ビルマムツアシガメの基本情報
写真提供:aLive
学 名:Manouria emys phayrei 別 名:-英 名:Burmese Black Tortoise 分 布:ミャンマー、インド、バングラデシュ、タイ(中南部)甲 長:60cm アジアで最大になるリクガメです。後肢の付け根にある大きな棘状の突起が3対目の足になぞらえて「六つ足(ムツアシ)」ガメと呼ばれます。
種としてはエミスムツアシガメまたはセマルムツアシガメManouria emys であり、本亜種と別亜種のスマトラムツアシガメM. e. emys の2亜種に分けられています。腹甲の胸甲板の形状で亜種は見分けることができるそうなのですが、実はコレがくせ者で、本とかによって正反対のことが書いてあることが実に多いんです。で、もっとも私が信頼している海外のサイトによれば「左右の胸甲板が接しているのがビルマ、接していないのがスマトラ」という感じでした。なんにしろこの見分け方は中間的な個体も多いためあまり確実とは言えないようです。
背甲は高く盛り上がりますが、上面は平であることが普通です。幼体時は明褐色ですが、成長ともに暗くなっていき、生体ではほぼ真っ黒になります。
比較的多湿の常緑の森林に生息し、林床のリッター層で生活しています。また山地の川の浅瀬などで水草を食べているようなことも多いようです。植生は植物食で、水草など水辺の植物を多く食べているようですがカエルなどの動物性のものも食べることがあるようです。
飼育下での繁殖記録によると、産卵数は多く5-8クラッチに分けて3-51個の卵を産んだそうです。主に4月から8月くらいにかけて産卵を行い、卵は50-72mm程度の大きさです。およそ70日くらいで孵化に至り、孵化した幼体の甲長は60-66mmです。
「アジアのゾウガメ」「アジアの巨人」などと言われるように非常に大きなリクガメですが、多湿系ということもありあまり人気は高くありません。ただし、黒くて重厚な感じがするリクガメですのでゴツくてカッコイイとも言えます。流通量は少なく高価になってしまう場合が多いのですが、状態さえ良ければ比較的日本での飼育に向いているリクガメと言えるようです。ただし大きくなるので最終的には庭で放し飼いなどの飼育方法をとることになると思いますが。
CITES(ワシントン条約)の付属書II類掲載種
赤っ恥をかかない程度の知識
- アジア最大のリクガメ
- 真っ黒になる
- 最近は流通量が少ない
- やや多湿環境を好むが高温と蒸れには弱い
- WCの立ち上げが難しい
- 植物食だが、肉類もよく食うらしい
ビルマムツアシガメの飼育方法
飼育容器幼体でも60~120cmクラス以上の水槽や衣装ケースなど。通気性の確保ができるものがよい。
水槽は背の低い「ランチュウケース」がベター。最終的には放し飼い
温度
25℃程度を基本にホットスポット下で30℃程度
照明
あまり強い紫外線を好まない。弱めの紫外線入りの蛍光灯などを使うが、隠れるところも作る
床材
保湿性のある物を使う方が良い
容器内レイアウト
水入れは、体を入れて浸かることができる大型のものを常設
餌
植物食。葉野菜を中心に果実などさまざまなものを与える。ピンクマウスなども与える方がいいらしい
基本的な世話
一般的なリクガメ飼育であるが
- やや高めの湿度を保つために毎日、散水を行う
- 冬期は保温をする
- 18℃以下にはしない
- それ以外はリクガメというよりヤマガメ飼育に近いらしい
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