大切な文化財を
災害から守るために建てられた国宝館
国宝館は、耐震耐火に優れた鉄筋の建物。できた当時は画期的だったのだろう |
大正時代の関東大震災では、東京の下町だけでなく鎌倉も大きな被害を受け、古い建造物がたくさん倒壊しました。お寺が倒壊すれば、当然、その中にある仏像や文化財も被害を受けます。それら貴重な文化財を守るため、大震災後に鎌倉国宝館が建てられました。
よく、「仏像はお寺で拝むものだ。博物館で見るものではない」という人がいます。仏像はもともとが祈りの対象であり、単なる美術品とは違うのですから、その意見も一理ありますが、わたしは、文化財を災害から守るという観点や、誰でも見やすいという点などから、博物館も悪くないと思っています。そもそもわたしは目が疎いので、照明がある博物館内のほうが、細部がよくわかってよいのです。
鎌倉国宝館のホームページはこちらです
観音様の特別陳列は
8月3日まで
博物館はたいていがそうですが、収蔵しているものをすべて陳列するわけではなく、時期によって見られるものが違います。平成20年の7月10日から8月3日までは、特別陳列「観音様」ということで、観音様にまつわる絵画、彫刻、工芸などが展示されていました。中でも、建長寺の千手観音像や寿福寺の聖観音像などが見ものです。観音様系の仏像だけでなく、迫力ある十二神将や、色っぽい弁天様にもお会いできました。この弁天様は鶴岡八幡宮のもので、江の島の弁天様とよく似ています。しかし、大きな違いは、江の島の弁天様が裸なのに対し、こちらの弁天様は、ホンモノの布でできた着物を着ていらっしゃることです。その着物は古いものではないので、定期的に新調していらっしゃるとお見受けしました。そして、その着物を脱ぐと、おそらく、江の島のヌードの弁天様と同じ状態になるのでしょう。
江の島のヌードの観音様に関する情報はこちら
お土産はわらび餅
わたしの場合、鎌倉に来たら、お土産には「こ寿々のわらび餅」を買って帰ることが多いです。こ寿々さんは蕎麦屋さんなのですが、デザートに出るわらび餅が評判で、これだけを単独で買いに来るお客さんも多いようです。こ寿々のわらび餅は、異様に粘るのがポイント |
こ寿々のわらび餅の情報はこちら
一般にわらび餅と呼ばれるものの中には、わらび粉だけでなく、他の澱粉や寒天等が混ぜられたものもあるようですが、こちらのわらび餅は、希少なわらび粉だけで作ったホンモノです。どこが違うかというと、まず、その弾力と粘性です。箱から出して小分けに切ろうと思っても、なかなか切れないほど粘り気が強く、手にくっついて困るほど。
京都に行くと、もっと柔らかなわらび餅もあって、これは100パーセントわらび粉なのかどうかという議論もあったりするのですが、わたしは、仮に他の混ぜものがしてあったとしても、柔らかでつるっとしたわらび餅も好きだったりします。ともあれ、こ寿々のわらび餅は、京都のお上品なわらび餅とは違って、質実剛健、これでもかっ、というわらび粉100パーセントのお味がします。武士の町鎌倉は、お菓子だって雄々しいのだ。
鎌倉には、石の仏様もたくさんあります。こういう素朴なものも、わたしは大好き! |
今回も、参加者の方がブログに感想を書いてくださっていますので、ごらんください。
●Nさんのブログ
●Kさんのブログ
●これまでの鎌倉、江の島関係の記事はこちらにあります
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JTB旅物語・吉田さらさの「ふわり仏像ウォッチング」係まで)
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