リクガメをペットに! おすすめのリクガメと飼育方法とは

リクガメをペットに! おすすめのリクガメと飼育方法とは

リクガメをペットに! おすすめのリクガメと飼育方法とは

全国の初級両爬飼育者のみなさんコンニチハ!!
今回は「初めてのリクガメ飼育に適した種類の選定」とその飼育法であります。
   

初めてのリクガメ

初めてのリクガメはどんな種類がいいでしょう?
このシリーズを始めるときにも書いたのですが「初めての○○飼育」ですすめられる種の条件は
・飼育環境に順応しやすい
・丈夫
・入手しやすい
・飼育に関する情報が多い
であります。さらにリクガメの場合は、以下の条件も挙げておきたいと思います。

・できるだけCBあるいは正規輸入個体が多い種
認めなくてはいけないと言っても、やはり道義的に考えれば最初だからこそこういう意識は持っていって欲しいです。両爬の世界に入り立ての初級者が、したり顔で達観したように「両爬の飼育は密輸が当然なんだからしょうがないじゃん」みたいにしちゃいけませんよ。正義を貫きましょう。

・大きくならない
とにかく大きくなったリクガメは、移動するだけでも一人ではできないほどです。ま、将来どうしても甲羅の上に乗っかって遊びたい、と言うのなら話は別ですが...とにかく大きくなる種類を選ぶときは覚悟をしましょう。
 

おすすめリクガメは?

と言うわけで「初めてのリクガメ」におすすめなのは、ありきたりで申し訳ないのですが、やはりヘルマンリクガメヨツユビリクガメと言うことで、リクガメ愛好家のみなさんも異論はないと思います。ただ、ちょっと別の意味でインドホシガメも候補に挙げておきたいと思います。

ヘルマンリクガメTestudo hermanni
ヒガシヘルマンリクガメ
ヘルマンリクガメ(写真:欧州産両生類・爬虫類Web図鑑

何といっても、CB個体が主流に出回っているという点では、他のリクガメの追随を許しません。もちろんCBはその分、高価になりますが生涯をともにできるパートナーと考えれば、そんな出費はへっちゃらでしょう。
CB化が進んでいるということは、それだけ飼育に適していると言えますし、何より飼育情報が豊富です。
分布がヨーロッパの地中海沿岸と言うことで、他のリクガメから比べれば温度の適応範囲も広いようです。最大甲長も35cmほどで大きすぎず、小さすぎず、いい意味での中途半端な大きさのカメと言えるでしょう。ただし、その物怖じしない性格からか、落ち着きのない個体が多いというのも特徴のようです。

ヨツユビリクガメ(ホルスフィールドリクガメ・ロシアガメ)Testudo horsfieldii
ヨツユビリクガメ
ヨツユビリクガメ(ホルスフィールドリクガメ・ロシアリクガメ)

CB個体が非常に少ない、状態の悪い個体が多いという2点でヘルマンに負けますが、「安いからと言って、絶対に手抜きをせずに真剣に、大切に飼育するぞ」という意気込みがあるという前提で、価格が安いため初級者が最も手にしやすいカメと言えます。
分布が中央アジアですので、ヘルマン以上に低温に強く、温度の適応範囲が広く、甲長が22cm程度ですから日本での飼育に最も適したリクガメと言えます。
ただし穴を掘るのがとても上手なので、屋外飼育の際には脱走されない工夫が必要にです。
私もうんざりするくらい、ホルスの穴掘り大脱走の失敗談は聞いていますので。

インドホシガメGeochelone elegans
インドホシガメ
インドホシガメ(撮影協力:宮崎ペット)

