ギアナカイマントカゲの基本情報
画像提供:aLive
学 名:Dracaena guianensis別 名:ガイアナカイマントカゲ英 名:Northern Caiman Lizard, Guyana Caiman Lizard分 布:南米(ブラジル、コロンビア、エクアドル、ペルー、仏領ギニア)、ガイアナやスリナムにも分布するともされている全長:頭胴長42cm以上 最大全長1.2m
南米に生息する、半水生の大きいトカゲです。
一般に「カイマントカゲ」というと本種を指すことが多いのですが、近縁種としてパラグアイカイマントカゲDracaena paraguayensis があり、この2種でDracaena 属を構成しています。
頭部が頑強で大きく、ワニを思わせる背面の大型の鱗や縦偏した尾が特徴です。基本的に体色は緑色から褐色で斑紋はありませんが、特にオスは頭部が鮮やかなオレンジ色から赤色に染まります。
森林に生息し、水面の上に張り出した木にも登って日光浴をしていますが、後述するようにエサの関係で水場で活動したり、泳いだり水中に潜ったりする半水生であるとも言えます。
野生での生態はよくわかっていないようですが、主食が水生の巻き貝で、臼歯状になった丈夫な奥歯でかみ砕いて中身だけを上手に食べます。また現地では乾季があるため、そのような時期にはテグーのように鳥類などの卵や小動物なども食べていると思われています。
繁殖に関する記録はほとんどありませんが、乾季である7月に屋外で捕獲されたメスの卵巣には6個の成熟卵と排卵後の黄体が見つかっているため、2クラッチ以上で6個程度の卵を産むと思われています。飼育下では7.0×3.5cmの大きな卵を1回に17個を生んだ記録があり、全長25-30cmもの幼体が孵化したそうです。
大型で美しく、その特異な形態や生態から比較的有名なトカゲでしたが、非常に長い期間流通したことが無く、多くのトカゲファンの憧れのトカゲでした。
最近は、非常に機会は少ないのですが、ときどき少数が流通するようになりました。もちろん、非常に高価ではありますが。
特異な生態から長期飼育が難しかったのですが、多様なエサが流通するようになったことや先人の努力の結果、飼育の方法もかなりわかってきたようです。
ちょっとアンバランスなくらい大きな頭部は美しいのですが、これが少し苦手という方もいると思います。実を言うと、私がちょっとその口なんです。しかしこの頭部の大きさも彼らの大好物である巻き貝の頑丈な殻を割るための進化と考えると、また納得し、機能美を感じるから不思議なモノです。
とにかく流通する機会もほとんどなく、高価ですし、何より飼育法が未確立で突然死も多かった頃に飼育にチャレンジしていった多くの先人たちに敬意を表したいと思います。こんな高価なのに、突然死んでしまったら、そりゃ凹むでしょうから...
CITES 附属書II掲載種
赤っ恥をかかない程度の知識
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ギアナカイマントカゲの飼育方法
飼育容器床面積、高さとも広くとる。できれば一辺120cm程度は必要
温度
基本は30℃程度。ホットスポット下は35℃前後で設置。容器下にフィルムヒーターを敷く。ケージ内に温度勾配を作ること。水場も保温する
照明
爬虫類用の紫外線灯やバスキングランプが必須。できれば直射日光で日光浴をさせる
床材
本質的にはヤシガラ土など多少湿度を保持できる素材を厚めに敷くのがいいが、清潔さなどの点で問題もある
容器内レイアウト
全身が入る大きさ以上でアクセスしやすい水場を設置する。陸場にはシェルターを設置する。つかまることができる丸太などの登り木を斜めに立てかける
餌
理想的にはタニシなどの水生の巻き貝を与える。ピンクマウスなども食うが多用はしない。そもそも巻き貝以外のものに餌付きにくい
基本的な世話
水場に依存するオオトカゲ類の飼育に近い
※「飼育の基本情報」は「爬虫・両生類ビジュアルガイド トカゲ2(誠文堂新光社)」「ビバリウムガイド No26(マリン企画)」および海外サイトを参考にしました。
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