全国の初級両爬飼育者のみなさんコンニチハ!!
8ヶ月ぶりの「初めての○○飼育」第6弾の2回目、「初めてのリクガメ飼育・中編」です。前編では、私・星野のリクガメ飼育に対する考え方をグチグチと語らせていただきましたが、今回はお待ちかねの「初めてのリクガメ飼育に適した種類の選定」とその飼育法であります。

初めてのリクガメ

初めてのリクガメはどんな種類がいいでしょう?
このシリーズを始めるときにも書いたのですが「初めての○○飼育」ですすめられる種の条件は
・飼育環境に順応しやすい
・丈夫
・入手しやすい
・飼育に関する情報が多い
であります。さらにリクガメの場合は、以下の条件も挙げておきたいと思います。

・できるだけCBあるいは正規輸入個体が多い種
認めなくてはいけないと言っても、やはり道義的に考えれば最初だからこそこういう意識は持っていって欲しいです。両爬の世界に入り立ての初級者が、したり顔で達観したように「両爬の飼育は密輸が当然なんだからしょうがないじゃん」みたいにしちゃいけませんよ。正義を貫きましょう。

・大きくならない
とにかく大きくなったリクガメは、移動するだけでも一人ではできないほどです。ま、将来どうしても甲羅の上に乗っかって遊びたい、と言うのなら話は別ですが...とにかく大きくなる種類を選ぶときは覚悟をしましょう。

おすすめは...

と言うわけで「初めてのリクガメ」におすすめなのは、ありきたりで申し訳ないのですが、やはりヘルマンリクガメヨツユビリクガメと言うことで、リクガメ愛好家のみなさんも異論はないと思います。ただ、ちょっと別の意味でインドホシガメも候補に挙げておきたいと思います。

ヘルマンリクガメTestudo hermanni
ヒガシヘルマンリクガメ
ヘルマンリクガメ(写真:欧州産両生類・爬虫類Web図鑑

何といっても、CB個体が主流に出回っているという点では、他のリクガメの追随を許しません。もちろんCBはその分、高価になりますが生涯をともにできるパートナーと考えれば、そんな出費はへっちゃらでしょう。
CB化が進んでいるということは、それだけ飼育に適していると言えますし、何より飼育情報が豊富です。
分布がヨーロッパの地中海沿岸と言うことで、他のリクガメから比べれば温度の適応範囲も広いようです。最大甲長も35cmほどで大きすぎず、小さすぎず、いい意味での中途半端な大きさのカメと言えるでしょう。ただし、その物怖じしない性格からか、落ち着きのない個体が多いというのも特徴のようです。

ヨツユビリクガメ(ホルスフィールドリクガメ・ロシアガメ)Testudo horsfieldii
ヨツユビリクガメ
ヨツユビリクガメ(ホルスフィールドリクガメ・ロシアリクガメ)

CB個体が非常に少ない、状態の悪い個体が多いという2点でヘルマンに負けますが、「安いからと言って、絶対に手抜きをせずに真剣に、大切に飼育するぞ」という意気込みがあるという前提で、価格が安いため初級者が最も手にしやすいカメと言えます。
分布が中央アジアですので、ヘルマン以上に低温に強く、温度の適応範囲が広く、甲長が22cm程度ですから日本での飼育に最も適したリクガメと言えます。
ただし穴を掘るのがとても上手なので、屋外飼育の際には脱走されない工夫が必要にです。
私もうんざりするくらい、ホルスの穴掘り大脱走の失敗談は聞いていますので。

インドホシガメGeochelone elegans
インドホシガメ
インドホシガメ(撮影協力:宮崎ペット

なぜホシガメ!?と思われるでしょう。私も最初はそう思いました。
密輸によって大量に流通しているにもかかわらず、状態が悪い個体が多く、飼育も決して簡単とは言えない本種を初級者向けにすすめていいのか?と。
でも逆に言うと、正しい知識を持った初級者だからこそできる世話、情熱の傾け方もあると思うのです。
密輸で、劣悪な状態で輸送・ストックされ状態が悪くなってしまったホシガメたちが大量に、そして不当に安価に流通してしまい、飼育初級者が衝動買いしてしまっているのは事実です。そんな初級者に正しい知識と愛情を注ぐ心構えを教えていくことはベテラン飼育者の方にしかできないことです。そういう意味で「特別な」初級者向けのリクガメなのかもしれません。
あ、でもそれで今以上に人気が出て、密輸に拍車がかかるのもいかんなー。難しい...

それでは、次はそんなリクガメ飼育を楽しむために私たちがしなくてはならないことをお話ししましょう。