爬虫類・両生類/カメ・リクガメ・水生ガメの飼い方

リクガメ後編 リクガメ飼ってみました(3ページ目)

なんと2年半ぶりに、ついに登場!「はじめてのリクガメ飼育」の後編です。今回は、ある事情からあの星野がリクガメと生活を共にした記録です!

執筆者:星野 一三雄

初めての温浴

飼い主である教え子は「短い間だから温浴はしなくても良いですよ」と言ってくれたのですが、せっかくのチャンスですから、私もリクガメ飼育に必要と言われたり不要といわれたりする「温浴」に挑戦しました。
温浴させないと「お通じ」が悪くなるって話だし、結石でもできたら大変だから。

夕方に、ツールボックスを使って温浴をすることにしました。
念のためネットで「温浴」に関する情報を念のため収集します。
なになに...
・時間は10-20分程度
・水温は35-40℃程度
・溺れない深さ
・糞をしたら水をとりかえる
・温浴中は目を離さない
・ついでに甲羅を洗ってあげる
・最後はきちんと水気をふいて
...と。
さて、準備おっけー!気持ちよくしてあげるぞ!!

...って、おい!!飼育スペース内がクソだらけじゃねーかよっっっ!!!!温浴しなくても「お通じ」いーよ、こいつら!!!
ま、健康な証拠か。糞の状態もいいし。

気を取り直して、温浴、温浴と。
ほーら気持ちいいだろー...って、大暴れじゃねーかよ!!温浴嫌いなのか、おまえたちは!?
マジで殴ってやろうかと思った3回目の脱糞
温浴中に排泄された糞
しかし、暴れまわってはいても気持ちいいのか、次々に排泄をします。真っ白い尿酸が出てきたと思ったら、まあ立派な糞を...
さーて、じゃ糞をたくさんしたみたいだから、水をとりかえてあげようかね。
新しいぬるま湯をくんできて、再び浸します。

さ、きれいな水を飲んでくれ...って、おい!!まだクソすんのかよ!!!

この温浴を日々続けているリクガメ飼育者の方々に、心より尊敬の念を。

クローバーあげよう!

実は以前からリクガメ飼育をしたら絶対にやってみたいこと、というかがあったんです。
それはリクガメにクローバーを与えることです。
なんだかリクガメとクローバーって組み合わせが実に平和的で、良い雰囲気だから。

飼い始めて3日目に、もらったチンゲンサイがなくなってしまったので(一部は我が家のイエコとジャイミルとデュビアにお裾分けしたんですが)夢を実現することにしました。
クローバーは近所の川の土手にいーーーーーっぱいありますから、そんな活きが良くてみずみずしい新鮮なクローバーをたくさんホルスに食べてもらいます。

最近は職場とアパートと行ったり来たりで、外に出ませんし、仮に外に出るとしてもフィールディングで遠くに行きます。ですから夏の真っ昼間に近所に出るのも実に久しぶりです。セミはガンガン鳴いていますし、本当に暑い。しかしホルスたちにおいしいクローバーをたくさん食べてもらうためには、これくらいの暑さなんて。
と、土手に到着すると...って、おい!!クローバー全然ねーじゃん!!

あまり植物に詳しくないのですが、どうやらクローバーって真夏は少ないみたいです。春から初夏にかけてはあんなにたくさん生えていたクローバーが、すっかり無くなっていました。
それでも、なんとか少しだけでも見つけたので、むしり取っていきますが、初夏と違って他の草が間に生えていてクローバーだけを刈り取っていくのは至難の業。考えていた時間の3倍の時間をかけて、ようやく袋一杯のクローバーを集めました。
この暑さでは、あっという間にしおれてしまうはずですから、すぐにアパートに戻ります。
風呂場でよく洗って汚れを落として、さあさ、お待ちかね!!ホルスたちー、ごちそうだよー!!
...って、おい!!見向きもしないのー!!!???
明らかにチンゲンサイとは異なる反応。全然、食べない!!...がっくし...
あとから傷心のまま覗き込むと、ほとんど無くなっていたので結局食べたみたいですが、きっと嫌な顔して食べていたんだろーなー...

スーパーに行ってチンゲンサイ買ってきました。

...高ぇーよ、チンゲンサイ。

お別れ

そんなある日、飼い主の教え子からメールが入りました。
「今から迎えに行きます。」
ああ、そうか。今日アメリカから帰って来るって言っていたもんな。

最後の温浴は、いつもより念入りに3回水をとりかえます。さらに、いつもよりも念入りに甲羅もキレイに洗ってあげました。
なんだかツメと嘴が伸びているみたいだから、飼い主に言っておくからちょっと切ってもらえよ。ケヅメみたいに死んじゃわないで、いつまでもかわいがってもらえな。
あ、またアメリカ行くって言われた時は俺んとこに来ていいからな。

こうして、私の初めてのリクガメとの生活は10日という短い間でしたが、無事に幕を閉じました。

屋外飼育でしたので、屋内飼育の大変さは理解や体験できませんでしたし、幸いにも事故や病気の経験もしませんでした。保温や湿度維持に気を遣う冬の飼育も経験できませんでした。
ですから、リクガメ飼育の本当の苦労や楽しみには到底及ばない経験です。
しかし彼らのかわいらしさ、そしてリクガメ飼育の魅力の一端に、少しだけ触れることができました。

おそらく私にはリクガメ飼育は向いていないと思います。ですからきっとこれからもリクガメを購入して、飼育することはないでしょう。
でも、前よりはちょっとだけリクガメとの距離が縮まったと思います。また、こんな機会があればな、とも正直思いました。

いつか、そんな日が来るまでカラーボックスはしまっておきましょう。

そんなことを、干からびたチンゲンサイの白い部分だけが散乱している空っぽのカラーボックスを見て考えていました。
もう一回くらいこういう風景を見てみるのもいいかも我が家で生活した二頭のホルス

<おすすめINDEX>
初めての○○飼育
リクガメの飼育法
リクガメのコミュニティサイト

<ガイド記事>
初めてのリクガメ飼育 前編
初めてのリクガメ飼育 中編
両爬オンライン図鑑 Terra Herps.「リクガメ」
ホルスフィールドリクガメ(ロシアリクガメ)
ケヅメリクガメ
リカという名のホウシャガメ
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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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