日本唯一の「あの世のテーマパーク」

伊豆極楽苑入口

伊豆極楽苑入口。笑顔の鬼さんがお出迎え

人間誰しも「この世」に生まれたからには、いつかは訪れる「あの世」。でも「あの世」って、いったいどんなところ?

そんな気になる世界を一足お先に見学できるのが、静岡県伊豆市の伊豆極楽苑。死後の世界である地獄極楽を現世に再現した日本唯一の「あの世のテーマパーク」です。

ニッコリ笑顔の鬼さんに誘われて、いざ「あの世」のバーチャル観光へと出かけましょう!

「絵解き」の精神を受け継ぐ

館内に入ると怖い閻魔様が待ち受けているかと思いきや、出迎えてくださったのはこれまたニッコリ笑顔のお二方、伊豆極楽苑館長の青鬼丸(あおおにまる)さんと、その奥様の華扇(かせん)さん。伊豆極楽苑は現館長ご夫妻の父親である初代館長氏の発案で、1986年に開館。現在は二代目館長の青鬼丸さんが展示製作、華扇さんが展示解説を担当され、28年にわたって地獄極楽の教えを現代に伝えています。

「善いことをした人は極楽に行け、悪いことをした人は地獄に落ちる」、「ウソをつくと閻魔様に舌を抜かれる」、……これらのお話は誰もが一度は聞いたことがあるかと思いますが、実は地獄極楽の世界も仏教の教えの一つ。平安時代の僧源信によって『往生要集(おうじょうようしゅう)』という書物にまとめられ、人々に「人として正しく生きる道」を説いてきました。

伊豆極楽苑では『往生要集』に説かれた地獄極楽の様子を大小300体以上の人形による精巧なジオラマで忠実に再現。我が国では伝統芸能として、地獄極楽の様子が描かれた絵画を用いて地獄極楽の教えを説く「絵解き」 というものがありましたが、現代ならではのジオラマを用いた「地獄極楽めぐり」は、まさに「現代版絵解き」といえるでしょう。

まずは現世で案内人の華扇さんより地獄極楽についてのレクチャーを受けます。私たちが普段よく耳にする「断末魔」や「四十九日」といった言葉も地獄極楽の教えに由来するとのことで、さらに地獄極楽が何だか身近な存在に感じてきたところで、亡者が死後最初に登る「死出の山」に見立てた階段を上り、いよいよ「あの世」へと出発です。
伊豆極楽苑案内人の華扇さん

伊豆極楽苑案内人の華扇さん。役立つ豆知識とユーモアを交えて、地獄極楽のお話をしてくださいます

次ページは、ついに「あの世」へ足を踏み入れます。