癒しの旅/東北の美食旅

使わにゃ損々!公共の宿・十和田ホテル編(2ページ目)

全国各地、さまざまなスタイルで点在する公共の宿。「税金の無駄遣い」というイメージが付随しがちですが、今回はそんなイメージを吹き飛ばす魅力たっぷりの宿、秋田県十和田ホテルをご紹介します。

執筆者:岩佐 十良

老舗ホテル存続の危機
保存修復と新たなスタート


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吹き抜けの空間に、暖炉、シャンデリアを配した別館ラウンジ。テーブルランプとブラケット照明は、アメリカの建築家、フランク・ロイド・ライトの復刻版。
しかし風雪に耐えてきたホテルも開業50年を過ぎると傷みが目立ち、平成4年には県が耐力度調査を開始。一時は解体も検討されたが、保存を望む声が多く、平成10年に保存修復工事が完了した。

そして現在、このホテルを経営するのは、保存修復工事の前年に設立された第3セクター、十和田ホテル(株)である。
筆頭株主は秋田県で、一見、他の3セクとなんら変わらない気もするが、この会社の特徴は、椿山荘や小涌園、ワシントンホテルなどを経営する藤田観光(株)から総支配人、支配人、料理長を招いた点。
質を維持するべく、また経営上も 公共の宿 というぬるま湯に浸らないよう、外部の力を借りることにしたのだという。





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十和田湖を望むレストランでいただく夕食は、和洋折衷スタイル。夕食、朝食とも料理のレベルは高い。
ところで建築がいい宿は料理が今いちというケースが少なくない。
ちなみにこちらの料理は夕食も朝食もなかなか気がきいている。地産地消を心がけているのはもちろんだが、この宿の嬉しい点は、うま味調味料をかなり抑えていること。
和洋折衷スタイルの夕食は量も多すぎず、適度でありがたいのだが、個人的には「本館和室は部屋出しにして欲しい。追加料金がかかってもいいから……」と感じた。


さて、次のページでは「公共の宿」とは思えない、十和田ホテルのサービスをご紹介します
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