カニを愛しすぎるあまり、「原価割れでも、いいものを安く! 儲けなんて関係なし!」という採算度外視のご主人の店『川喜(かわき)』。とれたての越前ガニを心ゆくまでどうぞ。
福井県三国港、ズワイガニ初セリ!
セリ人の真ん中に陣取るは……
三国港でのセリの様子。わずかなスペースに仲買、買い継ぎ、行商などの人々がひしめき合い、目を光らせる。 |
以前、福井県三国港の初セリを取材で訪れた。
断崖絶壁の景勝地・東尋坊の南側、九頭竜川の最下流に位置する三国港。港町としては珍しく周辺に“超”高級旅館や料亭が点在している。上物の需要が多い割に水揚げが少なく、浜値はかなり高い。
この時の初セリの最高値は4杯で8万5000円。セリ落としたのは『川喜』という料理屋を営む大森幹夫さんだ。
決して漁師ではありませんが
シケが続くとお休みに……
セリ人の真ん中に陣取る大森さん。じっと動かずに目を光らせ、コレだと思ったらすかさずセリ落とす。 |
ほとんどが仲買人や買い継ぎ(セリで買い付けのみを行い、業者にその場で転売する)、行商の人たちで、大森さんはセリの権利(買付人登録)を持つ数少ない料理屋の一軒。
市場に出入りできるのは、もともとが魚屋(大森さんは4代目)だったからだ。
最上級の越前ガニをセリ落とすご主人の心意気とは?!
次のページでは川喜ご主人のカニに対するこだわりをご紹介します。