老舗ホテル存続の危機
保存修復と新たなスタート
吹き抜けの空間に、暖炉、シャンデリアを配した別館ラウンジ。テーブルランプとブラケット照明は、アメリカの建築家、フランク・ロイド・ライトの復刻版。 |
そして現在、このホテルを経営するのは、保存修復工事の前年に設立された第3セクター、十和田ホテル(株)である。
筆頭株主は秋田県で、一見、他の3セクとなんら変わらない気もするが、この会社の特徴は、椿山荘や小涌園、ワシントンホテルなどを経営する藤田観光(株)から総支配人、支配人、料理長を招いた点。
質を維持するべく、また経営上も 公共の宿 というぬるま湯に浸らないよう、外部の力を借りることにしたのだという。
十和田湖を望むレストランでいただく夕食は、和洋折衷スタイル。夕食、朝食とも料理のレベルは高い。 |
ちなみにこちらの料理は夕食も朝食もなかなか気がきいている。地産地消を心がけているのはもちろんだが、この宿の嬉しい点は、うま味調味料をかなり抑えていること。
和洋折衷スタイルの夕食は量も多すぎず、適度でありがたいのだが、個人的には「本館和室は部屋出しにして欲しい。追加料金がかかってもいいから……」と感じた。
さて、次のページでは「公共の宿」とは思えない、十和田ホテルのサービスをご紹介します