癒しの旅/東京の美食旅

人には教えたくない!旨い店~和食編1(2ページ目)

6年もの歳月をかけて作りあげたという古民家は、ご主人のこだわりがあちこちに感じられる独特の居心地良さ。出汁から水に至るまで、料理への情熱も並々ならぬものがあります。高尾の隠れ家、『ろくざん亭』へ。

執筆者:岩佐 十良

水も醤油も、出汁だってこだわりの品。
化学調味料も一切つかいません


ろくざん亭 料理
夜のコース『若菜』4,500円。一切化学調味料を使っていない、周辺でも貴重な店。前菜も“ほっ”とする優しい味わいで、肉より美味しい!?
 とはいいながら、店では神戸牛も使う。ただし、脂肪がつきすぎていない、赤身の多い肉を中心にして原価を抑えている。

「ロースの霜降りは脂がきつすぎるし、価格もドーンと上がっちゃうでしょ。そのかわり豚肉はいいものを使っていますよ。“健麗水(けんれいすい)”というブランド豚なんですが、やわらかくて臭みがない。私は牛より豚のほうが、美味しいと思うんですが(笑)」

 秘伝のタレも特筆モノ。醤油は香川県小豆島から取り寄せる2年熟成杉樽再仕込み醤油を使い、季節ごとに若干風味を変えるという。また、料理には敷地内に湧く井戸水を仕込み水に羅臼(らうす)昆布と本枯節で毎朝出汁をとっている。そして「舌がヒリヒリして、大嫌いだから」と、化学調味料も一切使わない。

「あんまり注文してほしくない(笑)」
コストパフォーマンスにも大満足!


ろくざん亭 料理
神戸牛の『牛寿司』。左のコースのなかの一品で口の中でとろけるような柔らかさ。
 しかも……。メニューを眺めると、ランチの『高尾三昧(たかおざんまい)』は2,100円。夜のコースは3,150円~というお手頃価格。いちばん上の『英(はなぶさ)』でも8,400円だ。

「ほかのコースと比べて、8,400円は“高い”と思われるかもしれませんが、実はこの『英』がいちばん原価率が高いんです。神戸牛のサーロインがつきますからね。ここだけの話、『英』はあんまり注文してほしくないんです(笑)」


ちょっと遠いけどわざわざ足を運ぶ価値のある、高尾の隠れ家な店『ろくざん亭』。次のページで、詳細なデータをご紹介します。
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