独立の法則
さて、いつもこの種類の例えばかりでつまらないかもしれないけどコーンスネークの体色を考えてみよう。ノーマルのコーンってどんな色だっけ?はい。出席番号29番。
「茶色っぽい地色に黒で縁取られた赤いブロッチが並んでいます。」
そうですね。
ということは、どんな色素を持っていると考えられるかな?4番。
「茶色は赤+黒だから、赤色と黒色ですか?」
そうだね。コーンの体色は赤色色素と黒色色素の組み合わせで決まっていると考えてもらっていいだろう。
この赤色と黒色の遺伝子は、まったくお互いに無関係でそれぞれが独立に遺伝する。つまりこれは、赤色遺伝子と黒色遺伝子が、それぞれ別の染色体の上に存在するということだ。
これを「独立の法則」というんだ。
別の染色体上にそれぞれの遺伝子が存在 |
ここでは仮に赤色遺伝子をE、対立遺伝子をeとしよう。
一方の黒色遺伝子はM、対立遺伝子はmとするか。
さて、質問だ。
赤だけに注目してみよう。EEの遺伝子型の表現型は?9番の人。
「赤です」
はい。おっけー。
じゃ、ヘテロEeは?14番。
「赤です」
これも正解。
それではeeは?19番。
「赤がないから...」
あ、そこまででいいです。そう、「赤がない」という表現型だね。「赤くない」としておこうか。
この前の宿題で出題したからわかっている人も多いと思うけど、コーンの場合は、このように「赤がない」と白っぽい色と黒色のモノトーンになります。このような品種をアネリスリスティック、略してアネリと言います。覚えておいてくれよな。
それでは、今度は黒に注目してみようか。聞くまでもないね。
MMが「黒」、Mmも「黒」。で、mmは「黒くない」でわかるね?
ダブルヘテロ
ところが、コーンはどの個体も必ずEまたはe、Mまたはmの両方を持っているよね。茶色いんだから。ということは、コーンは赤と黒の遺伝子に関しては、何種類の遺伝子型を持っていることになるかわかるかな?要するに組み合わせの問題だ。
下に列挙してみよう。
1.EもMも優性のホモ・・・EEMM
2.Eが優性のホモでMが劣性のホモ・・・EEmm
3.Eが劣性のホモでMが優性のホモ・・・eeMM
4.Eが優性のホモでMがヘテロ・・・EEMm
5.Eが劣性のホモでMがヘテロ・・・eeMm
6.EがヘテロでMが優性のホモ・・・EeMM
7.EがヘテロでMが劣性のホモ・・・Eemm
8.EもMもヘテロ・・・EeMm
9.EもMも劣性のホモ・・・eemm
と、これで全部かな。本当は一覧表にして考えるとわかりやすいんだが、それはまた今度。
数学なら優性ホモ、劣性ホモ、ヘテロの3通りが2種類ということで3の2乗と考えればいいよな。
8みたいに、二つの遺伝子が、両方ともヘテロの場合を、両爬のホビーの世界ではダブルヘテロなどと呼んだりするんだね。聞いたことがある人もいるんじゃないかな。
ダブルヘテロ |