全国の両爬ファンの皆さん、コンニチハ!!

いやいや、またまたビッグニュースが舞い込んできましたね...
2008年7月2日...われらが爬虫類がまたやってくれました!!

ネットのニュースで、もうすっかりお馴染みと思いますが、私なりの速報と解説です!!
そう!「寿命が、わずか5ヶ月のカメレオン」のお話です!!

概要

この驚くべきニュースの概要をまず、説明させていただきましょう。
せっかく、英語の論文を読んだのですから。
パンサーカメレオン・マンガ
比較的近縁なパンサーカメレオン
画像提供:レオレオ・カメレオンファーム

アメリカのオクラホマ州立大学のKristopher B. Karsten氏らの研究チームがアメリカ科学アカデミー紀要電子版に発表した論文「A unique life history among tetrapods: An annual chameleon living mostly as an egg」によると、アフリカはカメレオンの聖地マダガスカル南部に生息するカメレオンの一種であるラボードカメレオンFurcifer labordi は、孵化後5ヶ月で寿命をむかえて死に至る、ということがわかったそうです。

孵化してから5ヶ月で寿命をむかえるというのは、地球上に3万種生息する四足動物の中でも、もっとも短い寿命であると考えられるようです。

もう少し詳しく

これだけでは、某ポータルサイトのニュースカテゴリーと同じですから、もうちょっと詳しく論文を読んでみましょう。

研究チームは現地でカメレオンの調査をしている時に、年間のカメレオンの個体数等を記録していたようです。
この時に、同所的に生息する近縁種のスパイニーカメレオンFurcifer verrucosus は、現地での雨季である11月上旬に孵化し、翌年4月まで急激な成長を遂げて、4月から10月いっぱいまでの乾季の間は夏眠を行い、その後11月に目覚めた後、繁殖行動に入るということがわかりました。これだけでも、たった1年で性成熟するわけですから、相当速い成長です。

ところが、問題のラボードカメレオンは11月上旬に孵化した後、なんと1日に2.6 mmも成長しながら2ヶ月後の1月上旬には繁殖行動に入ることがわかりました。
そして、驚くべきことに孵化してから4ヶ月後の3月には産卵を行い、乾季に入る4月にはすべての個体が死滅してしまうことがわかったのです。
また産み落とされた卵は乾季の間は休眠し、7-9ヶ月ほどで孵化に至ったそうです。

大きさで見てみると、スパイニーカメレオンは25mmほどの頭胴長で孵化し、およそ11ヶ月をかけて、繁殖可能なサイズである13cm程度に成長する、つまり孵化時期には親サイズの個体が同時に存在するのですが、ラボードカメレオンの方は20mmくらいで孵化した後、2ヶ月後の1月には繁殖可能なサイズである8cm程度に成長してしまうことがわかりました。そして、孵化時期の11月には親サイズどころか、1個体の若年個体も見つけることができなかったそうです。

また、4月の時点でフィールドで見られた多くのラボードカメレオンの死体は、すべて切断されたり、捕食者によって食われた形跡がなかったため老衰、つまり寿命で死んだと考えられるわけです。

いったい何なのか?

とにかく、理由はどうあれ、この5ヶ月という寿命はとてつもない短さです。
おそらく四足動物で、もっとも寿命が短いのは小型のネズミの仲間だと思われますが、それでも2年くらいは生きるわけです。

ネット上などを見ると、このニュースを見て「じゃセミはどうなるんだ?一週間の命じゃないか!」なんて言う人もいます。ってかセミは四足動物じゃねーし。
だいたい、セミが一週間の命、なんてのが間違っています。ご存じのようにセミはアブラゼミでも7年間は土の中で幼虫として生きていて、それが地上に出て成虫になったら一週間の命ということですから、7年と一週間は生きるわけです。

私も子どもの頃に、水生昆虫のカゲロウが「わずか数時間から数日の命」というのを見て、「なんて儚いんだ」などとも思ったわけですが、よく考えたら水中で1年以上、幼虫として生きているわけです。

今回のラボードカメレオンは、そういうのとは違います。卵から孵化してわずか5ヶ月しか生きていないわけです。これを短いと言わずして、何を短いというのか。
ただし、おそらく卵の中で孵化せずに乾季である夏をしのいでいる、つまり卵の中で生きている、と考えれば9ヶ月+5ヶ月で14ヶ月なんですが。
でも、それでも短いですよね!?

さて、一般の方は、これくらいの情報でいいでしょうか。

次は、ちょっと難しく、この異常とも言える生態にどんな意味があるのかを考えてみましょう。