最近、人気の癒しグッズ「苔玉」をご存じですか。小さな器にこんもりした苔と観葉植物を組み合わせた、かわいらしいミニ盆栽、ミニガーデニングです。
お部屋になごめる和の雰囲気をつくりたい、そんな若い女性の間で密かなブームになっているとか。

さてこの苔玉の源流は何かといえば、やっぱり日本庭園でしょう。しっとりとした苔や木々の緑に四季の草花。何気なく眺めているだけで、癒されてくる空間です。

寺社などのお庭もそろそろ紅葉が見頃
この時期になると、ガイドもどこかしら、情緒たっぷりの日本庭園にでかけることにしています。縁側に腰を下ろし、お抹茶などいただきながら、ふうっ、と溜息なんかついてみる。「秋ねー」なんておもわず独り言が口をついてしまいます。
秋の移ろいを肌で感じる庭園は慌ただしい日常を忘れさせる癒しスポット
そんなしっとりゆったりできる日本庭園に出かけてみませんか。



日本庭園の豆知識とともに、関西、東京近郊の今しか見られないお庭をご紹介します。

 苔玉についてはAll About Japan・ガーデニングのこちらも参照ください。


1.日本庭園の豆知識……日本庭園にはいろいろと種類と意味があるんです。
2.京都 非公開寺院の特別公開……非公開寺院の名園を鑑賞できます。
3.東京近郊の名園紹介 ふだんは見られないお庭の秋の特別開放情報も!




【日本庭園の豆知識】
日本庭園は、リクレーションをする場として発展したヨーロッパの庭園とはまったく違い、仏教の教えを形にする、茶の湯の精神を庭に表すなど、歴史や文化の変遷とともにさまざまな様式を生み出してきました。

特に、寺社の庭園には宗教的な深い意味が込められています。
散策、鑑賞の折りに、庭園の作者の意図を知ると、さらに庭の美しさを感じられると思います。

●寝殿造り庭園:しんでんづくりていえん(平安時代)

中国から渡来した建築様式で、平安貴族の邸宅に造られた庭園。庭にいるだけで、山、川、海、など自然を目の当たりできるというお庭。御殿の南に造られた広い庭には船を浮かべられるほどの大きな池、池を間近に眺める泉殿(いずみどの)、釣殿(つりどの)といった付属建物がある。湧水(ゆうすい)もしくは外部より水を取り込んだ遣水(やりみず)が特徴。周囲の山々を借景として取り込み、後には庭に築山や石などを置くようになる。築山泉水様式(山水式)借景庭園の源流。

 
 例:京都 神泉苑、嵯峨大覚寺(大沢の池)
 築山泉水式借景庭園の例:京都・天竜寺


●浄土式庭園:じょうどしきていえん(平安時代~鎌倉中期) 
寝殿造り庭園がプライベートなものであるのに対し、仏教世界を庭の形に具現化したもの。仏教の浄土思想の影響を受け、寺院の主要建築である金堂や阿弥陀堂などの前面に大きい池を開き、ハスを植えるなどして極楽浄土の世界を表そうとした庭。現在ではかなり数が少ない貴重なお庭。 

 例:京都・平等院、浄瑠璃寺、岩手・毛越寺、神奈川・称名寺


●枯山水:かれさんすい(室町・戦国時代) 
水を用いることなく、白砂や石、植栽で山や水を表現する庭園様式。
ごく限られた狭い寺院の中で、幽玄の世界と大自然を表す庭として造られた。白砂に熊手で描いた線を海や川に見立てたり、置かれた石を島に見立て、日本庭園技術の最高峰ともいわれる。

「白砂の中に海を見る」など感性を鋭くして、稟とした静けさの中に自分自身を見つめる庭。

 例:京都・大徳寺大仙院、竜安寺
 

●茶庭:ちゃにわ(安土・桃山時代) 

桃山時代になると、茶の湯の流行とともに茶庭が完成。石灯籠、つくばい手水鉢、飛び石、延段、竹垣などが茶の流儀に則って配置される。露地(ろじ)とも言われる。
現代でも個人宅などで多く造られる庭の原型。

 例:京都・表千家不審庵、大徳寺孤蓬庵


●回遊式庭園:かいゆうしきていえん(江戸時代)
 
築山泉水(山水式)様式、枯山水、茶庭という日本庭園の三大様式をすべてあわせ池庭と石庭が渾然一体となった庭。江戸時代の大名の間で流行したため大名庭園とも呼ばれる。その名の通り、広大な庭を散策できるように露地、橋などが造られ、庭の中を散策して楽しむのが特徴。作庭家としては小堀遠州(こぼりえんしゅう)が著名。

 例:京都・桂離宮、東京・六義園、岡山・後楽園、
   茨城・偕楽園、金沢・兼六園
 

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