癒しの旅/東北の美食旅

使わにゃ損々!公共の宿・十和田ホテル編

全国各地、さまざまなスタイルで点在する公共の宿。「税金の無駄遣い」というイメージが付随しがちですが、今回はそんなイメージを吹き飛ばす魅力たっぷりの宿、秋田県十和田ホテルをご紹介します。

執筆者:岩佐 十良

全国各地に点在する公共の宿。
「公共」の響きから、サービスや食事はちょっと……。と思われがちですが、そんなことはありません!
今やインテリアやサービス、食事にこだわった魅力的な公共の宿があるんです。私たちが納めた税金から生まれた宿ですから、利用しなければ損というもの。
以前自遊人で紹介し、読者からの反響の大きかった施設を中心にご紹介します。

山中に建つ公共の宿に
椿山荘のノウハウが!?

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写真手前が開業当初から残る本館、奥が平成10年に竣工した新館。総工費は本館の保存修復工事を含め約42億円。
公共の宿とひとくちに言っても様々。
国民宿舎、国民休暇村……さらに公務員の共済組合宿舎、市町村営の宿、3セクの宿に至るまで、数えればキリがない。
もちろん運営方法も様々で、施設は公設、運営は民間といった公設民営型、運営も公営という公設公営型等々がある。
さて、今回紹介するトップバッターは『十和田ホテル』である。
皇族や政府要人の宿としても知られる十和田ホテル。昭和天皇・皇后両陛下をはじめ、吉田茂元首相、ライシャワー元駐日米大使など、このホテルに泊まった要人は数知れない。

   この施設はもともと、幻の第12回東京オリンピック(日中戦争のため中止)を前に、外国人観光客向けのホテルとして、政府の要請で秋田県が建設したもの。開業は昭和14年。日本の威信がかかっていたため、秋田、青森、岩手の3県から80名の宮大工を集め、腕を競わせたという。
威風堂々とした外観もさることながら、客室はすべて意匠が異なり、吹き抜けの玄関ホールや階段は見事というほかない。





皇族や政府要人にも愛された十和田ホテル。しかし月日は流れ、老朽化はすすみ……。
次ページでは十和田ホテルのリニューアルまでの道のりをご紹介します。
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建築美に圧倒される吹き抜けの玄関ホール。杉の丸太柱は樹齢65年から85年、ブナの皮付き柱は樹齢約100年。踏込板は欅で、この上を土足で歩くのは少々気が引ける……(実は十和田ホテルは館内土足なのだ)
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