全国の両爬ファンの皆さんこんにちは!冬の時期多いのが

「玄関先でうろうろしていたニホンヤモリを保護しました。飼い方教えて!」

という相談のメールです。そこで今回は大都会のど真ん中でタクマシク生きているニホンヤモリの飼育にClose Upしてみました!
 

ヤモリとはどんな生き物?


ニホンヤモリGekko japonicusは体長10~14cmのヤモリで日本では昔から家に住み着いて害虫などを食ってくれるので「家守」とか「守宮」などと書かれます。家の戸袋などの隙間を住みかにしていて日が暮れる頃になると灯りに集まる虫などを狙ってごそごそと出てきます。その特徴は何と言っても指にある指下板とよばれる器官によって垂直はおろか、天井などにさかさまに「張り付いて」自由自在に運動するところです。

ところが実はニホンヤモリはもともとは日本には分布していなかった生き物だ、と言われています。恐らく過去に大陸から運ばれてきた木材などにくっついてはるばる日本に渡ってきたのでは、というのが通説です。それが証拠に山の中などの自然度が高い場所には生息していません。
   

用意する飼育セットは?

飼育するために必要な設備としては
  • ケージ
  • シェルター
  • 木の枝など
  • 水入れと餌入れ
です。
 


ケージはプラスチックケースでよいでしょう。蓋もしっかりとできますし。それと、実はヤモリはガラス面に張り付くことができません。そういう意味でもプラスチックがいいのです。大きさは20cmほどの横幅があれば、1匹ならば十分ですが2匹以上飼育するときは30cm以上の横幅は必要になると思われます。床材は基本的には必要ありませんが、多少の湿度を保持するためにも、ダニなどの虫がわかないように留意することを前提に土等を入れておくのもいいかもしれません。新聞紙でもいいのですが、下に潜ってしまうことが多いです。

シェルターは必要です。夜行性の彼らは昼間は狭い隠れ家で寝ています(まぶたはないので目は開いていますが…)。彼らは意外に脱皮下手なので、植木鉢のかけらのような「ざらざら」してこすりつけることができるようなものが良いでしょう。木の板などもベターです。

さらに指下板をフルに活用した立体的な活動をする生き物ですから、多くの木の枝や板切れなどを設置していっぱい運動できるようにしてあげましょう。水は霧吹きで、餌はケージ内に放り込んでおけば飲み食いしますが、品良く育てるためにも餌入れや水入れは用意したいところです。プリンやゼリーの容器で充分です。
 

餌はコオロギで

これがネックになる方も多いのですが、生きた虫しか食いません。本来は野性で食っているガなどの夜電灯に集まってくる虫を与えたいのですが、常にそういう虫が採れると限りませんのでショップでコオロギやミールワームを購入することになります。

「餌付かない」と言う話を聞きますが、妊娠したメスでなければ私はそういう経験をしたことがありません。温度が低すぎるか、のどが渇いているなどの理由が考えられます。ちょっとスプラッターかもしれませんが、ミールワームなどを半分にちぎってピンセットでつまんでヤモリの鼻先に体液をつけてやるとその匂いと味につられて食いつくことがあります。普通はそこまでしなくても餌付くと思われます。もちろん、どんな餌にしても彼らが食べられるように、大きさは彼らの頭ほどくらいのものを与えましょう。
 

産卵

春から夏にかけて保護したヤモリは妊娠している場合があります。産卵直前のメスは環境の変化に弱いようで餌を食わずに死んでしまうことがありますので、できれば逃がしてあげた方がいいでしょう。

ヤモリの卵は粘着性があり壁などの垂直部分にくっつくことができます。ですから産卵はシェルターの内側などにする場合が多いので卵を発見したら親に蹴飛ばされて壊される前にシェルターごと他のケージに移動させます。ケージの壁などに産卵した場合は無理にはがそうとしてはいけません。プリンのカップなどに小さな穴を開けて通気を確保し、卵にかぶせてテープなどで固定しましょう。その際湿度を保持するために湿った脱脂綿などを入れると良いです。

卵は有精卵ならば次第にピンク色に変化し、さらに内部が暗くなってきます。途中で黄色くなったりした卵は無精卵ですのであきらめましょう。産卵後2ヶ月ほどで孵化します。孵化したヤモリベビーの飼育は回を改めて説明させていただきます。
 

冬越し

これは意見が分かれるところで「冬眠させるべき」と「させないべき」の二つの意見があります。もともと南方系の生き物ですから冬に対する備えは他の国産の爬虫類ほどは持っていないと思われます。野性では家の戸袋などの温度が一定した所で冬をやり過ごしているようです。

ですから飼育下でも他のトカゲやカメなどと違い土に潜るなどの本格的な冬眠はさせられません。普段の飼育ケージをそのまま気温が低くて変化が少ない場所(例えば下駄箱の中など)においてそっとしておきます。ただし、水入れは設置しておいた方が良いでしょう。加温して冬も飼育するのならば保温設備が必要になります。夜行性ですので夜間も保温するための工夫が必要になり意外に大掛かりな設備になってしまう覚悟をしましょう。また冬の間は餌の確保が難しいので、ショップなどコオロギの供給先も見つけておきましょう。

以上、非常に簡単でしたが基本的なヤモリの飼育に関して紹介させていただきました。

ヤモリはある意味最も身近な爬虫類であると言えます。生理的に苦手、と言う方も多いのですが、大きな黄金の瞳、手袋のような手の平そしてなんだかいつも微笑んでいるような口元を見れば、きっと彼らの魅力に気づくはず。今年の夏の夜に玄関先であなたを微笑んで迎えてくれる彼らに出会ったら、ちょっとだけ飼育して仲良くなってみませんか?


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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。