ワニの魅力を知ろう

ワニの魅力を知ろう

全国の両爬ファンのみなさん、コンニチハ!

さて、禁断のペット両爬「ワニの魅力」の後編です。

今回は、ハッキリ言って単なる私の親バカ記事「ワニ自慢」です!
ワニとの生活を始めて、ようやく1年。ワニと生活するということがどんなに楽しくて、どんな苦労があるのか、そんなことを考えていただければと思います。
   

ワニとの出会いで魅力を知る

考えてみれば、私はもともとワニを飼育するなんてコトは、とんでもないことでスゴク反対していました。

しかし、こんな私がヨウスコウワニを飼い始めてしまうなんて。
原因は、すべて2002年のビバガNo.16のワニ特集です。
以前からヨウスコウワニの存在だけは知っていて、唯一「自然下で冬眠をするワニ」ということで国産種大好き人間の私は、「まあ、ワニを飼うとしたらヨウスコウワニだろう」程度の関心しかなかったわけです。

ところがこのビバガに出ていたヨウスコウワニの幼体の写真と解説に魅了されてしまったんです。
写真を見ると幼体はすごくキレイでかわいいし、「すべての条件をクリア」したならば「最高のワニ」であるとの説明で強い関心を持つようになりました。

そして、決定的だったのが危険動物飼育許可(前編)でのヨウスコウワニの実物との出会いでした。
やはり、本物との出会いというのは衝撃的です。

で、それからは何とか入手できないかと、探していたんですが、2006年についに飼育されていた方が手放す個体と巡り会えたわけです。
 

我が家に魅力いっぱいのワニが来た

もちろん、CITES I ですし、特定(危険)動物ですから迎え入れるには相応の準備が必要でした。
その経緯はコチラの記事を参考にしていただくとして、ついに我が家にヨウスコウワニが来てしまったわけです。

ただし、残念ながら一番かわいらしい手の平サイズの幼体ではなく、2年程度育った全長60cmほどの若い個体です。購入する前に見せてもらった写真を見ると、まだまだ明色部分が多くてキレイだし、一番カワイイ盛りはこのくらいの大きさだろうからいいんですけど。

さて、ワニは航空便で送られてきたので空港までとりに行きました。
厳重に梱包されて、最後は布袋の中にワニは入っていました。
家についてから、いよいよ梱包を解いてご対面です。

ふにゃ

袋から出されたワニは、期待通りの反応!
ごっついカワイイ!!
 

ワニの飼育環境

さて、大切なヨウスコウワニを飼育するのに、そして危険動物飼育の許可を得るためにどんな飼育設備、そしてどんな飼育環境だったのかを箇条書きでご紹介しましょう。
  • 飼育容器・・・幅120×奥行40×高さ60cm強化ガラス製水槽
  • フタ・・・バーベキューネットとスチール製アングル台のフレームを利用した自作
  • 照明・・・爬虫類用蛍光灯とホットスポット用の60Wレフ球をタイマーで自動点灯
  • 保温・・・11-3月まで観賞魚用のヒーターをサーモスタットで管理。設定は23℃
  • 濾過装置・・・観賞魚用の水中パワーフィルター(90cm水槽用)
  • 水深・・・15cm程度
  • インテリア・・・バスキング用とシェルターとして木製の台を設置。ツメが少しでも削れることを期待して、庭石用のタイルを沈めておく
と、こんな感じです。
もう、すっかり恒例となった激キタナイ飼育部屋...
我が家のワニセッティング
保温はちょっと不安ではある温度かもしれませんが、温帯性種なので基本は無加温で行けるのではないかと考えています。
また水深は浅いのですが、これは台の高さから考えると深すぎて台に登れないのではないかと考えたからです。ちなみに木製の台はホームセンターで組み上がっているのを買ってきたのですが、使い勝手はイマイチでした。
 

ワニに名前をつけちゃおう

さて、いよいよ水槽内にワニを収容しました。
まだ落ち着かないワニをジロジロと眺め続けるのは、あまり良くないのですがやはりじっくりと観察しちゃいます。

おっと、名前をつけなきゃ。
今まで、All Aboutで紹介するため以外には飼育している両爬に名前をつけたことはないのですが、今回だけは特別。なんたって正真正銘ペットとして飼うんだし、どうやらワニはかなり頭が良いらしいのでコミュニケーションをとれるかもしれないと考えたからです。
名前はコレで決まり。ワニと出会ったあの場所の名前です。

