爬虫類・両生類/両生類・爬虫類の飼い方

爬虫類の移動の仕方!イベントやショップで購入後の持ち帰り方

今回は爬虫類の移動の仕方・持ち運び方についてお伝えします。イベントやペットショップなどで生体を購入したあとの持ち帰り方、無事に家まで持って帰るおすすめの移動ケースや温度等を解説します。爬虫類を「持ち帰る」時の注意点を喚起してみました!

執筆者:星野 一三雄

爬虫類の持ち帰り方を解説! 無事に家まで持ち帰る為には

爬虫類が逃げ出さないようケースに入れましょう

よく使われるデリカップ

全国の両爬ファンのみなさん、コンニチハ!今回は、「両爬の持ち運び」をテーマにお話しをさせて頂きます。

しかし、なんで突然「両爬の持ち運び」に関して、飼育初級者向けに話しをする気になったのか?これにはちょっときっかけがあります。とあるブログで見つけてしまったからです。その方はヘビを購入されたらしいのですが、購入後に友人らと一緒に外で歓談にふけっている時に、うっかり購入したばかりのヘビの入った袋を直射日光が当たるところに置いてしまったそうです。
そして、数十分後に見てみると、買ったばかりのヘビは哀れ熱射病で悶絶死してしまったと、ということらしいのです。

私も、フィールディングを始めた頃に、採集したばかりの個体たちの入ったデリカップを直射日光の当たっている車の中に置きっぱなしにしてしまい、阿鼻叫喚の図にしてしまったことがあります。それ以来、生き物を持ち運びする時は、私というだらしのない人間にはあり得ないほどの気を遣って同じ過ちを繰り返さないようにしています。

この出来事を知ってから、特に、遠くからいらっしゃって、生体購入以外にも何かと忙しいイベントに参加される方々に向けて「両爬の生体の持ち運び」の注意点をきちんと示す必要を感じてしまったというわけです。そういうわけで今回は購入あるいは採集した両爬をいかに「無事に家に持ち帰るか」をお話しをしたいと思います。
 
<目次>
 

爬虫類の持ち運びのポイント

さて、両爬を持ち運ぶ、という行為に関して、もっとも重要なことを確認しておきましょう。それは

長い低温もキケンだが、短い高温の方がもっとキケン

という認識です。慣れていない方は、両爬というのは外温(変温)動物だから、寒いのは良くない、と考えることが多いようです。もちろん、熱帯性の生き物を10℃とかにさらしてしまえば、当然生命の危機ではあります。また今まで暖かかった場所にいたものを、急に低い温度の場所や冷たい水の中に入れたらショックで死に至ることでしょう。体力がない場合などもキケンです。

しかし、私はそれでも短時間の高温の方が危険度が高いと思います。なぜなら、短時間の高温は「即死」があり得るからです。自然の環境ならば、暑くなったら涼しい場所に移動できる生活をしていますが、とりわけ輸送という狭くて身動きすることもままならない環境だったら、あっという間に小さな容器の中は高温になってしまいます。そうなってしまったら小さい個体などはひとたまりもないわけです。

したがって、厳冬期の輸送ならば低温に万全の対策が必要ですが、春から秋にかけては、むしろ高温に対する対策が必要になることを肝に銘じて下さい。
 

爬虫類の持ち帰りの注意点は太陽光などの高温

結論を先に書くと

直射日光に気をつけて、さっさと家に帰る!

でしょう。家に持ち帰ってしまいさえすれば、とりあえず落ち着くわけですから。ただ、ショップで購入するのならば、それでいいのですが、年に何回もないイベントで購入した場合はそうはいかないのが普通です。とにかく気をつけるのは「高温」です。イベントなどは暖かい季節にあるのが普通ですので、特に直射日光が当たる屋外の駐車場の車の中に生体を放置するのは厳禁です。もう、絶対に死にます。即死です。多少、外が寒くても晴天ならば車の中に置かずに持ち歩くべきです。

また車を運転している時でも、車内で直射日光が当たらないように注意をしましょう。特に車は車内の床面が高温になる場所(排気管が通っているところやドライブシャフトの上など)がありますので、そういった場所にも置かないようにします。イベント等で路上で話し込む時なども日陰に置きましょう。デリカップの中ならば直射日光が当たれば数分で致死的な高温になります。
 

爬虫類をより良い飼育環境においてあげること

高温の危険性以外に、他にもいくつか注意すべきことを挙げておきましょう。

大きめのバッグを用意する
電車等で移動する場合は、満員になってつぶされることも注意して、できれば網棚の上などに置いて常に見張っておきましょう。その時に、ガサガサ動く音がしたり、ビニール袋から透けてヘビが動いているのが見えたりするのは、他の乗客の迷惑になりますから、大きめのバッグなどを準備してそれに入れるのがマナーでしょう。年に何回もあることではありませんから、小さめのトランクケースなどの頑丈なバッグを使うと安心です。

ビニール袋に入れる
生体が入っているのが小さなデリカップの時は、そのデリカップをやや大きめのビニール袋に入れた方がいいでしょう。

何かの拍子にデリカップが開いてしまって脱走する危険性ももちろんですが、一緒に入っている床材やら砂やらミズゴケやらまで出てきて、バッグの中が大変なことになることもありますから。

生体をむやみに出さない
最後に、本当に当たり前のことを言いますが、嬉しいからと言って公共の場でヘビやらを出して手に持って遊んだりしないようにして下さい。万一逃げられたりしたら大変なことになりますし、普通の人から見たら、本当にただの変な人なんですから。

くれぐれも、せっかく購入した生体を置き忘れないようにしましょうね!ニュースになっちゃいますから...

最後に繰り返しますが、今回の記事で一番言いたかったことは、絶対に生体を車内とか、陽の当たる場所に放置しないで下さいと言うことです。毎年、春になると小さなお子さんを車の中に放置して死なせてしまった、なんて痛ましいニュースが後を絶ちませんから。両爬だって一緒です。大切な、かけがえのない命なんですから。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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