品のいい極彩色は他の両爬では楽しめない魅力です。
しかし、私はカエルのルックスの魅力は別のところにあると思っています。それは「姿勢」と「表情」です。

両手をついて謝っているような格好も、滑稽でかわいいのですが、私はむしろ背筋をシャキっと伸ばして堂々と胸を張っている姿勢に魅力を感じます。ふだんヤモリやヘビのようにシークレッティブな種類やカメのようにシャイな生き物たちを見ていると、カエルたちの背筋を伸ばして斜め前方を凝視している姿は実に自信に満ち溢れていて、両爬の魅力を改めて気付かせてくれます。

また、カエルは他の両爬たちに比べ「表情が豊か」に思えます。餌や水を与えれば喜んでいるように思えますし、ケージ内が汚いと、無言ではあるのですが、目で訴えているようにも思えます。私の友人はオキナワアオガエルたちに「ソクラテス」などの「哲人」の名前をつけているのですが、なるほど彼らの表情は常に何か思索にふけっているようにも感じられます。何よりも、飼育をうまくしていくためには彼らの表情をよく観察するのは大切なことです。私も彼らの「表情」を読み取るようになってから、ようやくカエル(に限らないのですが)をうまく飼育できるようになってきました。
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