「今日からおまえの名前は『シャンハイ』だぞ」
キメ写真なんだから、コードくらいどけろ、と
シャンハイ
 

はじめてのワニへの給餌

数日が経過しても、まだシャンハイは落ち着かない様子。私が近づくと、バスキング用の台の下に頭だけを隠してしまいます。

それでも、ここでは餌が食えるんだという安心感を与えるために給餌に挑戦しました。
しかし先述したように、マウスは食わない個体、ということですので他の餌から餌付けてみることにしました。

ヨウスコウワニは野生では魚を追い回して食うというよりは、水底を歩き回って貝などを食うらしいので、ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)を与えてみることにしました。
近所のなるべくきれいな水田で爆発的に繁殖しているのをあらかじめ捕まえてきて、きれいな水でキープしておきましたので、それを与えてみます。

もちろん、最初から食うことは期待していませんでしたが、翌日見ると...

うわ、ジャンボタニシが卵産んじゃってるよ...キモ...

というわけで失敗。
次は、一緒に捕まえてきたアメリカザリガニを投入。
これもダメ。

しかし、さらに数日後、ちょっとした変化を発見しました。
水槽の底にタニシの割れた殻のようなモノが落ちています。
さらに数日後にはアメリカザリガニのハサミが落ちていて、本体はいなくなっています。コレでとりあえず、タニシとザリガニは食うことが判明。ちょっとホッとします。

次は、冷凍したジャンボタニシを投入。
これもクリア!!
 

ワニがジャンプ! 

さて、1か月ほどはタニシを与え続けるとシャンハイも安心したのか日中は台の上でバスキングしたりする姿も見られるようになりました。

タニシばかりじゃなんなので、次の餌は、飼育者である私も近頃とんと縁がない甘エビの殻付き。
まずは、これをそのまま水にボチャン。
実は、これまで餌を食う姿を見たことがないので隣の部屋に行って柱の陰から様子を窺います。
私がいないことを確認したシャンハイは、そーっと台の下から出てきてエビをばくッッ!
おおー、感動。

エビは冷凍してありますので、もちろん解凍しなくてはいけません。
水槽の上にホットスポット用のランプがありますので、冷凍エビをお椀の中に入れランプの近くに置いてこぼれる熱で解凍します。

ところがある日、いつものように解凍していると...
ガシャン!!!
なんと、シャンハイが台の上からフタの上に置いてあるエビの入ったお椀にジャンプをしてアタックしたのです!
これはもしかして...

これほどアグレッシブならばピンセットから食うかも!と思って、意を決してエビを竹ピンではさんでフタの隙間から差し入れてみると...
ジャンプ一番!水族館のイルカさながらのジャンプでシャンハイはエビをゲットしたのでした!

これを機に、シャンハイは豹変しました。
私が水槽の前を通りかかるたびにジャンプです。手を入れようとしても餌だと思うのかジャンプ。
ヨウスコウワニっておとなしいんじゃないの????つーか、怖ぇ...

どうやら、別に怒って攻撃してきたり噛みついてきたり、ということはないのですが、餌を食うときはかなりアグレッシブです。気が荒いのとは違います。満腹の時はおとなしいですから。

とにかく、このアグレッシブさがよかったのか、結局解凍マウスも簡単に食うようになりました。今では冷凍のアダルトマウスは呑み込んでしまいます。
何にしても、一番心配だった餌の件はコレで解決。今では、ハッキリ言って何でも食います。

ただ、あまり与えすぎても太ったり、すぐに大きくなってしまいますから週に1匹のマウスでガマンしてもらっています。
 

ハンドリング

最初の頃は、向こうもビビっていたからか持つことは簡単だったのですが、このジャンプを見てからはハッキリ言ってハンドリングは、私がちょっとビビるようになりました。

とにかく、フタを開けたときに「餌じゃない」と教えなくてはいけません。
実は、この頃には私らしくもなく「話しかける」ようになってました。
いや、だから餌じゃねーって!!」とか「大丈夫、大丈夫。怖がるなよー」とか。
俺、キモっ!
 
革手袋なんかしてビビっているヘタレです
ワニの持ち方

で、現実にはホウキの柄などで軽く御してやると飛びかかろうとするのをやめるようになりましたので、そうなったらおもむろに手で首をつかんで暴れ出す前に尾の付け根も逆の手でつかみます。
首にやった手はそのまま腹側に持っていき下顎から喉を保定。尾は腕の上に乗せて、手で腹全体を支えます。
こうなるとこちらにされるがままになっておとなしくしています。

ちなみに、こうやって片手で保定しながら濡れたタオルを使って体を洗う、などとと言う、他の両爬に対しては絶対にしないようなこともしてあげてます。
いや、私は裸にはなりませんけどね。

まだまだあまり私がハンドリングしませんので緊張は解けていませんが、今後は私の腕に慣らして、だっこできるくらいにはしたいと考えています。
 

ワニとのコミュニケーション?