なぜホシガメ!?と思われるでしょう。私も最初はそう思いました。
密輸によって大量に流通しているにもかかわらず、状態が悪い個体が多く、飼育も決して簡単とは言えない本種を初級者向けにすすめていいのか?と。
でも逆に言うと、正しい知識を持った初級者だからこそできる世話、情熱の傾け方もあると思うのです。
密輸で、劣悪な状態で輸送・ストックされ状態が悪くなってしまったホシガメたちが大量に、そして不当に安価に流通してしまい、飼育初級者が衝動買いしてしまっているのは事実です。そんな初級者に正しい知識と愛情を注ぐ心構えを教えていくことはベテラン飼育者の方にしかできないことです。そういう意味で「特別な」初級者向けのリクガメなのかもしれません。
あ、でもそれで今以上に人気が出て、密輸に拍車がかかるのもいかんなー。難しい...

それでは、次はそんなリクガメ飼育を楽しむために私たちがしなくてはならないことをお話ししましょう。
 

リクガメの飼育

みなさんの大切な、初めてのリクガメ飼育が不幸な結果に終わらないように、まず先にお断りをさせていただきます。
私は、未だにリクガメを飼育したことがありませんし、今後も飼育することがあるかはわかりません。そんな私ですから、リクガメの飼育方法に関しては完全な初心者であり、素人です。
ですから、全く飼育に関して何も知らない方が飼育を始めるのに必要最低限の情報を書くことはできますが、詳しい飼育に関しては飼育書や、後で私が紹介するネット上のリクガメ飼育サイトを、必ず利用して下さい。もちろんショップでしっかりと相談するのも当然ですが。

と言うわけで、ごく簡単にリクガメ飼育の方法をご紹介しましょう。

・ケージ
リクガメは運動量が多いので、まず床面積が広いことが最優先されます。また通気性はリクガメ飼育のポイントとも言えます。
目安として、幼体のサイズならば60cm水槽、大きくなったら90cmや120cmの水槽を考えることになります。
安価にすませたいのならば、劣化による消耗を前提として衣装ケースやトロ箱は向いていると言えるでしょう。何といっても軽量なのでメンテナンスが楽なのが魅力です。
ベランダで飼う
ベランダでの飼育例
もちろん大きくなったら自作ケージや屋内外での放し飼いも選択肢になります。
脱走できない高さであり、他の生き物や子供さんがいたずらをしない環境ならば蓋は必要ありません。もしも必要ならば通気性を確保するためにバーベキューネットのようなものがいいでしょう。
 
飼育設備
一般的な飼育設備のイメージ(ここでは水容器は常設していません)(写真:おのやす寝具店)

・床材
どんな素材も長所と短所があるようなので「コレ!」と言えません。乾燥環境になりますので、ほこりっぽいものはダメでしょう。また、餌を食べるときに、一緒に食べてしまうでしょうから、食べても大丈夫なものがいいでしょう。さらに取り替えるときの利便さも考える必要があるでしょうし、あまり高価なものも続きません。サイトや飼育書を参考にして下さい。

・照明
紫外線が不可欠な生き物ですから、気を遣うところです。意見が分かれるところですが、仮に屋内飼育で紫外線の供給を照明器具から頼るとすれば、十分な光量のものを準備します。初級者の方は、まず両爬と紫外線の関係くらいは学んだ上で選びます。
紫外線が多い照明器具は、ケージ内の温度上昇のリスクもあることを覚えておきましょう。
また彼らが紫外線の量をコントロールするための隠れ家(シェルター)も必ず設置します。

・保温
これも人それぞれ、飼育スタイルによる違いはあります。
基本は
(1)空間部分を保温・・・飼育部屋全体の暖房、ナイトランプ、赤外線ランプ

(2)床の半分を保温・・・テープヒーター、パネルヒーター

(3)ホットスポットで高温部を作る・・・レフ球、メタルハライドランプ(紫外線も兼ねる)

といったところでしょうか。
夜間は空間部分の保温のみで20℃ほどに保ち、昼はホットスポットの真下辺りで35℃くらいにすると良いようです。これを必ずサーモスタットを使って一定に保てるようにします。また、照明器具とホットスポットはタイマーを使ってスイッチのオンオフを行います。
タイマースイッチ
タイマーの使用例

