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バナナスパイニーテールイグアナ!爬虫類の基本知識と飼育方法

今回ご紹介する爬虫類は、バナナスパイニーテールイグアナです!成体になった時に黄色が強く出るようになる個体を「バナナスパイニーテールイグアナ」と呼んでいて、中でも「イエローファントム」と名付けられている品種は、ほぼ全身が黄色くなり非常に美しい個体です。

執筆者:星野 一三雄

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バナナスパイニーテールイグアナの基本情報

バナナスパイニーテールイグアナ

バナナスパイニーテールイグアナ

学 名Ctenosaura pectinata別 名:クシトゲオイグアナ英 名:Banana Spiny Tail Iguana, Mexican Spiny-Tailed Iguana分 布:メキシコ南西部のシナロア州中部からオアハカ州南部、アメリカのテキサス州とフロリダ州(帰化)全 長:80cm 最大120cm 

メキシコに生息する比較的大型のイグアナの仲間です。

種としてはクシトゲオイグアナ Ctenosaura pectinata とされていて、その中で成体になった時に黄色が強く出るようになる個体を「バナナスパイニーテールイグアナ」と呼んでいて、中でも「イエローファントム」と名付けられている品種は、ほぼ全身が黄色くなり非常に美しい個体です。写真の個体は、まだ若い個体であるため特徴的な色彩が出ていないようです。

クシトゲオイグアナ(以下「クシ」)とバナナスパイニーテールイグアナ(以下「バナナ」)の関係は、非常に複雑です。簡単に言うと、クシの中で以下の特徴を持った個体がバナナとされ珍重されます。

  • 成体時に黄色が強く出る
  • 性格が温和
  • 頭部の吻端に丸みがある
で、バナナはクシの中のある地域個体群であるとされたりしますが、おそらく「別種」であろうという見方が強いようです。しかし、間違いなくクシである個体の中にもバナナのような個体が見られるため、この問題はまだまだ解決されていません。

幼体時は全身が緑色をしていますが、次第に全身が褐色から黒褐色になり、やけどのように明色の不規則斑が全身に現れます。この明色部分が黄色くなるのがバナナと呼ばれる由来で、いわゆるキャリコ模様のように見えます。一方、クシの方は明色部分が白くなり、モノトーンであるのが一般的です。

なお、アメリカに帰化しているのはクシの方であるようです。

やや乾燥した岩場で生活をしていて、木にもよく登るようです。昼行性で岩場でバスキングをしている姿が観察されます。食性は、ほぼ植物食性ですが、小動物などもときどき食べるようです。

雌は春に50個以上の卵を土の中に産卵します。

エキスポに出展されていた「イエローファントム」は、それはもう本当に美しい個体だったようです。ここで写真をお見せできないのがヒジョーに残念です。ただ、海外サイトなどを見てみると、やはりフィールドでもかなり黄色い個体がいるようで、やはり別種なのかと感じました。でも、黄色くない個体でも、パイボール(部分白化)のように、かなり広い部分が真っ白になっている野生個体なんかもいて、もしかすると私はそっちの方が好きかも...

アメリカでは、国内に帰化しているため比較的安く流通しているようですしCB化も進んでいるようです。まだまだ国内では流通量も少ないですし、バナナの方はさらに少ないからあまり知られていないようですが、かなりカッコイイので徐々に人気が出てくるかもしれません。特にバナナは異常なほど温和で扱いやすいということですから、これからが楽しみです。

赤っ恥をかかない程度の知識

  • バナナとクシの関係は非常に複雑
  • バナナは性格が温和
  • イエローファントムは真っ黄色の品種
  • 幼体時は緑色
  • 飼育自体はそれほど難しくないらしい
  • 流通量は多くない
  • 幼体時はクシとバナナの区別はつかない
「バナナ」の特徴が出ている個体

「バナナ」の特徴が出ている個体

バナナスパイニーテールイグアナの飼育方法

〈飼育容器〉    
最終的には大型のケージが必要。幼体時は150cm程度の高さのガラス温室

〈温度〉    
夜間は最低25℃、日中は最高35℃程度に保温。ホットスポットは40℃前後

〈照明〉    
紫外線灯とバスキングランプが必要

〈床材〉    
新聞紙など

〈容器内レイアウト〉   
幼体時は止まり木を配する。大きくなったら太くてしっかりした止まり木を一本設置する。大型の成体以外は全身が浸かれる水容器を設置

〈餌〉    
緑黄色野菜を中心にいろいろな種類の植物を与える。イグアナフードは野菜などに混ぜて与える程度。幼体時はコオロギなどを好む

〈基本的な世話〉    
  • 基本的にはグリーンイグアナの飼育に準ずる
  • 止水を認識しないので、水流をつけたりドリップ式で給水する。スポイトなどで直接飲ませると馴化になる
  • 動物質を与えすぎると痛風になりやすい

※生態等の情報は「ビバリウムガイド No.36(マリン企画)」「爬虫・両生類ビジュアルガイド トカゲ1(誠文堂新光社)」および海外サイトとショップ関係者の方の話を参考にしました。


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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