シャンハイも完全に飼育環境に慣れてきたのか、どちらかというと水の中にいるよりも、台の上に乗っている時間の方が長くなってきたような感じです。
うちに来た当初は台の下に隠れてばかりだったのに、秋くらいには私が水槽の前を通るたびにジャンプをするようになりました。

しかし、次第にジャンプしても餌にありつけないことがわかったのか、少しおとなしくなりました。ところが、今度は私の姿を見るたびに吻端で水槽の壁を「コツコツッ」と叩くようになりました。
どうやら「餌くれ」の合図のようです。

そして、ついにシャンハイはコツコツだけで飽きたらずに「クウっ...」と鳴くようになりました!

これにはさすがの私もたまりません。
だって、今まで鳴く爬虫類は飼っていませんから。ワニは鳴き声でコミュニケーションをとることができる動物ですから、鳴くのは当然なんですが。

今では、私も水槽の前に座ってマネして「くうっ
俺、キモっ!!
 

冬到来

さて10月の半ばくらいまで来ると、さすがに宮崎でも温度が下がってきます。
シャンハイもだんだんと餌の食う量が減ってきました。いよいよ冬の準備です。

温帯性動物の冬眠推進派の私なので、できれば冬眠させたいのですが、さすがにワニの冬眠に関しては情報不足です。頭の中にいろいろシミュレーションはしたのですが、最初の冬は準備と情報不足で断念です。

ヒーターとサーモスタットで保温をすることにしました。
温度は低めで23℃にします。
ところが数日後からシャンハイは不活発になってきました。
おかしいと思いながら二週間。水温を見てビックリ!ほとんど気温と同じ13℃!!
なんとヒーター設置直後に、シャンハイがヒーターにアタックして引っ張ったはずみにサーモスタットの検温部が水中から出てしまっていて、あっという間にヒーターが焼き切れてしまっていたようなのでした。

ワニがヒーターを攻撃したりするのはわかっていましたが、壊される対策としてヒーターカバーをつけたことだけで安心してしまっていたのです。
急遽、新しいヒーターを購入して徐々に水温を上げていきました。
幸い大事には至りませんでしたが、ヤバかったです。かつては一応、私も観賞魚の人だったので、こういうヒーター事故に関する知識はあったのですが。

ただ、これが原因なのか、それから一切シャンハイはヒーターに興味を示さなくなりヒーターへの攻撃はしなくなりました。もちろん油断は禁物ですが。
 

ショック画像

そんなある日、某超大型ポータルサイトの写真ニュースでショッキングな画像を見てしまいました。

それは「中国でワニ料理が人気」みたいな記事です。
なんとそこには大きな皿の上にヨウスコウワニの頭部がそのまま乗っかっている写真が掲載されていたのでした。

もちろん中国の南部ではワニは食材ですし、絶滅の危機に瀕するヨウスコウワニの養殖技術が確立したのも食用の側面が強いということはわかっています。ワニを食する文化は異なる文化を持つ私たちからでも尊重されるべきこともわかっています。

ただ、やはりショックは否定できません。
うちのシャンハイも、正直どういう経緯で流通したのかはわかりませんが、中国の養殖場生まれで本来は食材になってしまってもおかしくない運命だったわけです。
なんの巡り合わせか、少なくとも食用になることはなく、狭いながらも餌を食べてのんびりできる生活を手に入れることができたワニです。

そんなことを考えると、やはり私も人の子。
今では、そんなシャンハイを他の食材になっていくワニの分まで幸せにしてやろうと考えています。

というわけで1年が経ちましたが、まだまだ私もワニ飼育の文字通りの1年生。魅力を感じるよりもバタバタしただけの1年でした。

それでも、やはり明らかに今までの両爬とは異なる存在感であることだけは実感しています。これからもたくさんの思い出をシャンハイは私に作ってくるのでしょう。
うまくすれば、私よりも長生きをするでしょうから。

なんて、書いているこの瞬間にも、ワニ部屋から聞こえる「コンコンコン...」

って、昨日マウス食ったじゃねーかっっっ!!!
赤目防止機能はワニでも効果があるのだろうか...???
シャンハイさん、ご尊顔


<参考サイト>
ぽーの発見

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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。