初見で取説を見ないでブルーレイを
出画できるプラグインプレイに驚嘆!
私が貸し出し依頼したのは、フルハイビジョンで最小のLC-37DX1だったのですが(一人でハンドリングしやすいからです)、同社から届いたのは、LC-46DX1-Wでした。恐らく46Vの画質に自信があるのでしょう。梱包を解くのは非常に簡単で、運搬はさすがに一人ではムリ(本体質量約25.5kg)で家内に手伝ってもらいましたが、46Vのサイズの割には大きさを感じさせません。より大型の製品に慣れてしまったのでしょうね。
セッティングはきわめて容易で、15分もあれば初期設定まで完了します。視聴インプレッションに入る前に、本機のブルーレイ録画機能について紹介しておきましょう。
ガイド宅のリビングにやってきたシャープアクオスLC-46DX1。こうして見る限り録画ができるようには見えないでしょう? |
DXシリーズは、プレスリリースの消費電力比較から推察すると、同社アクオスのDシリーズ(テレビ)とアクオスブルーレイのAVシリーズ(ブルーレイディスクレコーダー)をベースにしているものと思われます。しかし、単体ブルーレイディスクレコーダーの機能がそのまま移植されたのでなく、使いやすさと引き換えに思い切った合理化がなされています。
HDD非内蔵であることの他に、DXシリーズで録画できるソースは、BS、110度CSデジタル放送に限定されており、アナログ放送の録画はできません。これについてシャープは、2011年のアナログ停波が近づいているために今後に重点を置いた設計としたと説明しています。
またデジタル放送の録画についても、HDDを内蔵しないため、ダビング10には対応しません。同時に、外部入力からブルーレイディスクやDVDに録画することはできません。CATVに加入している場合、アンテナコンセントから直接デジタルで入力している場合はもちろん問題ありませんが、STB経由でアナログ入力される場合は録画できませんので、注意してください。
一方、録画モードは最新の単体レコーダー並に充実しています。シャープは録画圧縮に効率に優れたMPEG-4 AVC/H.264トランスコーダー方式を採用しますが、フルハイビジョンでDRモードの5倍の長時間録画を実現しています。2層(50GB)のブルーレイディスクなら、ハイビジョンで21時間を越える録画が可能です。
2倍、3倍モードの場合、サラウンド音声データや番組連動データをそのまま記録できます。
さて、リビングのLC-46DX1のセットアップを済ませてBSデジタル放送の画面を出したまま、私は出かけてしまいました。娘が中学校から帰宅して“ブルーレイ内蔵AQUOS”にどう対応するか興味があったのです。
はたして、帰宅してみるとDVDをLC-46DX1で再生して制服のまま見ているではありませんか。
「これでDVDが見られるってどうしてわかった?」と訊くと、
「だって、テレビでやってるもん」
「でも、正面から見たら普通の液晶テレビと変わらないじゃないか」
「横を見れば、ここにDVDを入れるってすぐにわかるじゃないの」
とまあ、そんな具合です。
第一に、シャープのTVCFの浸透力に恐れ入った次第。第二に、これはDVD(ブルーレイディスク)録画再生機能付きなんだということが、直感的に分る形態に感心させられました。最後に、DVDを挿入すればプラグインで再生開始し入力が切り替わるカンタン設計に深く共感しました。
ブルーレイディスクスロットはこんな感じで右後方に。たしかに分りやすい。ディスクをインサートするとすぐに再生が開始される |
テレビと録画媒体の融合という点で
かつてない高い完成度を実現
さて、昨年12月末に3泊ほどお預かりしたLC-46DX1でブルーレイROMの12月の新作から2作品を視聴、主にWOWOWの番組を録画してみました。ROMの再生画質は画質評価の基準にできるくらいの完成度で、映像調整機能もアクオスの上位機種に遜色のない充実ぶりです。私の主な視聴ジャンルであるブルーレイ映画ソフトの画質のよさは、24p出力ができ、なおかつディスプレイ直結であることのよさが発揮されているのでしょう。自己録再の画質も、DR(高画質標準モード。MPEG-2 TS記録)、MPEG-4AVC共に単体レコーダーに変わりがありません。やや気になったのは、オンエアで見るアナログ地上波放送の画質にイマイチ切れ味がないこと。
「地上デジタル受信のウソとホント」で書いたように、私の住む神奈川県鎌倉市の大半の地域では、地形に起因した事情で2008年12月現在、地上デジタル放送が直接受信できません。2009年中にお隣の逗子市披露山に送信施設が建ちますからもう暫く我慢してください、というのが総務省の返事なのです。
チューナーの画質も、録画機能についても、アナログ切捨ては時期尚早、というのが私の持論ですが、いかがでしょうか。この一点を除けば、LC-46DX1はテレビと録画媒体の融合という点で、かつてない高い完成度を実現しています。「単体機種を脅かすヒット作になるかもしれない」という冒頭の見解は、“ブルーレイ内蔵AQUOS”DXシリーズを見て、触れて、使って感じた確かな感触です。
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