メガネカイマンの基本情報
撮影協力:ヴァンパイア(於:九州レプタイルフェスタ)
学 名:Caiman crocodilus別 名:-英 名:Common caiman, Spectacled caiman, Tinga, Baba, Babilla分 布:中米と南米北部全 長:2.5m 最大3m
日本でも、昔から夜店などで売られていたこともあるらしい、もっともよく見かけるワニです。
以下の4ないし6亜種程度に分けられているようですが、最近はそれぞれを別種として扱うことも多いようです。
- スリナムメガネカイマンCaiman crocodilus crocodilus ・・・基亜種。コロンビア、ペルーおよびアマゾン川上流部
- アパポリスメガネカイマンC. c. apaporiensis ・・・コロンビア南西部のアパポリス川流域
- マグダレナメガネカイマンC. c. fuscus ・・・メキシコ南部からコロンビア北部
- パラグアイメガネカイマンC. c. yacare ・・・アルゼンチン北部、ボリビア南部、ブラジル南部、パラグアイ
- その他・・・C. c. paraguayensis とC. c. matogrossiensis も亜種とされる場合もある
写真の個体はおそらく、もっとも日本で流通する量が多い基亜種スリナムメガネカイマンと思われます。
名前の由来になっている両眼の間のメガネのような隆起が特徴と言われていますが、イマイチピンと来ないんですよね...幼体時は背面が黒みがかったオリーブ色の地色で黒いスポットやバンドが目立ちますが、成長すると他のワニのように全身が黒っぽくなっていきます。
分布域では低地の水環境周辺ならばあまり選り好みをしないようで、さまざまな環境で見られるようです。また温度と塩分に対する耐性も強いようです。また、あまりに環境が悪化すると土中で休眠をすることも知られています。食性は動物食性で、水環境周辺のさまざまな動物を食っています。
雌雄ともに生後4-7年で体長が全長が1.2-1.4m程度になると性成熟して繁殖を行えるようになります。乾季の終わりから雨季のはじめにかけて生殖腺が発達し、5月から8月にかけて交尾を行い7月から8月にかけて産卵を行います。
メスは植物を使って塚状の産卵床を作り、その中に14-40(平均22)個の卵を産みます。メス親は産卵床を守りますが、特にテグーによって巣の中の卵が食われることが多く産卵された卵の80%前後は食われてしまうそうです。卵の大きさは平均して63.8×40.7mmで、およそ90日前後で孵化します。孵化した幼体は全長20cm程度です。
分布域全体を通して種としては、ワニの中でも個体数が激減しているようなことはなく、絶滅の危機とまではいかないようです。ただし地域個体群のレベルとして見たり、亜種ごとに考えると皮革用とペット用に大量に捕獲され個体数が激減しているような地域も見られるようです。
国内でもペットとして非常に安価にそして大量に流通していますが、特別に小さかったりおとなしいというわけでもありませんので、安易な飼育は避けるべきです。
動物愛護法による「特定(危険)動物」に指定されており、飼育に際しては都道府県知事の許可が必要です。
CITES(ワシントン条約)の付属書II類掲載種
メガネカイマンの飼育方法
安易な飼育は勧められないので飼育情報は掲載しません※基本的な情報は「爬虫類・両生類800種図鑑(ピーシーズ)」および海外サイトを参考にしました。
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