爬虫類・両生類/フィールドワーク

十月 最終回 南西諸島のフィールディング(2ページ目)

「今月のフィールディング」もオフシーズン突入でネタ切れであります。最後は、思い切って番外編です!ズバリ、南西諸島です!しかも今回はクイズ付きです!

執筆者:星野 一三雄

各島の見どころ

本当は一つひとつの島で5回連載くらいの魅力があるのですが、駆け足で両爬の見どころをご紹介しましょう。

1.大隅諸島・・・基本的に本土と同じ両爬相ですので、世界遺産で有名で、エコっぽいわりには両爬的にはあまり見どころはないです。ヤクザルとかヤクジカとかの大型哺乳類は見やすいですが。
屋久島ではヤクヤモリが有名ですが、通はヤクシマタゴガエルを探してみましょう。さらにニホンヒキガエルが年中産卵しているのも興味深いです。ただし、九州最高峰の宮之浦岳がありますので、景色はバツグンです。お隣の種子島は両爬的にはパスです。

2.トカラ列島・・・覚えておきたいのは悪石島と小宝島の間に「トカラ構造線」という目に見えない生物地理的な境界があることです。つまり悪石島よりも北では本土の生物相に近く、小宝島よりも南ではいわゆる南西諸島っぽい生物相であります。ですから、極端に言うと悪石島よりも北は両爬的には面白くない、と。
肝心な場所が写っていないですね
Q3.これはどこの島のトカゲモドキでしょう?

小宝島は本当に離島中の離島。自販機もなければ店もありません。人口も50人ほどですが、温泉がわいているのがイイ。コダカラヤモリを見たければここです。
宝島はハート形の島です。タカラヤモリトカラハブが見られます。特にトカラハブは3タイプ見られたら超ラッキー。

3.奄美諸島・・・基本的に沖縄本島に似ています。微妙に沖縄本島と違う両生類を見るのが楽しみ。実はホオグロヤモリは少なくオンナダケヤモリと幻のヤモリ・タシロヤモリを見たいならココ。美毒蛇ヒャンはなかなか見られません。
徳之島は何と言ってもオビトカゲモドキでしょう。天然記念物なので捕まえることはできませんが、島に行けば、なぜ天然記念物になったのかをよく理解できます。ちなみに徳之島ではハウスゲッコーはホオグロになっちゃいます。

4.沖縄諸島・・・沖縄本島は北部に聖地・山原(やんばる)に行けば、両爬的には完全に異国ムードを楽しめます。いちいち挙げていたらキリがありませんがアオカナヘビアカマタを見ればきっと満足できるでしょう。ハブの恐怖を耐える自信があれば夜に足を運んでみましょう。運がよければクロイワトカゲモドキに会えるかも。

ある「船」の慰霊碑であります
Q4.これはどこの島の風景でしょう?
周辺の島々ではクロイワトカゲモドキの亜種たちと出会えるかもしれませんが、すべて天然記念物ですのでここでは割愛です。それよりもむしろガラスヒバァやミナミヤモリ、アオカナヘビあたりの島ごとの微妙な違いの方が楽しいです。
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