アイセントラウトカナリアカナヘビの基本情報
撮影協力:ペポニ(於:九州レプタイルフェスタ)
学 名:Gallotia galloti eisentrauti別 名:-英 名:Northern Tenerife Lizard分 布:スペインのカナリア諸島(テネリフェ島北部)全長:40cm前後
カナリヤ諸島に生息するカナリヤカナヘビ属Gallotia の一亜種です。カナリア諸島はアフリカ北西部モロッコ沖の大西洋に浮かぶスペインの領土で、本種は最大の島であるテネリフェ島の北部に分布します。テネリフェ島は沖縄本島の1.7倍ほどの面積の大きな島ですから本亜種もいくつかの別亜種が存在します。
そもそもカナリヤカナヘビの仲間は絶滅した種まで入れると以下の9種類が知られています。
- Gallotia atlantica ・・・東部のランザローテ島、フェルテベントゥラ島
- G. stehlini ジャイアントガロティア、グランカナリアカナヘビ・・・グランカナリア島、東部のフェルテベントゥラ島(人為分布)
- G. bravoana ・・・西部のラ・ゴメラ島
- G. simonyi ・・・南西部のエルイエロ島
- G. intermedia ・・・西部のテネリフェ島
- G. caesaris ・・・西部のラ・ゴメラ島、南西部のエルイエロ島
- G. galloti ・・・西部のパルマ島、テネリフェ島
- G. auaritae (絶滅種)・・・西部のパルマ島
- G. goliath (化石のみ)・・・西部のテネリフェ島
どの種も個体数の減少が危惧されていて、厳重に保護されています。ニシカナリアカナヘビG. gallotiは本亜種を含めて以下の3ないし4亜種に分けられています。
- Gallotia galloti eisentrauti アイセントラウトカナリアカナヘビ・・・テネリフェ島北部
- G. g. galloti 基亜種カナリアカナヘビ・・・テネリフェ島中南部
- G. g. palmae パルマカナリアカナヘビ・・・パルマ島
- G. g. insulanagae ・・・テネリフェ島北部のアナガ山地
メスは基本的に灰褐色地に暗褐色の不規則な斑紋が入り地味ですが、成熟したオスは上の写真のように全身が黒色になり、頬と体側に大きなメタリックブルーの斑紋が入り、背面には黄色い小班点が散在します。
もともとカナリア諸島自体が温暖で乾燥した地域ですので、やや乾燥した岩場などに多く生息しているようです。また観光地などでも多く見られ、観光客の手からバナナなどのフルーツを食べるような光景も見られるそうです。
昼行性で、植物食が強い雑食で、飼育下でも植物を中心に与えます。
卵生であることはわかったのですが、ネット上で繁殖に関する情報を見つけることができませんでした...
当然ですが「カナヘビ」と聞いてニホンカナヘビをイメージしてはいけません。とにかくガッチリした体つきとオスの派手な体色は迫力満点です。
残念ながら現地では保護されているため、ほとんど流通することはないのですが少数ながらCBが流通したり、国内でもわずかですが繁殖に成功した方もいらっしゃるので少しずつ目にする機会も増えるのかもしれません。
しかし、これを書くのに海外サイトとかを見て、ようやくこの種が貴重で高価なトカゲであることが実感できました。
赤っ恥をかかない程度の知識
- カナリア諸島のみに生息
- 現地では保護されている
- 流通量は少ない
- 比較的気が荒い
- 植物食中心
アイセントラウトカナリアカナヘビの飼育方法
飼育容器幼体ならば60cm程度の爬虫類専用ケースでいい。最終的には自作の120cmクラスのケージが必要。床面積を広くとれるようにする
温度
基本は25℃程度。ホットスポット下は35℃前後で設置。容器下にフィルムヒーターを敷く。ケージ内に温度勾配を作ること
照明
爬虫類用の紫外線灯やバスキングランプが必須。できれば直射日光で日光浴をさせる。
床材
本質的にはヤシガラ土など多少湿度を保持できる素材を厚めに敷くのがいいが、清潔さなどの点で問題もある
容器内レイアウト
幼体時はシェルターを設置する。水容器は大きめのものを設置する
餌
幼体時から果実や葉野菜などを食べるので、植物中心ので構わない
基本的な世話
オオトカゲ類の飼育に準ずる
- 幼体時は低温と乾燥に十分に注意する
【関連記事】