爬虫類・両生類/フィールドワーク

十月 最終回 南西諸島のフィールディング(3ページ目)

「今月のフィールディング」もオフシーズン突入でネタ切れであります。最後は、思い切って番外編です!ズバリ、南西諸島です!しかも今回はクイズ付きです!

執筆者:星野 一三雄

5.宮古諸島・・・南西諸島でもっとも異色の島です。もっとも人によって好き嫌いが分かれる島と言ってもいいでしょう。
島の成り立ちが原因なのかもしれませんが、何をとっても他の島と違うのが宮古の特徴です。ミヤコヒキガエル、ミヤコカナヘビ、ミヤコトカゲ、ヒメヘビなどの固有種や「宮古モルフ」のサキシマバイカダ、サキシママダラ、サキシマスベトカゲあたりが見どころでしょう。そして宮古に行った人は必ず、島の環境が両爬たちにとっていい方向には行っていないことを考えることができると思います。
実はヤモリが多いのも宮古の楽しみであります。

これも簡単ですね
Q5.これはどこの島でしょう?
6.八重山諸島・・・ヘビが見たければ聖地・西表に行くのがてっとり早いでしょう。一ヶ月くらい行っていれば四大珍蛇(サキシマバイカダ・イワサキセダカヘビ・イワサキワモンベニヘビ・ヤエヤマタカチホあるいはサキシマアオヘビ)に会えるかも。珍蛇に会えなくてもサキシママダラとサキシマハブがきっと出迎えてくれます。またキシノウエトカゲの大きさに仰天することは間違いありません。

それとぜひ八重山で見て欲しいのが三種類のカエルです。
ひとつは帰化種オオヒキガエルです。とにかく多い...駆除の必要を感じてしまいます。
それとサキシマヌマガエル。どうしてこの前まで本土のヌマガエルと同種だったのか、と思うくらい「でかい」です。
そして最後は日本唯一のエッグフィーダー・アイフィンガーガエルです。その生態を観察できるのもいいのですが、何より夜の森に響くあの美しい声は八重山の魅力のひとつであります。
与那国島はとてもいい島です。とにかくヨナグニシュウダを見たいところですが、そう簡単には見られません。ヨナグニシュウダの真の魅力を知りたい方は行ってみましょう。

7.その他の島々・・・大東諸島はあまりにもマニアックです。オガサワラヤモリのさまざまなクローンが見られるのはココだけなのですから。
尖閣は両爬的には中国や台湾です。チュウゴクシュウダやアオスジトカゲ、アカマダラなのですから。そもそも行けませんし。

あとはすべての島々で共通の見どころはリュウキュウカジカガエルブラーミニメクラヘビです。雨が降ればそこかしこに小さなリュウキュウカジカが跳ねていますが、よく見ると一匹ずつ斑紋や色が異なるのですから楽しいです。乾いた場所の石をはぐれば脊椎動物とは思えないメクラヘビが出てきます。こんなのを見るだけでも南西諸島を楽しんだと言えるでしょう。

久々の苦言

最近は、ショップなどでも南西諸島の生き物を売るようになってきました。
天然記念物などでなければ、それを否定する気持ちはありませんが、とにかく一度、自分の足で行って、自分の目で見て、自分の肌で感じてみて下さい。
これはちょっと難しいかな?
Q6.このハブはどこの島のハブでしょう?

私は、個人で行って乱獲モードになることは仕方のないことだと思います。行くだけでもとんでもなくお金がかかるのですから。
そうやって、たくさん捕まえて持って帰ってきては殺し、乱獲しては殺しをするうちに、自分のキャパシティとか、自分の飼育スタイルの向き不向きとか、自分の嗜好とかに気づいていくのだと思っています。私がそうだったように。

でも、売るために乱獲モードになったり、飼育できるかどうかわからない種類が売られたりするのは反対です。私たちが客になってしまえば、需要があると思われて、さらに乱獲されたり、愛情や思い入れがないまま消費的に採集や流通されてしまうでしょうから。



ドラマでおなじみかな?
Q7.これはどこの島でしょう?
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