オオアナコンダの基本情報
撮影協力:札幌市円山動物園
学 名:Eunectes murinus別 名:単に「アナコンダ」と言えば本種を指す英 名:Green Anaconda分 布:南米のアマゾン川とオリノコ川流域全 長:平均5-6m 最大 9m
ビルマニシキヘビやアミメニシキヘビは知らなくともアナコンダは知っていると言うくらい大蛇の代名詞になっているヘビです。
大蛇の記録は現在は9.9mのアミメニシキヘビですが本種は学術上の記録は9mであり世界第2位です。しかし、昔から10mを越える情報が飛び交っていたり、あるいは極端な話になると50mなどという途方もない話もあります。ただし体が非常に太いので、少なくとも体重では世界最重量であることは間違いありません。
ちなみに「アナコンダ」という言葉は南米の言葉ではなくスリランカのシンハラ語またはタミール語で「象を殺すヘビ」を意味する言葉が由来していると言われています。
アマゾン川流域に生息していますが、グリーンアナコンダEunectes murinus murinus とジャイアントアナコンダEunectes murinus gigas の2亜種に分けることもあります。また本種よりも小型の別種であるキイロアナコンダEunectes notaeus も知られています。
背面は暗緑色地に黒色の円形スポットが散在しています。ただし、体側の斑紋は中央部がオレンジ色になっています。目は比較的前方に位置しており、特に背面に突出していて水中生活をして水面から目だけを出す行動をとるのに適応しています。目の後ろには黒色とオレンジ色のストライプが走っているのも特徴です。
熱帯雨林だけでなく比較的乾燥した草原や森林でも活動しますが、主に水生であり流れの緩やかな川の浅瀬などでよく見かけられるようです。夜行性ですが、昼間に木の枝などで日光浴をすることも多いようです。
食性は幅が広く魚類から爬虫類、鳥類、小動物などを食べていますが大きなものとしてはシカ、ワニも襲って食べることがあります。また同種で共食いを行うことも報告されています。なお、人間が襲われた記録はありますが殺されたり食べられたりした記録は正式にはありません。
繁殖期になると1匹のメスに対して複数のオスがからみついて団子状になる行動が知られています。メスは交尾後6ヶ月後に出産を行います。胎生で70-80cmの幼蛇を20-40匹(多い場合は100匹)産みます。
幼蛇の成長は早く、3-4年で性成熟します。その後の寿命不明ですが30年以上は生きると思われます。
なぜかときどき日本でも流通してしまうようなヘビですが、もちろん特定(危険)動物に指定されていますので、一般に飼育できるヘビではありません。性格も比較的荒く、神経質でヘビとしても飼育しやすい部類ではありません。力も強いため3mもあれば十分に人間を殺傷できる能力を持っています。
写真はヘボくて申し訳ありませんが、なんたって撮影した個体は4mです。近寄って撮影するのスゴク怖かったんですよ。マジで。
動物愛護法による「特定(危険)動物」に指定されており、飼育に際しては都道府県知事の許可が必要です。CITES(ワシントン条約)の付属書II類掲載種
赤っ恥をかかない程度の知識
- 世界最大級の大蛇
- 最長記録は9m
- 性格は比較的荒い
- 非常に水生が強い
- 飼育はしにくい
- 人間が食われてしまった正式な記録はない
- 別種のキイロアナコンダは小型(4m程度)
オオアナコンダの飼育方法
飼育容器サイズに合わせて衣装ケース・爬虫類専用ケースなどを使う。しかし最終的には部屋一つ分程度の大きさの飼育施設が必要特定動物に指定されているので、施行規則に則った飼育施設が必要です。
温度
低温に弱いため30℃前後に保温する。ホットスポットの設置などによってケージ内に温度の勾配を作る
照明
ホットスポットのみ
床材
新聞紙やクッキングペーパーで良い
容器内レイアウト
とぐろを巻いて全身が入る大きめの水容器を設置する。シェルターはあった方がよい
餌
大きさに合わせたマウス・ラット・ウサギ・ニワトリなどを使う。冷凍を解凍したものでよい
基本的な世話
- 絶対に脱走させない
- など
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