コロンビアクジャクガメの基本情報
撮影協力:Endless Zone
学 名:Trachemys scripta callirostris ※Trachemys callirostris callirostris も使われる別 名:-英 名:Colombian Slider分 布:南米北西部(コロンビア北部とベネズエラの一部)甲 長:最大30cm 文字通り、コロンビアを中心に分布しているスライダーの一つです。
アメリカのスライダーと呼ばれるカメたちは分類が非常に難しく、本亜種もアカミミガメTrachemys scripta の1亜種としてされていましたが、最近は独立種「ブチアゴクジャクガメ」と仮に名付けられたTrachemys callirostris の基亜種T. c. callirostris とされる考え方もあるようです。ちなみにこの分類の仕方では、もう一つの亜種としてヴェネズエラクジャクガメT. c. chichiriviche
いわゆる「みどりがめ」の斑紋パターンですが、名前の通り顎の周辺に黄色の楕円形模様が多数入ることが特徴です。別亜種のヴェネズエラクジャクガメではこの模様の数が少ないようです。
その他の生態等はグアテマラクジャクガメやミシシッピアカミミガメの項を参照下さい。
繁殖は乾季である12月末から4月末にかけて2回にわけて産卵を行います。1回に9-25個、27-41×21-26mmの大きさの卵を産みます。孵化には70-92日ほどかかります。
私も、なんとなく覚えているのですが、1970年代のペットショップでミシシッピアカミミガメと一緒に「みどりがめ」としてたくさん売られていたような気がします。つまり、当時は大量かつ安価に国内に流通していたのですが、その後コロンビアがカメ類の保護を行ったため、現在はほとんど流通することがありません。最近になって、ようやく欧米や国内でのCBが流通するようになりました。もちろん昔のように安価ではありませんが。
いわゆるみどりがめと同様に飼育もできますが、やや神経質で低温に弱い面が見られるそうですので、若干のテクニックが必要そうです。しかし、国内でも長い間、コンスタントに繁殖もされている例も聞かれます。30年以上も前の安価な時代から、しっかりと飼育と繁殖を続けているのですから、本当に脱帽です。もしも、それをしてくれていなかったら、もしかして現在では国内で、このカメを見ることができなくなっていたのかもしれませんから。21世紀に両爬の飼育を楽しむ私たちは見習わなくてはいけないでしょう。
ミシシッピアカミミガメと同様に特定外来生物法で「要注意外来生物」として指定されています。
赤っ恥をかかない程度の知識
- コロンビアの北西部に分布する
- アカミミガメの亜種あるいはブチアゴクジャクガメの基亜種
- 1970年代にミシシッピアカミミガメとともに「みどりがめ」として大量に流通した
- 吻端から下顎にかけての楕円形の斑紋が多数入るのが特徴
- 現在は流通量は少ない
- やや神経質で低温に弱い面があるらしい
コロンビアクジャクガメの飼育方法
飼育容器大きさによって60~120cmクラスの水槽や衣装ケースなど。
温度
25℃を下回らない程度に保温。夜間は20~21℃。ホットスポットは30℃
照明
紫外線入りのバスキングランプが必要
ろ過
できれば、外部式フィルターと上部フィルター
床材(底砂)
特に必要なし
容器内レイアウト
幼体時は背甲の高さの2倍以内の水深、成体時は20~30cm程度の水深の水場と完全に乾燥した陸地
餌
配合飼料で良い
基本的な世話
いわゆる水生ガメの飼育法であるが、特に
- 比較的丈夫で飼育しやすい
- やや低温に弱いと言われている
- など
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