スベトビヤモリの基本情報
画像提供:Owner's Fish
学 名:Ptychozoon lionotum別 名:リオノータムパラシュートゲッコー、リオノータムトビヤモリ、パラシュートゲッコー英 名:Smooth Backed Gliding Gecko, Burmese Flying Gecko分 布:東南アジア西部(インドとミャンマーの国境付近からタイ、マレーシア西部まで)全 長:17-19cm 体中のヒダと水かきのような手、そして「滑空」すると言われて有名な東南アジアの樹上性ヤモリです。
同様の形態をしたトビヤモリ属Ptychozoonには以下の6種程度知られているようですが、どれも形態が似ているため、見分けるのが難しいようです。
- Ptychozoon kuhli クールトビヤモリ
- P. horsfieldii
- P. lionotumスベトビヤモリ
- P. intermedium
- P.rhacophorus
- P. trinotaterra
体色は個体差と環境、状態により濃淡がありますが、一般的には灰褐色地にW字型の横帯が数本入ります。
本種と共によく入荷されるクールトビヤモリは体表に顆粒状の大型鱗が散在しますが、本種は和名からもわかるようにそのような顆粒状の鱗がありません。
熱帯雨林の樹上で生活していて、樹皮に擬態していると言われています。
トビヤモリと呼ばれるほど滑空をするわけではないようですが、体表のヒダなどが空気抵抗を大きくするのは確実なようで、ジャンプした時のショックをやわらげる働きくらいは持っているようです。飼育下でも、他のヤモリ以上に下に飛び降りるという行動が多く見られるようです。
餌は昆虫類がメインですが、おそらく果樹なども舐めていたりすると思われます。
メスは樹皮の裏側や樹洞などに直径1.5cmほどの硬い卵を2つ産みつけます。おそらくシーズン中に複数クラッチ産むと思われます。卵は通常45-62日程度で孵化し、4cm程度の幼体が産まれます。
マダガスカルのヘラオヤモリ、オーストラリアのリーフテールゲッコーと並んで、非常に巧みな樹皮への擬態をするタイプのヤモリとして人気があります。ヘラオほど異形でなく、リーフテールよりは活発に動くし、何よりも安価です。湿度にさえ気をつければ飼育もしやすく繁殖まで狙うことができますので、絶対におすすめの壁チョロでしょう。
なのに、あまり人気がないのはなんでだろうと思ってしまいます。壁チョロ大好きの私は、とても好きなヤモリなんですけど。
近縁種のクールトビヤモリよりは流通量は少ないため、やや高価ですがときどき流通しますが、管理が悪いと状態が落ちてしまいやすいので、欲しい方は見つけたら即、買いです。ただし、ぐったりしているような個体や脱皮不全になっているような個体はあまり良い管理下に置かれていなかったあらわれですから購入は控えた方がイイでしょう。状態が悪いと立ち上がりにくい種類ですから。
ヘラオのとこでも書いたんですが、この手のヤモリをネットで調べるとフランス語のサイトが多くヒットします。フランス人ってこういうの好きなのかしらん。
赤っ恥をかかない程度の知識
- 東南アジアの西側に分布
- 「飛ぶ」というほどではないが、よくジャンプはするらしい
- 飼育下でも比較的動く
- 多湿環境を好む
- WCが流通する
- 飼育下での繁殖は可能
- クールとの見分け方は、体表面の大型鱗の有無。本種はない
スベトビヤモリの飼育方法
飼育容器45-60cm程度の通気性の良いケースを使う
温度
どちらかというとあまり高温は良くないという情報もあるため、冬のみ25℃程度に加温するくらいが良いと思われるが、低温すぎるのもよくない
照明
特に必要なし
床材
ヤシガラ土やピートモスなどをクッション代わりと湿度保持のために敷いた方がよい
容器内レイアウト
多湿を好むため保湿を兼ねた大きな水入れが必要。シェルターと止まり木が必要。コルクバークを立てかけるとそれを兼ねることができる
餌
コオロギなどの昆虫。カルシウム剤などの添加は必須
基本的な世話
いわゆる多湿系樹上性ヤモリの飼育方法
- 立体活動ができるようにする
- 乾燥すると容易に脱皮不全に陥るため、大型の水容器にエアレーションをして湿度を高めるような工夫をする
【関連記事】