・湿度と水の管理
リクガメ飼育の最大のポイントであるはずなんですが、これまた飼育者によってさまざまのようです。基本的には
(1)湿度計は必須
(2)夏の多湿には換気で対応
(3)冬の乾燥には加湿器、霧吹きで対応
(4)水分補給の基本は餌から
(5)水容器はひっくり返されない工夫が必要
で管理すればよいようです。
よく議論の対象になるのが「温浴の必要性」です。
毎日行っている方もいれば、ほとんどしたことがないという方までいろいろです。
しなくても長年飼育をされている方もいらっしゃいますので、必須ではないのかもしれません。逆に、頻繁に温浴をしたから調子が悪くなったという話も聞きません。リクガメ飼育未経験の私は意見を控えさせて頂きます。

・餌
今回のおすすめした種類は完全植物食ですので、餌は野菜や野草になります。
基本は「低タンパク・低脂肪」「高水分・高繊維質」です。リクガメフードは嗜好性が高いようですが、主食にするには栄養が豊富すぎるようです。
給餌頻度は毎日が基本です。

・世話
日常の世話は「給餌」「給水」「排泄物の除去」「個体観察」あたりは、他の両爬と同じですが、その他にやった方がよさそうなのは
(1)体重測定
(2)ツメの長さのチェック
(3)腹甲のチェック
あたりでしょうか。
カメは見た目で痩せているとか、太っているとかがわかりにくいので「体重」を測定することによって健康状態のチェックになります。
爪は伸びすぎていると折れたりしてケガをします。
腹甲には排泄物がくっついたりして不衛生になることがありますので、注意が必要になります。

リクガメは特に飼育者に似ると言われます。あまり神経質に世話をすると、神経質なリクガメになってしまうことが多いようです。過度の干渉を避け、冷静かつ客観的に観察をしながら世話をしましょう。
 

個体選びと導入直後

初級者のリクガメ飼育の成功の可否は、個体選びと導入直後の立ち上げにかかっていると言っても過言ではないでしょう。
購入時に注目したい点は
(1)餌を食べているか
(2)体を持ち上げて歩いているか
(3)体重が軽くないか
あたりと言えます。ショップの方だって変な個体を持って帰らせたくないはずですから、選ぶために持たせてもらえるように頼んでみましょう。ただし、もちろんショップにしてみれば大切な商品なのですから、それをきちんと理解して丁寧に扱ったり、お礼の一言を忘れないようにするのもマナーです。

もちろん購入する前から飼育施設の準備はしておいて、ホットスポット下の温度やタイマーの機能などのチェックはしておきましょう。
いよいよ個体を持ち帰ってからは、とにかく落ち着かせて、体力を回復させます。特に子ガメの場合は
(1)温度と湿度をやや高めに保つ
(2)シェルターを必ず設置する
(3)数日間は放っておく。できれば外から見えないような工夫(蒸れないように注意)をする
などを行い、ようやくうちに来てくれたかわいいリクガメと遊びたい気持ちをぐっと堪えて、一日でも早くケージに慣れてもらいましょう。

と言うわけで、簡単にリクガメ飼育の基礎の基礎を書きましたが、とにかく多くの先達が、かわいいリクガメたちを健康に育てていくために蓄えたノウハウは、こんな記事くらいでは書き切れません。
もう一度、力説させて下さい。
とにかくリクガメ飼育を始めようとする方は、必ず飼育書やリクガメ飼育サイト、ショップの方への相談を実行して下さい。
以下に、おすすめのサイトをリンクしておきますので、必ず熟読して下さい。

<参考(と言うか必ずご覧下さい)サイト>
TORTOISE LAND
トータス・ガーデン

AAJガイドおすすめリンク集
リクガメのページ
リクガメの飼育

【関連記事】

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。