オオクチガマトカゲの基本情報
オオクチガマトカゲの基本的な知識と飼育方法
中央アジアの砂漠周辺の乾燥した場所に生息する小型のアガマの1種です。 本種が属するPhrynocephalus 属は「ガマトカゲ」あるいは「カエルアタマアガマ」などと呼ばれ、小型種を中心にコンスタントに流通していますが、どの種も非常によく似ていて、種同定は困難を極めます。 写真の個体は口角に特徴的なヒダがあり口を広げた時に広がったため、和名も付いていないPhrynocephalus mystaceus であると思われます。なお「オオクチガマトカゲ」という名称はビバリウムガイドで紹介された時に加藤英明さんが命名したものです。ビバリウムガイドNo.36の巻頭で紹介され、No.37で野生での生態が紹介され日本でも広く知られるところとなりましたが、本格的に国内で流通したことはないと考えられています。ただし、先述したように似たような種類も多いことから、これまでに他種と混じって輸入されたことはあるかもしれません。 一応、現在は以下の3亜種に分けられています。
ただし、これらの種別の変異は不明確で、亜種として考えない場合も多いようです。
もっとも特徴的なのは、口角にある大きなヒダで、危険を感じると威嚇のために口を大きく開けてヒダを広げます。ヒダの内部は口の中と同じで赤からピンク色を示すています。また砂漠という過酷な環境で生活するためのさまざまな工夫が施されており、特に四肢の指には櫛状の長い突起が発達して、柔らかい砂の上でスパイクのように働き俊敏な動きを可能にしています。また砂を掘るのにも役立っていると考えられています。
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赤っ恥をかかない程度の知識
- 中央アジア産
- 口角に大きなヒダがあり、口を開けてヒダを広げ威嚇する
- ビバリウムガイドNo.36-37で紹介された
- 砂漠に近い環境に生息する
- 少なくとも、本種ということを意識して流通したことはない
オオクチガマトカゲの飼育方法
背面の姿
〈飼育容器〉
60cmクラス以上の水槽など
〈温度〉
ホットスポット部は40℃以上、低温部は26~30℃。夜間は21~24℃にする。
〈照明〉
紫外線灯とバスキングランプが必要。紫外線灯はできれば複数。
〈床材〉
爬虫類用の砂漠の砂などを厚め(15cm程度)に敷く
〈容器内レイアウト〉
流木や平たい岩などでホットスポットとシェルターを作る。水入れは小さめで倒れにくいもの
〈餌〉
基本的にはコオロギやミールワームなどの昆虫
〈基本的な世話〉
- 乾燥系トカゲの飼育に準ずる
- カルシウムの添加は必須。ときどきビタミン剤も添加する
- 1日1回は霧吹きを行う
※各種情報は「ビバリウムガイドNo.36-37(マリン企画)」「爬虫・両生類ビジュアルガイド トカゲ1(誠文堂新光社)」および海外サイトを参考にしました。
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